#2397/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA ) 04/10/13 19:39 ( 90)
ドナドナド〜ナ 永山
★内容
小学生のときの同級生に、下の名前が甲士(こうし)という子がいて、ドナ
ドナの「子牛を乗せて」のフレーズに差し掛かると、一部男子が妙なアクセン
トを付けてたなぁ。
読了>らいと・ひるさんの『この優しくも残酷な世界』 ※ネタバレ注意!!
まずは気になった箇所の指摘〜。引用に際しては、こちらの都合で何らかの
加工をすることがあります。ご了承ください。
それと、ここ最近、AWCの書き込みを保存すると、文字化けの発生がたま
にありまして、何故か、らいとさんの書き込みでばかり起きます(サイト上で
見る分には全く正常なのに)。本作でも保存の際に文字化けが生じたかもしれ
ず、その箇所を誤字脱字の類と勘違いして指摘した可能性、なきにしもあらず
ということをご承知ください。
@引用開始(指摘付き)@
昼休みの中庭のベンチで菓子パンを頬張りながら、恭子は祁納成美(けのうな
るみ)にそう問いかける。今日は土曜日なので、中庭にはほとんど人気はない。
:彼女らの通う中学は公立だそうですが、土曜の昼間に学校に来てるってこと
は、私学に思える〜
建物の造りに、通路のオブジェクトに、デザートの甘さに、店内にある商品の
:オブジェクトって何でしょう?
有里守は二つの化け物を必死になって交わす。その心に余裕などなかった。
:「交わす」→「躱す」では?
「あぶだはだぶら!」
呪文に魔法など込めていられない。有里守の詠唱は失敗に終わった。
:魔法を込めるも何も、「あぶらはだぶら」と言えてないんですけど、これは
わざと?
ドナルドを持った右手を迫ってくるタンゴムシに向ける。
:「タンゴムシ」→「ダンゴムシ」
彼女は自嘲気味に笑う
:文末句点がない
彼女はそれに捕まりなんとか自分の席に座ることができた。
:イメージとしては「捕まり」→「掴まり」にしてほしいような……
前の席で既に着席していた成美が振り返る。
:細かいこと言えば「前の席で既に着席」は重複表現
男に声かけられる前に、有里守はくるりと向きと変えて駆け出した。
:「向きと変えて」→「向きを変えて」
またしても、この世界に亀裂が入る。。
:文末句点、一つ多い
@引用終了(指摘付き)@
題名を見たときは、アニメ「この醜くも美しい世界」を連想しました(この
アニメ、タイトルのみ知ってる)。次に、黄色いぬいぐるみが喋るくだりで、
「カードキャプターさくら」かいなと。
ドナ違いの発想が面白かった。ミステリにも普通に応用できそう。
頭文字(け、て、す、た)の方は、やや呆気ない感じがするものの、ドナ違
いその他も含め、こういった仕掛けがあるのは読んでいて楽しい。
最終章の手前、柊が有里守を襲うくだりが、唐突に思えました。襲う理由が
釈然としないというか。
読んでる途中、魔法世界の方が現実で、学校生活の方が小説という設定も面
白いな、と考えてしまったため、驚きが半減したかもしれず。無論、本作の眼
目は、そういうところにはないんだけれども、自分も創作をする立場だからか
余計なことを考えてしまい、いかんいかん。
好みの問題になりますが、有里守が小さい頃、いじめられていたエピソード
を、序盤で出してもよかったかも。それがひょんなきっかけで魔法使いになり、
解消された(ように見える)。しかし実際は……という展開。
同じく、いじめに絡む嫌がらせを、さも、「邪なるモノ」からの攻撃のよう
に、読者に思わせる描き方があれば、私的には歓喜!なのですが(笑)。
と、色々書きましたが、総じて面白く読みました。楽しめました。
勉強にもなりましたし。特に、ファッションなどの描写や、キャラクターの
かき分けは見習いたい。
アンケートに回答。
最終章「■The true world」は、蛇足ではないと感じました。反面、絶対に
必要かと問われたとしたら、迷います。
この作品は、交互に描いてきた二つの世界(?)のどちらが現実なのかを曖
昧にし、判断を読者に任せるスタイルなんだと私は解釈しました。その意味で、
最終章があった方が読後感が柔らかくなり、ない場合と比べれば気分よく巻を
置ける(ファイルを閉じられる)効果があったかな。
では最終章の密度はどうか。
あれ以上シンプルにすると、最終章があるおかげで、かえって混乱を招く可
能性がありそう(描き方次第でしょうが)。
逆に、説明不足かと言われると、そんなことはない。ただ、若干、説明調に
なっている気がしないでもないので、もっと筆を割いてゆったりと描いてもよ
かったかも。
ではでは。