空中分解2 #2865の修正
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《20代おんな心の謎》6 だぁれもいないと思って 前回までのあらすじ えーと。男女4人で、廃虚と化した長崎の島軍艦島へ行ったとき の話です。 画学生と二人で、廃校の校舎内を探検していたんですが、妙に気 持ちが悪い。誰かがどこかでみているような。。。そんな気持ちが するんです。 もちろん、島には僕らのほかには誰もいるはずがない。島全体が 廃虚なんですから。。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆★☆☆☆★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ だーれもいないと おもっていても どこかで みている エンジェルがぁああぁぁぁ 森永製菓は、もう忘れちまったでしょうか?昔の森永のCMに、 こんな主題歌があったんですが 誰もいないはずの廃虚の島に、とりわけ今いる学校の廃墟の中の どこからか、そんな歌が流れて来るような気がして思わず身震いを しました。突然に、その歌声をこの学校の廃墟の中で耳に蘇らせて しまったのです。「画学生」の頭の中にも、似たような響きがこだ ましたに違いありません。 「画学生」は、もう、必死です。 「気味悪い。早く出ようよ」 4階の教室の中からは、明るい外が見えます。運動場。コンクリ ートの堤防。そして海。海の向こうには、長崎の野母半島のさわや かな緑色の陸地。 のどかな現実が見えるきりです。 しかし、ここには誰もいない。かつて四千人もの人が住んだ島。 生徒のおしゃべりで満たされた学校。この狭い島に、人が肩を擦り あうように住んでいた。子供たちが賑やかに笑っていた。それは、 すでに昔のことなのでした。 「誰かが、どこかから、じっとみている気がするの。怖い」 一度生まれた恐怖は、抑えようがなくどんどん巨大になって行き ます。僕まで急に怖くなってきました。 教室を出ました。廊下を二人で走りました。 「ここは4階だったから、下に降りよう」 「どこでもいいわ。早く出ましょう」 でたらめに走りだしました。 走ると恐怖は、いっそうの早さで迫って来るようです。 行く手にドア。明けようとしました。 「開かない。錆び付いているんだ」 「ほんとだ。僕らはどこからはいったんだっけ」 「わかんない。とにかくここはだめ」 「下に行こう」 「地下よ」 「だめかな」 だめでした。地下には電灯の設備がなくなっているために暗黒の 口を開いているだけです。その中に入って行く勇気はもちろんあり ません。 軍艦島は、島の大部分が人間の手で造形された人工島です。学校 の地下から、通路をたどってほかの建築物へ抜けられる構造になっ ているはず。しかし、今は地下の通路に電灯はありません。そこは 真っ暗な穴蔵になっているだけでした。 「あっちは?」 「いってみよう」 別のドアに出ました。しかし、そこも南京錠が固く閉ざしてあり、 僕らを建物の中に封印するかのように、錆びていました。 冷静に考えたらなんということはありません。1階の教室のどこ かに入って、窓ガラスをたたき割って外に出ればよかったのですか ら。。。 しかし、僕らは、冷静を失ったままで、震え上がりました。 そして僕は。。。 (以下次回に続く)
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