AWC 本の感想>『仔羊たちの聖夜』   永山


        
#4553/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  07/10/16  21:09  ( 22)
本の感想>『仔羊たちの聖夜』   永山
★内容
・『仔羊たちの聖夜』(西澤保彦 角川書店)12/4440
 一年前のクリスマスイブ、タック、ポアン、タカチの三人は初めて出会った。
そしていきなり事件に遭遇する。目の前で、女性の墜死が発生したのだ。
 その女性が手にしていたと思しきプレゼントの包みを、ひょんな成り行きで
無意識の内に保管してしまっていたポアンは、一年後のクリスマスイブを前に、
その包みを受け取るはずだった人物に手渡すことを思い付く。
 多忙なポアンに代わり、タックとタカチは相手を捜し求める。が、五年前の
同日同所で、やはりプレゼントを持って墜死した人物がいることを知り……。
 酩酊推理の三人組による、コメディタッチの中にも苦いテーマを含んだミス
テリ。

 読んでいる間は面白かったのに、解決を見せられるとつまんなく感じるのは
何故だろう。竜頭蛇尾という訳ではない。
 まず、決め手の弱さかな。これのせいで、ミステリとしても弱くなってしま
った感じ。このシリーズのいつもの形、酩酊推理ならこれぐらいでもありかも
しれないけれど、今回、酔っ払っての推理場面、なかったんじゃないか?
 もう一つは、人の“狂う”過程が一足跳び過ぎることか。こうも簡単に、人
は魅入られはしないと思う。魅入られたとしても、何らかの形でメッセージを
残したいと考えるんじゃないかって。そういう疑問を読者に抱かせないよう、
書いてほしかった。

 ではでは。





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