連載 #4785の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
10月12日(土) 夕べ早目に眠ったせいか、早朝3時半に目が覚めて、枕元のラジオのスイッチを入 れた。 『京都からのラジオ深夜便「朝まで源氏物語」』という放送をしていて、これなら 全部聞いてみたかった。 最初に耳に飛び込んできたのは、作家 田辺聖子(文字不明)の講演で、『宇治十 條が好き』という話であった。 ところが、漢字を全然知らない私が、源氏物語の講演についての感想を述べるのは 目障りになる。登場人物の名前を片仮名で書かねばならないからである。 例えば、田辺氏は次のように言っていた。 「ウキフネは、カオルキミとニオーノミヤの両方から求愛され、思い余って入水自殺 してしまいます。けれども、ここまでで話が終わるのであれば、普通の物語と何等変 わる所はありません。… この後、ウキフネは僧に助けられ、突如気持ちが吹っ切れ て出家するのです。それを知ったカオルは、ウキフネの弟に手紙を持たせて遣いにや りますが……。」 私がパソコン通信を始めて間もない頃、光源氏を低く評価して、源氏物語そのもの にもさほど興味がないようなことを書いてAMATEUR WRITERS CLUB にUPLOADしたことがあったが、本当のところ、私は源氏物語を全く読んだこと がないのである。 ラジオ深夜便の4時過ぎには、瀬戸内寂聴の対談が放送された。 「ムラサキノウエを私は一番気の毒な人だと思いますよ。幼い頃、光源氏に拐かされ てきて無理遣り結婚させられ、一生涯嫉妬に苦しむことになるのです。『ムラサキノ ウエは嫉妬の仕方が上手だ』なんて書いてあるけど、そんな風に書かれても嬉しくあ りませんよね。」 「しかも他の女たちは皆、最後は出家するのに、ムラサキノウエだけは、光源氏が出 家を絶対に許さないのです。他の女は別の所に住んでいるから、ある日突然出家して しまい、光源氏を悲しませるのですが、ムラサキノウエは一緒に住んでいるから、い つまで立っても許してもらえないのですね。」 「何故出家させないのかというと、それはセックスが出来なくなるからです。光源氏 はあらゆる女性と関係を持ちましたが、たった二つだけ、しなかったことがあります。 一つは近親者、すなわち自分の本当の母や娘との関係、もう一つは出家した女性との 関係です。昔は出家ということがそれほどに重大だったのですね。」 「ロクジョウミヤスドコロが存在しなければ、源氏物語はもっと平凡な作品になって いたでしょうね。なにしろ生き霊なのだから、見識と教養あるミヤスドコロとしては 自分自身が嫌になっていて、それでもなお祟りをするのです。」 「私の好きな女性と言えば、長年ムラサキノウエ、そしてロクジョウミヤスドコロも 面白いと思っていたけれど、最近はオンナサンノミヤとかスエツムハナにも魅力を感 じますね。」 「オンナサンノミヤは、押しつけられて結婚?した人で、全てにおいて子供っぽくて 気が利かない。そんな幼い筈のオンナサンノミヤが、カシワギと関係を結んで、子供 まで生むのだから、やはり女として魅力があったんじゃないですか。」 「スエツムハナのことを紫式部はむちゃくちゃに悪く書いていますが、物事に拘らな い性格のスエツムハナこそ本当に高貴な貴族なのかも知れませんよね。」 「言葉は悪いけれど、光源氏は単なる狂言廻し、紫式部が本当に書きたかったのは、 女性の心理描写でしょう。光源氏にさせたいことをさせておいて、色々なタイプの女 の性格や心の動きを見事に書き上げています。」 「恋愛のマニュアルは、この物語を読めば全て分かりますよ。他に、政治問題もよく 書かれています。」 「何故私が源氏物語の口語訳を書いたのかということですが、確かに、与謝野源氏・ 谷崎源氏・園地文子さんの源氏物語もあります。けれども、園地さんの口語訳が出来 てから既に20年以上も過ぎていて、今の中学生には、園地さんの文章でさえも解ら ないって言うんですよ。」 「大家のお書きになった源氏物語に比べて、もし私の口語訳で特徴があるとしたら、 それは私が出家しているという点でしょう。」 「宇治十條(文字不明)で、ウキフネが出家するさいに黒髪を切る場面がありますが、 それより前の出家の書き方と違って実感がこもっています。宇治十條は別の作者が書 いたのではないかという説もあるけれど、私はおそらく、紫式部自身が出家した後に 書いた文章ではないかと考えます。」 「日本人の残してきた遺産には素晴らしい物が沢山あります。例えば建物もそうです が、その中で何か一つだけ挙げるとしたら、源氏物語以外には無いでしょう。世界に 誇れる源氏物語を、例え漫画ででもよいから、若い人たちに是非読んでもらいたいと 思います。」
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