空中分解2 #2975の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
【能書き】これはもう、十年以上もまえに書いた作品です。思えばずいぶん長い あいだ熱にうかされつづけてきたもんだが、一生うかされたまんまでいる つもりなのでまあ昨日のことのようなものでもあるのでしょう。 内容はさっぱりわけがわかりませんが、どういう意味かと問うてもム ダです。作者にもなんのことやらさっぱりわかりません。雰囲気だけの作 品なんでしょう。 んで話はまったくかわるが、「ヲ」の共通点がまるっきりわからんな ー。タネあかしはあるんでしょうね? ね? 開 演 ひとつのステージが終わり、より高いステージに入る。それもやがて、すべてを 演じ終えて、また幕を閉じるだろう。そのたびに人は、深い感銘を受けるのだろう。 聴衆が、観衆がいるかぎり、舞台はつづく。そして、聴衆は、観衆は、絶えるこ とは永久にない。 ----神よ。忠実な下僕なる神よ。我を目覚めさせよ。我を目覚めさせよ、神よ… …。 熱は光となり、すべてがはじまった。 巨大な怒りとやすらぎの間に、生まれた。生をうけた者はまた、新しい生を与え、 それはくりかえされた。 やがて闇が来た。 目がくらむほど遠い一瞬の時が過ぎ、新しい生が生まれた。やがてそれは、生の 上のステージにまで、よじのぼりはじめた。 生はやがて、死にかわる。死は、ひそかに笑った。 ひとつの時が過ぎ、もうひとつの時が過ぎ、そして最後の時がおとずれようとし ていた。 人類最後の宇宙船エン・エンド号が虚空の果てを疾走していた。ふたりの少女が、 そのなかにいた。 ----彼女たちふたりが、最後の人類だったのかもしれない。 少女は、もうひとりの少女に語りかけた。 「まだなの?」 問いをうけた少女は、ちいさく首をふった。 少女は、深いため息をついた。そして、つぶやきをもらした。 「なにもわからないのね」 エン・エンド号は、無限の時を、無限の壁にむかって飛びつづけた。ふたりの少 女が、白骨になったあとも。 やがて彼は、逆走する壁にぶつかり、壁を超え、神になった。 最後の時が過ぎ去り、存在は無の実像のなかに吸いこまれていった。だが、いず れはまた太陽が無を照らし、無は長い影を落とすだろう。そのとき、新しい神は新 しいステージをつくりあげるにちがいない。 かれらは、だれひとりとして自分が孤独ではないことに気づいてはいない。 そして、回る無の上に、それはあった。それは、より高いステージだ。 「わしには、あの高い空の上になにがあるかは、わかっている」 老人はひとりつぶやいた。 赤色の巨大な太陽が、地平線をはるかに超えて、大地をつつんでいる。 海は干あがり、狂気のごとき熱が大地を満たしている。 「それがなにか知りたいか?」 老人はひとりつぶやいた。 そこもまた。 「教えてやろう。空の上には、空があるのだ」 老人はひとりつぶやいた。 胎児は、子宮のなかでいつのまにか生であった。 そして、水は高いところから低いところへと、流れおちる。そして---- それは、なおも広い内にあった。無さえも、ひとつの存在にすぎなかった。 海に生が満ちあふれたころ、すでに戦いははじまっていた。 その戦いは広がり、そのたびに生は死にかわっていく。 それを、宿命だと考えた。だれが……? ----そして、幾多の流転が演じられ、やがて幕はおりた。しかし、その内ではさ らに新しい劇が用意されていた。 やがて、幕は開き、ステージの上にひとりのピエロが現れ出た。ピエロは、ユー モラスにおどった。 客は、ひとりも笑わなかった。 ステージを踏み破って、ピエロは落ちていった。こうしてピエロは、永遠におど りつづけるかわりに、永遠の落下を巡りつづけることとなった。 やがて、ふたたび幕は開かれるだろう。 開演を告げるベルがなり、ひとびとはひざを正した。かれらがそこにいるかぎり、 舞台はつづくのだ。そしてかれらは、いなくなることはない。永久にない。 ----神よ。またはじまる。我が手のひらの上で、新しい幕が開かれる。 開演----完
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