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★タイトル (AZA ) 08/09/14 09:34 ( 24)
本の感想>『王国は星空の下』 永山
★内容
・『王国は星空の下』(篠田真由美 理論社ミステリーYA!)9/2340
幼稚園から大学院まで、学校のデパートのような北斗学園。その広大な敷地
内には、旧ブロックと呼ばれるほとんど誰も足を踏み入れない区画があった。
北斗学園の全寮制中等部二年のアキ、ハル、タモツの三人は、ふとしたきっ
かけで、学園に伝わる七不思議について調べようと決意する。夜、寮を抜け出
し、旧ブロックに入り込んだ彼らだが、邪魔をする者が現れ……。
建築探偵シリーズで知られる作者が放つ、中高生向け学園ミステリ。
うーん。続き物の第一作という位置付けなんだろうけれど、あまりにも中途
半端で、すっきりしない。内容が中高生向きではないと思うし。何ていうか、
大人の薄汚い部分ばかり前面に押し出し、中学生が(今どきでも少しは)持っ
ているであろう爽やかさが、ほぼ皆無なんだよね。
ミステリとしての構成も弱い。いくつかの出来事が同時に起きて結び付き、
進んで行くのだが、その「同時」の部分が単なる偶然らしい。大いに不満だ。
「北斗七星の八番目の星」の謎にしても、気付くのが遅くないだろうか。この
年齢で、三人組の一人が物知りタイプなら、知っていて当たり前じゃないかと
思う。
それから、文章が雑だと感じた。中学生の話し言葉で記したという背景を差
し引いても、すかすか過ぎる。この作者なら、もっともっとペダンティックに
書けるはず。
という訳で、これで今の若年層がミステリというジャンルに心惹かれるかと
いうと、相当に怪しいなあ。とりあえず、第二作は読んでみる予定。
ではでは。