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★タイトル (AZA ) 06/05/15 20:42 ( 33)
本の感想>『すべての美人は名探偵である』 永山
★内容
・『すべての美人は名探偵である』(鯨統一郎 光文社カッパノベルス)
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歴史学者にして「肩書きは美人」と言い切るほどの早乙女静香は、テレビの
歴史番組に出演した際、その道の大御所である阿南と激しい口論の末、暴力沙
汰を引き起こす。おかげで大学から謹慎処分を食らった彼女は、研究費どころ
か食い扶持にも困る状況に陥るが、教え子の支援により彼らともに沖縄に、念
願の研究旅行へ。が、現地到着の翌日、阿南が殺され、第一発見者となった静
香は容疑者と目されてしまう。
嫌疑不十分で釈放されるや、解決に乗り出す静香。阿南が自らの血で遺した
ネズミの絵が気になったのだ。どうやら、静香が探している古文書と、阿南の
死はつながりがあるらしい……。
『邪馬台国はどこですか?』の早乙女静香と『九つの殺人メルヘン』の桜川
東子が競演する、超絶歴史推理プラス殺人トリック。
上記の粗筋を経て、美人コンテストが開かれ、早乙女静香も出場します<何
じゃそりゃ。
『邪馬台国はどこですか?』的な展開を期待して手に取った本書ですが……
微妙。期待は裏切られないものの、あまりにも薄味です。せいぜい中編のアイ
ディアを、無理矢理長編に引き延ばしたような(その割に、終わり近くで、ば
たばたと謎解きが行われるのですが)。特に、地の文で書いたことを、やたら
と会話文で繰り返していたのは気になった。
あと、事件とは無関係な、どうでもいいことについて伏線をびしばし張って
いたのは、ギャグなんだろうか。この作者らしいと思わないでもないけれど。
それから、早乙女静香のキャラクターが、『邪馬台国はどこですか?』等を
読んだときに比べて、ばかっぽくなった印象も受けました。賢いけれど高飛車
キャラが、賢ぶった高飛車キャラになりつつあるような。これはぜひとも修正
してほしい。
極言すれば、二大キャラクターを競演させたいがための作品といった感じで
した。競演自体は悪くないんですけどね。『邪馬台国はどこですか?』で静香
の上を行く宮田(と思しき男)が、電話口で登場する辺り、ファンならたまら
ないでしょう。
ではでは。