CFM「空中分解」 #1723の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
第1章 修学旅行下見見聞旅行の帰途、君は秋葉原で山手線を降りた。ハードデスクを買うためであった。ポケットには8万円入っている。15万円相当の品を半値で買おうとするけちな考えである。 君は9人の内の一人だが、東京駅のホームで秋葉原で降りることを宣言したのは、君だけであったが、2年1組担任の駄馬も降りた。容貌は人並よりやや良いが、足首が無いほどに太いので、君の世界では君は彼女を駄馬と名付けていた。 あれ、あなたはここで降りる予定ではなかったのじゃないか、と君は呟いた。カチンと不思議であった。彼女は君に随いて行く形になった。嫌なんだな俺は、この秋葉原は。 それも君のモノローグである。気がついてみると、千葉の方へ行く総武線のホームに来ていた。それご覧、こうなってみて初めて俺にはわかる。聞こえよがしの捨て台詞を吐きながら、中央の階段をもう一度下へ降りる。その降りたところで、更に下へと階段を降りるしくみになっている。案内の表示が、中の2本がないやす状になって、下方を指し示していて出口を知らせていた。駄馬は「電話はどこにあるのかしら。私の甥がゼネラルの電気会社に勤めていの。これからコンタクトするので私はここで失礼するわ。」君には彼女の話はいい加減なことにしか、感じられなかった。駄馬が上ったり下りたりして、背後から随いてきたのはことのほか不憫に思われた。また自分も同じほど不憫に感じられた。「じゃあねえ。」平常を装い、手を振って別れたが、心からの安堵のため息の発露は禁じ得なかった。 まだ10時になっていなかった。ぽちぽちとシャッターを上げはじめた店が目立つほど時期が早々であった。肝心の店が開くようになるまで、それまでそこら辺の探索だ。歩道に面した、主としてラジオのようなものを売っている店の前には、10名前後の東南アジア系らしいと思われる人物が、半分歩道を塞いで、ある者はヘンスに腰を掛け、ある者はプラタナスの木によりかかって、ある者はつぶさに品物を見ながら、何かを待っていた。 君は片手にはバッグ、右手には名良旅館の土産の紙袋を提げていた。駅から余り遠くへは行きたくない。白色の太陽がぐんぐんと気温を上げていた。珍しく汗が流れていて、こころよく感じていた。 間口1間ぐらいの小さな店では、こんなものを誰が買うものかしら、と思われるような針金を短く刻んだものが売られていた。掌に載るほどのテレビも売られていた。携帯用の計算機は、衝立に紙のように貼り付けられて客の足を止めていた。また、種々さまざまなミニコンピュータがゴロゴロしていた。 ようやく相当大きな店に出会って、君はそこに入った。どうやら目的の品物は2階のようだ。よっこらしょ、と上がって行った。階上を1巡すると、あった、あった。 眼の高さほどの棚に、並んで待っているように感じられた。一番右端の、HDD−20ところだけが違う。まさしく兄弟分。細かな値段の計算などはいい、定価が18万8千円 「これは中古の品ではありませんよ。ただ型が古くなったと云うだけで、こんな値段になっています。今は20Rなのですが、これは自動切り替え装置が付いていないだけなんです。それだけでこの安値とは勿体ないくらいです。お買い得ですよ。」店員は電話をしていた。幾らかは責任を感じられた。「あなた様が現在もっていらっしゃるものをAとしまして、これをBとして環境の設定をしていただくことになります。はい。云うまでもなます。では、この書類の必要欄のご記入をお願いを致します。」 君は福島市南沢又とすらすらと正直に住所をしたためていた。こんな時ぐらいは、と陽の恥ずかしそうな自信であった。それにしては、なんと君には陰の生活か多いことか。 土産の紙バッグを一つにして、梱包にすると10倍余りの大きさにもなるハードデスクを、両手にバランスでもとるように提げる羽目になった。宅急便ででも送るようにするのが順当と考えたが、運びきれないようなものを運ぶような、美徳と勇気に感動していた。 とにかく、君はよくもコンピュータの部品などを買うように変容したものだ。それは夢
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