連載 #4779の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
「やれやれ、やっと逃げてったね」 3人組がいなくなった途端、それまでずっと床の上でのびていたカイが起きあがる。 「あっ、へーきだったんですね?」 「うん、気絶したフリをしてただけ」 シュンリーの問いかけに、さも当然といった顔でこたえるカイ。 ・・・・情けないぞ、おまえ・・・・ 「まぁ、それはともかく・・・・すごいんだね、シュンリーって」 「はい、おもしろかったんですねっ」 「あはは、そりゃいいや」 また、にぱっと笑うシュンリーに、思わず自分も笑ってしまうカイ。 「けれど・・・・なんですね・・・・」 と、シュンリーはあらためて店の中を見回した。 店内は、4人が暴れ回ったおかげでしっちゃかめっちゃか。テーブルというテーブ ル、椅子という椅子すべてが、バラバラのガタガタになっちゃってて・・・・ おまけにおやじさん、これで完全にバルド一家とかを敵に回した形になっちゃった訳 で・・・・ あ、フライドさん、顔をわなわなとふるわせて・・・・ 「うわあっはっはっは! これはおみごと!」 と笑いだした。 別にプッツンした様子でも・・・・ない。 「いやー、久しぶりにスカッとしたわい。よくやってくれた、お嬢ちゃん」 「でも・・・・ごめんなさいですね、お店のもの、壊しちゃったんです」 「なーに、そんなもん、このカウンターさえありゃ、なんとでもなるさ」 とフライドさん、無事に壊されずすんだ、カウンターテーブルをたたきながら言っ た。 「おやじさん、それじゃ・・・・」 「ああ、あぶなく自分に負けちまうとこだったがな、この子のおかげで、まだ頑張る 気力がわいてきたよ」 と言いながらフライドさん、目の前にあった契約書をビリビリと破り、すてた。 「さあ、今日はもう店は終わりだ。この子のために、とくに腕によりをかけて、うま いものを作ってやろうじゃないか」 それを聞いて、シュンリーが喜んだのは言うまでもない。 「あ、でも、“かろりーけーさん”、よろしくなんです」 「こんな時までそんなこと気にするもんじゃない。それに、あれだけ動き回れば太り たくたって太れないだろう。気にせず、どんどん食べることだ」 と、フライドさん。 「そうそう、タダで食べられる時に、うんと食べとかなきゃね」 などと、みみっちいことを言うカイに、 「おまえさんの分は、ちゃんともらうぞ」 と、あっさり言うフライドさんであった。 「えー、そりゃないでしょう、おやじさん」 「うちの客であること、なにがあってもやめないんじゃなかったのかい?」 と言ってフライドさん、ニヤリと笑う。 「チェッ、ちゃっかりしてるんだからなぁ・・・・わかりましたよ」 カイは肩をすくめながらそう言うと、 「あ、そうだ、オーブ・・・・」 と、腰に結わえてあった、水晶玉の入った袋の中を確認してみた。 「・・・・うん、大丈夫だ」 すると・・・・ 「なんですかそれなんですね」 いかにも子供らしく好奇心をそそられたシュンリー、いつになくスラスラときいた。 しかしカイが、 「な・い・しょ」 などと言ったので、 「ぶー・・・・」 と、ふくれてしまった。 「あはは、悪いけどこればっかりはねー。誰でも、ひとつくらい内緒にしておきたい ことはあるものなんだよ」 なんだかえらそーに言うカイくん。 「そんなことよりさー、はやいとこパーティーやろうよ」 などとうまく逃げようとするカイに、フライドさん、言った。 「そうしよう、だが料理するのに時間がかかるから、待っててくれ」 「どれくらい?」 「・・・・3時間、くらいかな」 「・・・・てい、ていっ、てぇーいっ」 「ぴょん、ぴょん、ぴょーん」 「えーい、こらまてー」 などと、テーブルの残骸から拾った、肢の一本を振り回しながら、シュンリーを追 いかけるカイ。 もちろん、本気でやってる訳ではなく・・・・いや、遊びにしてもカイのほうはかなり 本気でテーブルの肢を振り回していたのだが、シュンリーにはかすりもしない。 まぁ、この場合、当たったら困るのはカイのほうだろうけど。 「おいおい、もういい加減にしとけ。そろそろ出来るぞ」 「あ、はい」 と、肩で息をしながら言うカイくん、顔の汗を左腕でぬぐった。 シュンリーもピタッ、と動きを止めて顔をほころばせる。でも、息も乱してなけれ ば、汗もかいてるようには見えなかった。 ・・・・太ったらやせられるのかなぁ・・・・? ところで、そんな“あそび”をはじめる前に、カイが説明したこと・・・・さっきの連 中はバルド一家といって・・・・それはもうわかってるか。 で、バルド一家というのは・・・・まぁ、はやい話、この街でハバをきかせている、マ フィア。 そいつらが、このフライドさんの店を中心とした一帯にカジノを建てるだのと言い だしたのが、いまからだいたい半年前のことだった。 ほとんどの商店やアパートは、あっさり地上げされてしまったけど、いくつかそれ に応じなかった店も、もちろんあった。 で、連中のいやがらせ。いちいち詳細を説明するのは作者の体力上つらいのではぶ くけど(ごめんなさい:作者)、とにかくそれによって、フライドさん達の店の客足 はめっきり減って・・・・いや、見た通りまるでなくなってしまった、ということらしい。 そこへ、シュンリーがやってきた・・・・もしかすると、連れてこれれたのかも知れな いけど。 「・・・・よく、わからないんですね」 というのが、シュンリーの感想だった。
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