#1131/3621 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (sab ) 19/10/10 12:09 ( 53)
叙述トリックについて盛り上がっていますが HBJ
★内容
以下、「イニシエーションラブ」と「殺戮にいたる病」の感想ですが、
ネタバレを含みます。
叙述トリック成否の分かれ目ってなんだろうと考えたのですが
読者に思い込みがあるかどうかだと思うんですね。
「イニシエーションラブ」(特に映画の方)には思い込みがあったと思う。
デブ男が「君のために痩せる、痩せてもてるようになる」といって、
痩せたら本当にもてだして、
しかも東京に転勤になって、
「木綿のハンカチーフ」みたいに田舎の彼女を捨てる
という展開は、
そういう事はあり得る
と読者は思い込むと思うんですよね。
かたや「殺戮にいたる病」の場合、
いくら母親が宮崎勤事件などをもちだして「息子があやしい」などと言っても
思い込み、には至らない。
そうなると、言った言わないのチラ見せみたいなものになってしまう。
”大学生の息子”が家出娘にオジサンと呼ばれた、とか。
”大学生の息子”が授業をサボるのに”休講にする”と言ったとか。
(アマゾンでレビュアーが「これじゃあミステリというよりも国語の試験」
とか書いていたが。
思い込ませる事に失敗した叙述トリックって、
単なる用法の間違いなんじゃないかと思えたりして
苦しいんですね)。
という訳で、叙述トリックの成否の鍵は
思い込みがあるか、それとも単なるチラ見せか、の違いと結論したのですが。
ところで、叙述トリック以外のミステリーって
結局チラ見せしかないんじゃないのかと最近思っているのですが。
永山さんの最近の作品も読んでいますので。
一応誤字の指摘だけ。
「驚きのバースデー」
>お見えに入る前に、
お店?
「誤配が運んでくれたもの」
>で人度ほどとばされたこともある。
ではまた。