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★タイトル (AZA ) 05/02/22 01:31 ( 26)
本の感想>『たったひとつの 浦川氏の事件簿』 永山
★内容
・『たったひとつの 浦川氏の事件簿』(斎藤肇 原書房)17/6452
八つの作品からなる短編集。※あらすじをフェアに記述することは比較的容
易でありますが、その魅力を伝えるには、本書巻頭に掲げられた口上を見ても
らうのが一番だと思いますので、引用します。
口 上(CAUTION)
本書は短編集であり、どのように読むのも読者の自由では
ありますが、作者としては作品の並んだ順番に読むことをお
勧めいたします。
ただし、六作目までを読んで、この時点で作者の狙いがほ
とんど分かってしまったという場合には、あえて七作目を飛
ばして八作目に進み、最後に七作目を読むという選択肢があ
るかもしれません。
各短編ごとに見ていくと、それなりに読ませ、面白味はあるが、どれも中途
半端な印象が強いです。短編集となって初めてその狙いが分かるスタイル。
口上が仮になくても、なーんか仕掛けがあるのだなと察しは付き、あれやこ
れやと想像できるものの、ぼんやりして形にならないまま、読み進めると、最
後に結構な驚きがあります。こういうのもあるんだな、ミステリには、という
感じでした。
あなたが年季の入ったミステリマニアで、本書を未読なら、つべこべ言わず
に読むべき。ミステリ好きだが入口をくぐってまだ間がないという人は……ま
あ読んでもいいけれど、この先の楽しみが減るかもしれません。そんな一冊。
あ、反則すれすれの技が使われていますが、怒らないように(笑)。
ではでは。