連載 #4870の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
このおはなしは、フィクションであります。 で、どうせフィクションであるのなら、なるたけ楽しく、面白いほうがいいじゃな いか、というのが、この作者の考えでありまして・・・・ さらには、そのためなら細かいことにはこだわらないほうが、書くほうも楽しい、 というのもまた、この作者の考えなのでありました。 そんな訳で、このおはなしに、文学的、または芸術的価値などを求めてはいけませ ん。・・・・あしからず。 さて、いきなりですけど、草木も眠る、丑みつ時・・・・ 「しずか・・・・なんですねー」 うっそうと繁る森の中を歩きながら、その女の子は言った。 「ほ、ほんと・・・・不気味な静けさ、ってやつだね・・・・」 並んで歩いてる、ちょっとかっこいい青年が、そう応えた。 女の子よりも、ずっと年上のように見えるのだけど、もっぱら声を震わせてるのは、 彼のほう。 と、その時、 ギャァーッ! 鳥が、ものすごく大きく、奇妙な声をあげて、飛び立った。 「わーっ!」 「キャア! ・・・・でした」 二人そろって、仲良く(?)声をあげながら、頭を抱えてその場にしゃがみ込んだ のだけど、女の子のほうは、わりとすぐに立ち直って、上を見た。 ギャーッ、ギャーッ、という鳴き声と、 バサバサバサ・・・・という羽音が、遠ざかっていく。 「鳥さん、なんですね」 と、女の子、まだ頭を抱え込んでいる青年に、言った。 けど、青年、まだビクビク、ブルブルと、縮み上がっている。 「大丈夫、なんですか?」 「ご、ごめん・・・・ダメなんだよ、ぼく。こーいう雰囲気・・・・」 この二人、女の子のほうは、その名をレイ・シュンリーと言いまして、知ってる人 はご存知のように、若干15歳。 これからどうとでも変わってゆくお年頃ではあるけれど、少なくともいま、十分に かわいい・・・・無邪気さのあふれる(そんな表現あるかな)、小柄な女の子。 山吹色の、どこかの民族衣装のような服を着ていて、黒く長い髪の先を、大きな玉 の形に、結んでいたりする。 青年のほうは、名前をカイ・ド・ふぁるばーどと言って、25、6に見えるけど、 年齢不祥なので、実際のところは知れない。 以前は浮浪者みたいな服装をしてたけど、いまは髪もきちんと整った、マトモな姿 をしている。 二人がともに、こうして旅をしているのには、まあそれなりのいきさつがあった訳 だけど、こんな時間にこんな森の中を歩いている理由はじつに簡単で、道に迷ってい るからだった。 しかしながら、うっそうと樹木の生い繁るこの森の中は、真夜中だというのに、や たらと明るかった。樹木のすべてが、それ自体淡い光を放っているからである。 おかげで視界にはことかかないのだけど、不気味さはあんまり変わらないようだっ た。 とにかく、静かなのである。 それでいて、辺りには常に、妙な空気や気配が、つきまとっている。 「・・・・まいっちゃったよなあ、こんな変な森の中で迷っちゃったりして・・・・」 「大丈夫なんですねっ!」 困り果てている様子のカイに向かって、シュンリーは自分の胸をドン、と叩いて、 自信ありげに言った。 「シュンリーには、おにいさんがついてます!」 ・・・・何か違うぞ・・・・ 「・・・・あはは・・・・まあ、確かにそれはそうなんだけど、ね・・・・」 ほかに言いようもなく、しかしついつい頭を掻くカイくん。だって、年下のかわい い女の子に頼りにされて、悪い気はしないから。 実際、このところのシュンリーは、とても明るく元気だった。やっぱり、独りでい るのはさみしかったみたい。 そして、そんなシュンリーを見ているだけで、細かいことを気にしている自分が、 バカらしく思えてしまう・・・・そう、カイが感じるようになったのもまた、事実だった。 「・・・・じゃあさ、シュンリー。シュンリーはどっちにいきたい?」 とりあえず、歩き出す方向だけでも決めたかったので、カイはきいた。 するとシュンリー、んー・・・・と、ちょっと考えて、 「・・・・おにいさんと、いっしょにいられるほうなんですねっ!」 「え・・・・?」 いきなりの意味ありげな言葉に、思わず赤面してしまうカイくん。 もちろん、シュンリーがどんなつもりで言ったのかは、わからないけど。 ・・・・いままでは意識してなかったけれど、そういえばこのコ、もう結構な年頃なん だよなあ・・・・なんて思いつつ、 「うーん・・・・それじゃ、この小枝の先が指した方にいこうか」 と、近くに落ちてる小枝の1本を拾った。 で・・・・ 「あっちなんですね」 「うん。じゃ、いこうか」 「はいですねっ!」 と、シュンリーがしっかとカイの手をとって、グイグイ引っ張るように先に立って 早足で歩きだすと、 (・・・・気の回しすぎ・・・・かな?) やれやれ、とカイは思った。・・・・さっきまで恐がってたこと、すっかり忘れとるな、 こいつ・・・・。 「・・・・あ、道があるんですね!」 少しいった先で、シュンリーは弾んだ声をあげた。 見ればなるほど、前方に道がある。 けど・・・・ 「なんだ、これ?」 カイがそう言ったのも当たり前。確かに道は前方に向かって続いているのだけど、 二人がやってきたほうにはまるで続いていない。ついその場から、まるで「こっちに おいで」と言わんばかりに、いきなり始まっているのだった。 「あ・・・・怪しいなぁ・・・・」 と、カイはつぶやいたものの、良く考えてみれば、いまさら慎重に動いても意味が ない。 「・・・・まぁいいや。なんでも出てくるなら、こいっ」 なんて強がっている。 「いこ、シュンリー」 と、今度はカイがシュンリーの背中を押して、促した。 と、カクン、といきなり、シュンリーの両膝が折れてしまう。 どうやらおねむなご様子。・・・・無理もないけど。 「わっ、と、またか」 すかさず、シュンリーの身体を支えるカイ。 「・・・・よいしょっと。ほんと、寝つきがいいんだから、まったく」 もうすっかり慣れっこになってるらしいカイくん、シュンリーの身体を背に負う。 ・・・・シュンリーの身体は、思った以上に軽かった。 「・・・・そろそろ何か食べさせてあげないとなぁ・・・・」 ぼくのほうもだいぶつらくなってきたし・・・・と、誰が聞いてるわけでもないのに心 の中で続けると、カイはその道を歩きだした。 しばらくいくと・・・・ 「あれは・・・・?」 ずっと向こうのほう、クネクネと曲がりくねった道の先に、建物の灯が見えて、 「出口だ! 良かった・・・・」 カイは大きく息をついた。シュンリーも眠ってしまって、いよいよ心細かったよう である。 ・・・・情けないけど。 「しょーがないだろ・・・・誰にだって苦手なものはあるんだ・・・・」 誰にともなく言い訳すると、カイは灯のほうへと向かって歩を進めだした。 ・・・・知らず知らずのうちに、その足どりは速くなっていくのだった・・・・。
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