短編 #0142の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
〜ルパン三世のテーマ〜 暑い暑い。髪の毛が汗で首にくっついちゃって気持ち悪い。だけど私は口笛を吹く。 道路のアスファルトは熱で煙っている、ちらちらと幻の水がにげていく。燃えている 赤い草の上を走るバイクの、不二子の黒のツナギの下は絶対裸だぞー(カックイー)。 小さい頃よく見てた『ルパン三世』の峰不二子みたいになりたかったんだ、私。何で も出来て美人でナイスバディー。彼女は一応ルパンの“一味”なんだろうけど、自分 の欲望に忠実で欲しいとなったら裏切ったり騙したりしてでも手に入れてしまう。かっ こいいよな、ずっと憧れてた。でも大人になってキレイにしててちやほやされたけど そんなの、スイッチを入れたら電源が入るようなもんで・・・何ていうか、当たり前 だった。むなしくてむなしくて。だましたりだまされたりで、不二子のよりどころっ て一体何だったんだろう。 ああ、汗が背中を流れおちる。こんなに暑い日の待ち合わせ場所を、こんな日陰の ない橋の上に指定するような大ボケ野郎とデートするなんてもー。例えば私の理想の 彼氏は、あの日持ってないはずの外車に乗って登場したショージくん。「乗りなよ」 と言われたその車が盗品で、一瞬びびった私を見透かすように笑って走って行っちゃっ た。手足が細くて長くて、キザだけど三枚目。ルパンみたいだった。 そして今、待ち合わせの時間ちょうどに、熱気でもんもんになっているむこうの方 から塩野くんの姿が近づいてくる。私を見つけて手を振って、橋の入り口でつまずい て転ぶ。それが現実。見事に転んだ塩野くんの横の、その少し段になっている部分を 地元の若い夫婦がベビーカーをひいて用心深く越えていく。ビデオで我が子を撮るに やけたダンナ、あれが今のショージくんとその奥さん。それも現実。今のショージく んをカッコイイとは思わないし、あの日のショージくんが再び現れたって、やっぱり 塩野くんを選ぶ。結局私は一人の男との安全な恋愛で満足してしまうし、女の友達だっ て必要なのだ。二十歳にして落ち着く、ありがちなパターンをふむショージくんと、 峰不二子になれなかった私はクソ暑い夏の日差しの下で一瞬すれちがった。 それから私と塩野くんは橋の欄干に寄りかかって、今日はどうしようなどと話す。私 たち、これからきっと喫茶店にでも入ってお茶でも飲んでからボーリングするか映画 を見るのだわ。夜には公園でキスでもするのかな。そんなこんな小さな出来事を思い 出にしながら地味に生きて行くのがお似合い。“ルパン三世のテーマ”はどこかもの 哀しい。宝石があれば、リッチで優雅でスリリングな生活があればオーケーってほど、 私はストイックになれない。 おわり
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