空中分解2 #3030の修正
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〜 【ごんた】君の”シネマ”な夜のつぶやき 〜 第一夜 「冷たい雨の夜のシネマテーク;『デリンジャー』」 季節はすっかり入れ替わって入るはずなのに、あなたの心は 春を知らない。冷え切った想いを癒してくれるはずの恋も女も、 もうこの部屋を訪れはしない。あなた独りきりの夜。誰も電話 をしない。誰もあなたの部屋をノックしない。 グラスの底に沈んだ憂鬱だけが、そっとあなたのため息を襲 う。気むずかしいあなたのくすんだ瞳はまるで氷のように冷た くて、そんなあなたを、だれも慰めはしない。 冷たく、心は氷に閉ざされたまま。この小さなあなたの居場 所に残っているのは、ただの想い出、傷ついた恋の”かけら”。 グラスの底に眠りを待っているだけの夜。煙の向こう、恋人 達の静かに戯れる街角で、独りあなただけの時を刻んでみたく なる。ハーパーな夜に酔いしれてみたくなる。 そんな憂鬱、深夜のTVはあなたを苛立たせるだけ。シネマ な夜に、ハードボイルドな夢でも見てみたい。 「デリンジャー」。今夜のあなたを奪ってくれる。凡てを、 きっとあなたに与えてくれるはず。 チープシックな独り者の夜。憂鬱を紛らわす為に、、、、。 「デリンジャー」。そこには確かな男の生きざまがある。 人は、物事に真実味がある以上、その好奇心を決して隠し切 れはしない。あなたの「デリンジャー」への胸騒ぎが、そこに 静かに眠っている。たった16カ月の物語/ダンデイズム。そ の男、デリンジャーの人生が語られている。ハードボイルドが お似合いの男/ヤツ!。 今夜のあなたは、スタイリッシュな銀行強盗/ギャングにな りすまそう!。カメラワークが粋なジャズのリズム。淫らに踊 り出せば、欲望と野心がタフな男の切ない恋を熱くさせる。 ジャズな夜に眠れぬままの虚ろなあなたを静かに包み込んで、 そっと独りにさせてくれる。誰もあなたを傷つけはしない。あ なたの視線はため息がちにグラズの底へ落ちるだけ、、、、。 そんな夜、憂鬱。煙草に火をつける、、時が静かに重なる、。 憂鬱、こんな夜。1993/3/16 【ごんた】
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