短編 #0275の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
金縛りになって目が醒めた。眠りすぎたのかも・・・。 ダルイ・・・。体が動かせないのが不愉快だ。うっすらと開けた目に腕だ けが見える。横になった状態で、ずっとこのままでもいいのだけれど、体 が目に見えない力で押さえ付けられていて、ただ横になっているのとは違 う・・・腕を動かしたい、でも、指一本動かない。あきめてまた眠る。 夢の中で私は公衆電話で電話をする。いっぱい十円玉を入れるのだけど、 すぐ切れてしまう。電話のベルが鳴っている。 しばらくして、本物の電話が鳴っているのに気付いた。 「はいはい」 ベットから起き上がって、受話器に手を置こうとした瞬間、電話は切れた。 「チィッ」 寝すぎたのか頭がダルイ。とりあえず水が飲みたい。冷蔵庫からミネラルを 取り出してコップに注いだ。また、電話が鳴った。 「もしもし・・・」 「おい、まだ家にいんのかよ!何してんだよ、1時の約束だろう?」 時計は2時を回っている・・・ああ、タケシと約束してたんだ忘れてた。 「今、起きたとこ・・・」 「え〜、いつまで寝てんだよ、頭が腐るぞ。もういいよ、俺帰るから」 「うん」 「”うん”ってそれだけ?」 「それだけって?」 「ごめんとか、悪かったとかなんかないのかよ」 「ああ、ごめん」 「本当におまえって変なやつだよ」 電話が切れた。そうだ、水。コップに入った水を一気に飲む。綺麗な水のあ る所に行きたい、突然そう思った。 翌日、タケシともう一度約束した。太陽が照りたつアスファルトを歩く。 溶けてしまいそう・・・。 「で、・・・だからさぁ・・。おい、話きいてんのかよ」 「あっ、聞いてない」 「・・・失礼なやつ」 「太陽が・・・」 「太陽が何?」 「・・・溶ける・・・」 「はぁ?」 「何でもない、ごめん、それで?」 「おもいっきり、しらけた。何考えてるのお前、いっつも、いっつも人の 話聞かないでボーッとして。おかしいよ」 「おかしいのかなぁ」 タケシはどれくらい私がおかしいのか綿々と話した。私たちは近くのレスト ランに入って、少々遅い昼食を食べた。もう、お昼のピークを過ぎていたの でレストランの中は比較的すいていた。そうして、他愛もない時間が過ぎて いく。どうしてこの人は私と一緒にいるのかしら?加奈子はとてもかわいい 男の人はみんな加奈子が好き。加奈子はタケシに気があるらしい。気をつけ てねと佳子が言っていた・・・。 私たちはレストランをでるとすぐに別れた。 「用事があるの」 「ふーん、そう」 それが最後の会話だった。お互いさよならもいわずに別れた。タケシは私に 何の用事があるのか聞かなかったし、私は言うつもりもなかった。用事なん て最初からない・・・。 駅までの帰り道をとぼとぼ歩く。だんだん曇ってきた。 今まで憎たらしいくらい照っていた太陽が隠れて、雷が鳴りはじめた。お約 束通り雨が降ってきた。雨は激しさをましてアスファルトに打ちつけた。 私が出るときは晴天だったので、傘はもちろんない。電車から降りるとさら に降っていた。私はそのまま歩いて帰った、歌を歌いながら。だんだん楽し くなってきた。雨の歌を歌った。その時気付いた。雨の歌には悲しい歌が多 い。どうしてなんだろう?こんなに楽しいのに。私はずぶぬれになった。こ れで溶けずにすむだろう。 雨はすぐ止んで、次の日には雲一つない大晴天だった。”水不足”なのに。 でも、ニュースでいってた”都会に雨が降っても駄目”なんだってさ。 それからこうも言ってた。地球上にある水は、地球が出来て以来量が変わっ ていないのだそうだ、”ひょっとしたらクレオパトラが飲んだ水を我々が飲 んでいるのかもしれません”かぁ・・・。そうか、私はクレオパトラのおしっ こをのんでるのか・・・。どっちにしても暑い・・・ダルイ・・・溶ける・・ 私はベットに横たわり手探りでラジオをつけた。ラジオから聞き慣れたフレー ズの蛇線の音が聞こえてきた。はやったよな、これ。沖縄かぁ、行きたいなぁ。 きっと、ここより暑いけど、沖縄の太陽は私を溶かしたりしないだろう。きっ と沖縄の水は綺麗にちがいない。・・・でも、やっぱり南アルプスのほうが水 はきれいなのかな?冷たくて、澄んでいて、おいしいかな。 その前にここで私は溶けてしまいそうだ。この音楽を聴きながら、溶けるのも 悪くない。溶ける前に水が飲みたい、おいしい水が。 end:::
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