連載 #3628の修正
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議 題 日本人の生死感 1 物 語 女神イザナミが火神を生んだときにホト(女陰)を焼かれて死ぬ。 夫である男神イザナギは死んだ妻の思いに耐えきれず。死者の国(黄泉国)を 訪ねていく。 死者の国の食べ物を口にした女神イザナミはもはや生の世界には戻れないが、 しばらく待っていてほしい。しかし男神イナナギは火をともしてみると。女神で あるイザナミの体には蛆がたかり、八つの雷神がうごめいていた。 その姿に恐れをなした男神イザナギは逃げる。追う女神イザナミと醜女たち。 死者の国と生の国の境黄泉比良坂(よもつひらさか)までやっとたどりついた イザナギは、巨石で蓋をする。 巨石を間にしてイザナギとイザナミの問答。イザナミ曰く「汝の国の人間を一 日千人殺してやる」それならイザナギ曰く「それなら私は一日に千五百の新しい 生んでやる」 2 黄泉国 (1)黄泉比良坂(よもつひらさか) 黄泉の国への通路は、古事記では黄泉比良坂(よもつひらさか)。奄美の方 言では「よも」は醜い。「ひら」は傾斜面のことをさす。したがって「よもつ ひらさか」とは醜くて傾斜面の坂=醜くいやなところへいく坂道ということを 意味している。 (2)出雲風土紀の黄泉国 『出雲風土紀』の出雲郡宇賀郷の条にも、北海の浜に磯があり、磯より西に 窟があり、人は入ることができない。夢にこの磯窟の付近に来ると必ず死んで しまう。昔ここを黄泉之坂または黄泉之穴といった。 (3)殯宮(もがりのみや) 『魏志倭人伝』では「始め死するや停喪十餅日、時に当たて肉を食わず、喪 主哭泣し、他人就いて歌舞飲酒す。すでに葬れば、挙家水中に詣りて澡浴し、 以って練沐の如くす」と書かれています。 これは殯のことの説明なのですが、喪(柩)をとどめて、埋葬以前のまつり をし、そののちに葬って、服喪の人々がみそぎ(澡浴)をするということでし ょう。 これは『魏志倭人伝』の殯なのですが、他には近親者がそばにいて、臼をつ く女がいたり、泣きながら故人の追憶を歌うように語り続ける女や、葬送のと き死者の頭を支えて運ぶもの、食物をそなえるもの、死者のかわりに供えられ た食物を食べるもの(わたしゃあまりしたくない)ホウキを動かすものなど、 したそうです(後に職業化されて遊部となる)。 (4)埋葬 自然死でないもの、つまり事故死、病死、暗殺、刑死はパーフェクトの死で はない。つまり死者の魂はいきつくところにいけない恨みの神になり恐怖の対 象となる。そこでその魂を外部にださないための工夫が屈葬(小さく折り畳む こと)やら死体の上に大岩を乗せて魂がよそにであるかないような工夫をする。 3 死者に対する取扱い 現代よりも昔の方がずいぶんと大事にしています。死者に対し愛着と恐れの ようなものが古事記の黄泉国くだりには感じられます。 死者の愛着には、愛妻を先に亡くした夫が、亡骸の治められたモガリの宮か もしくは古墳の内部まで行き、再び妻を見ようとした。イザナミが死んだ原因 が火神を生んだためにホト(女陰)を焼かれたことになっています。このこと からイザナミは火のような熱病にかかる、産婦人科系の病気にかかる、また季 節は火をあらわす夏であったような気がします。 このことから仮にイザナミが死んだのを冬ではなく夏ということになると、 ドライアイスもない古代社会では、その腐敗は夫のイザナギが思っていたより も異常に早かったのではないでしょうか。 イザナギがただ妻を眺めるだけではなく、死姦をしようとしていたのならな おさらでしょう。妻の身体を触るとうじむしが大量にでてくる。生前の美くし さを覚えていてもこれでは千年の恋もさめてしまいます。 そして死者に対する恐れですが、ます死者が病気で死ぬ(熱病)とします、 それが普通の人にはうつらないものであればいいのですが伝染病になると死後 も伝染病は死者の体内で繁殖し、次の媒体を求めて移ります。そこで人はばた ばた死ぬ(イザナミの一日千人殺してやる。つまり死者をみたものは伝染病を うつしてあげるという意味)。伝染病で死んだ死者を隔離する特別の部屋上の ようなモガリの宮みたいなものが必要になってきたような気がします。 大舞 仁
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