AWC 隣人のその後    朝霧三郎


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#2178/3627 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (sab     )  22/04/13  09:22  ( 56)
隣人のその後    朝霧三郎
★内容                                         22/04/13 09:24 修正 第3版
昨日地検で検事に調書を取られてきた。
調書作成に先立つ事情聴取で、
「犯人は包丁をどっちの手に持っていましたか?」
「右手に持っていました。
警察では、犯人は左手に持っていると言っているから、
整合性を保つ為に、
被害者は、どっちだか分からなかった、という事にしましょう、
と言われましたが」
「アパートの通路には電灯はありましたか?」
「ありました」
「では、犯人が包丁をもっているのはその明かりでよく見えましたね」
「いいえ。犯人はキッチンに立っていたので、キッチンの明かりでよく見えました。
外通路の明かりは関係ありません」
「それでは、最後に、犯人に重い罰を望みますか?」
「望みません。つーか、ただ関わり合いになりたくないだけです」
…みたいなやりとりの後、検事が口で言った事を、
アシスタントの若い男がタイプして。
そして調書が出来たのだが。
その後、ちょっと世間話みたいな感じになって、
そこで、
「犯人は、どういう積りで包丁を向けてきたんですかね」
と聞いたら、
「犯人は、包丁は向けていないって言っているんですよ」とか。
はぁ?。何を今更。
それを先に言えよという感じですね。
こっちは、包丁を向けてきた事ぐらいで長期の勾留はかわいそうだから、
重い罰を望まない、と言ったのに、
犯人は、そもそも包丁をこっちに向けた事を認めていないなんて後から言うなんて。
「警察に逮捕された時に、包丁をもっている事は認めていたじゃないですか」
と言うと、
「まあ、現場ではいろいろごたごたがあるから」などと。
私が思うに、警察の取り調べの時に、
「犯人は左手に包丁をもっていたと言っているから、それに合わせて、
こっちは、どっちにもっていたか覚えていない事にしましょう」
などと、警察で、でっち上げの調書を作るから、
後で、供述をひっくり返されるのだ、とか思ったが。
或いは弁護士の入れ知恵かも知れないが。

というか、昨日の検事の聴取の時にも、
「外の通路には明かりがあって、それで犯人が包丁をもっているのは
よく見えましたね」
などと、見てもいない現場の状況を想像して、
こっちに「そうだったんでしょう?」と問うてくるのは、
検事の方も、でっち上げっぽくもあったのだが。

こうやって、
実際にあった事とは全く関係のない、
警察やら検事の空想から出来た調書で裁判は行われるんだろうなあ。
まあ、起訴になるかどうか分からないのだが。

つーか、もし犯人が本当に「包丁はもっていなかった」と言うなら、
冤罪で長期勾留されているって事?。
まあ、勾留の段階で冤罪も何もないのだが。

今日明日の内に犯人は帰ってくるらしい。
嫌ですね。





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