#2421/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (gon ) 04/10/21 01:44 ( 37)
シマリスくん 久作
★内容
いや、虎鼠(しまりす)ではなく、虎鼠の話である。
八犬伝で吹雪姫なる儚げな女性が登場する。変態室町幕府管領/細川政元の養女だ。政
元は或る色白ムチムチ美少年(犬士)をRapeOfNankingならず、軟禁状態にして陵辱しよ
うと目論み、思いを遂げなかったとは書いていないんだが、犬士は毒牙を逃れたと考え
られている(証拠は全くない)。私だったら吹雪姫の方が良いのだが、政元は史実でも
飯綱使い、即ち狐関係の妖術を信仰しており自ら女色を禁じていたらしく(飯綱使いは
女色を為せば術が破れる)男色に走った男だったらしい。いや、そんな話をしているの
ではない。吹雪姫の話である。
祇園祭礼信仰記なる文楽がある。文楽だから歌舞伎にもなっているんだろう(よく知ら
ぬ)。「雪姫」って女性が登場する。舞台背景は、室町将軍足利義輝を自殺に追い込ん
だ松永弾正(久秀)の乱だ。弾正は雪姫の父を殺し夫を捕らえ、本人をRapeしよう
とする。実は「雪姫」、「雪舟」の孫で、父も夫(狩野直信←実在)も狩野派の絵師っ
て設定である(雪舟に息子がおったんかい!←フィクションに驚くなよ)。弾正は雪姫
に竜の絵を画かせようとする。拒む雪姫に「だったらセックスさせろ」と云う。父の形
見の刀(これがまた朝日に翳せば不動明王、夕日には倶利伽羅龍がホロスコープみたく
浮かび上がる妖刀)で打ち掛かろうとする雪姫を踏み押さえ、縄で緊縛監禁する。……
お察しの良い方なら、そろそろ後の展開が見えてこよう。そう、雪姫は縛られたまま、
足指を使い滴る涙で床に鼠を描いた(雪舟幼少時の挿話に仏道修行の身の上で絵ばかり
描いていた雪舟を緊縛監禁した和尚が、雪舟が足指を遣い涙で床に描いた鼠が本物と見
まごうばかりであったため、絵の道に精進することを許したってのがある)。その鼠は
生けるが如く……ってぇか実体化して、雪姫を緊縛していた縄を噛み切ったのである。
豊臣秀吉が加藤清正が現れて、雪姫を救う……荒唐無稽ではあるが、まぁイラクが大量
破壊兵器を持ってるとか強弁して戦争おっ始めるは覇道の常套だが(七八十年前に日本
もしたよなぁトオイメ)独自に情報収集能力がないから尻尾振って随いてったは良い面
の皮なんであつて、それに比らべりゃ、まだしも説話の本歌取り、文芸に許された筆法
である。
いやさ実は八犬伝でも、緊縛拉致された「吹雪姫」が悪僧の慰み者にされようとする正
に其の時、虎が現れ悪僧を噛んで昏倒させる。そこにまた善玉爺が現れ吹雪き姫を救う
(大衆小説で御都合主義の何処が悪い←誰に言っとるんだ)。此の虎、絵が実体化した
ものであった。
祇園祭礼信仰記と八犬伝、何か関係があるのかとも思うが、上記のみでは薄弱。虎と
鼠、対称的であるよりほかに、説話か何かで共通させるモノはあるか、と現在調査中。
何か思い付いた方は、御一報を。