CFM「空中分解」 #1757の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
万歩計日誌 NINO 1.徘徊する男 ウロウロしている男がいた。 「何うろうろしてんです?」 そう、意味もなく問いかける男がいた。 「答えを探しているんです」 ウロウロしながら、そう答えた。 「なんの?」 と、問いかけた男は不思議がった。 「問題を忘れてしまったんです」 「どんな問題だったか、知りたい訳ですね」 「違うんです。答えだったんです。その問題の答え」 「わっからないなー。私はいきます」 彼は一人ウロウロした。それは「ひとり、ウロウロしている」の意でなく、「ヒト リウロウロ」という新しい仕草だった。細かいことを言えば「の意」も「の意味」と いう言い方の間違えや、古くからある「の意」という表現ではなく、「ノイ」と呼ば れる、新しい言葉だった。 その男は栄養失調と脱水症状を起こして倒れるまで、ずっとそうしていた。だから、 これ以上の描写は控えることにする。 2.セミ男 「ふぉっふぉっふぉっふぉっ」 ハチ公の前で、蝉のような男がそう言った。 「ハチ公の前ということで、私の存在場所が確定した。ふぉっふぉっ」 「誰よ。あんた」 女はそう言った。 「著作権がらみで、それは言えません」 「そう」 女は『そう』ということで総てを理解して千葉に帰った。結局、この女はそれ以前 に何をして、ここに来たのかも判らないままだった。唐突にこの次元に引き降ろされ た、高次空間に生きる生命体だったかもしれない。 作者は悩んだ。名を名乗らせることができないだけで、にっちもさっちもいかなく なった。ドラマの筋書が壊れてしまった。自らの蒔いた種に自らケツまずいていたの であった。そして作者は渋谷を去っていった。 3.化粧を直す女 電車のシートで、自らをみっともないとも思わず、一人化粧を直す女がいた。 「みっともないから、おやめなさい」 「やめない」 お祖母さんは、その女の化粧を直している途中の顔があまりにみっともないので、 それ以上言い返すことができなかった。そして、注意したお祖母さんはシルバーシー トを目指して込んでいる車内をよたよた消えていった。 この一連の話しの作者である男は、そのお祖母さんの後を追った。 4.注意したお祖母さん お祖母さんは小さい子供が座っている前に立つと、子供の持っていたドラんモンの ポケットに片手を吸い込まれてしまった。踏ん張る力はあったのだが、手を吸い込み 始めたドラエメンは次第に大きくなり、被さるようにしてお祖母さんを飲み込んでし まった。 命を与えられたその縫いぐるみは(ここで子供が持っていたものが生きたものでな く、縫いぐるみであることを作者は知った(ちなみに作者と書かれる人物はこの著者 とは同一人物ではあり得ない))子供の手を離れ、自由ヶ丘経由で高津へ去っていっ た。 5.中*美穂 作者は偶然にも(彼の心の中で偶然を装っただけで、本当は必然である)中*美穂 (*の意味の分からない人は少ないとは思うが、かの有名なワイルド・カードさんで ある(厳密にいえばこの場合、“*”ではおかしい。この例では世界一名前の長い人 物になってしまう可能性がある))に出合った。 その場所は(作者がどこをどうやって空間移動したのか分からない(ギャグでよく 使われるちゃちなトリックと思われる))スタジオ(作者には、スタジオの定義がよ く分かっていないらしい(ここでは瞹昧にスタジオという言葉を用いて、読者をケム に撒く気だったらしい))だった。 しかし、観客とスターの壁は厚く、それ以上彼らの恋は進展しなかった。彼は絶望 した。話しが転がっていかない。観客席にただ座っていて、それ以上の描写ができな いのだった。彼は、「悲しい」と独り言を言い(別に恋が実らないから悲しい訳では ない。これら一連の物語が、ギャグにもならず、シリアスにもならず、かといって実 験的にもならないという、ただひたすらの「即興のみ」の文書(文章ではなく、単に 文が書いてあるの意)に成り下がっていくことをぼやいたのである)ウンコ座りをし て、社会を斜に捉えた。 6.眠気と日記 しかたなしに、作者はしょぼくれて家に帰ってタンク(お湯には塩が効いていて、 閉めると真っ暗になる。その中でプカプカ浮くのである)につかった。作者はもっと 絶望した。何も感じないのであった。祖母が死んでびっくりしたり、カツ丼をもって 夜中走り回ったりする(別になにも他意はないらしい。深く考える必要性はどこにも ない)のと同様に。 作者は煙草を吸った。それが目茶苦茶だったので、舌が麻痺した。物を食べても、 味がなかった。そんでもって、眠気が襲った。家の戸をドンドン叩いて、窓硝子を割 り、強引に家に入り込む、まさに?タリアン(繰り返しになるが、この場の“?”は ワイルドカードである)のような眠気だった。 作者は、手も足もない『眠気』が、「どうやってそんなことするんだ馬鹿野郎」っ て叫んだ。 びくりとして、作者は後ろを振り返る。そこにベッドが現われ(他意はない)て彼 を誘った。 「一緒に寝ようよ」 その声が男だったことで、作者は自分の心の底に眠っていた「カマの心」(賢明な 読者は言った。「ちなみにそれは刃物の心ではあり得ない」)がそのベッドとという 実態となって現われたと思った。 作者は万歩計(歩いた歩数を数えるヤツ(作者は実物を見たことがないのに、ここ に書くことを非常にためらっていた))を腰に付け、ベッドに挑みかかった。 彼は枕に頬を寄せ、うつぶせになった。まぶたを閉じた。作者の涙は頬を伝い、枕 へと落ちた。彼の腰はイヤラシク動いた。万歩計は正確に(実際のところ、その仕組 みの関係から正確ではない、とどっかで聞いたことがある)彼の腰の運動を数えてい た。作者は夢を見た。 それは……(賢明な読者は言った。「ウロウロしている男の夢だった」) そして、作者は朝起きると、万歩計の数字を日記につけた。 ささやかなあとがき 以上、笑えもしない、感動もしない、読む気 も、感想書く気も起こさせない文章でした。 自分で書いてて意味ないなーこれ、と思った。
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