CFM「空中分解」 #1682の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
合歓(ねむ)の花が散りはじめました。 六月も終り近く、細かい霧のような雨が降り続く梅雨の朝、時々通っている 山の道に、合歓の花が美しく散っておりました。道をおおい隠すほどの数でし たから、すぐ目ににつきました。 本当にある日突然に、という感じです。だからその日まで、そこに合歓の木 があることを全く気づきませんでした。柔かい毛を十本ぐらいずつ束ね、それ を更に十数束、扇形に集めたものが、一つの花弁のようにまとまっているので す。毛の長さは3センチぐらいでしょうか。先の方は紫がかった赤い色、それ が中ほどは白く変わり、最後は緑色の柄におさまっています。赤と、白と、緑 の取り合わせが、雨に煙っている薄暗い山道では、たいそう鮮やかです。特に その花の赤い色が、際立って見えるのです。 足を止めて、木の先の方を見上げました。合歓の花がひっそりと雨にぬれて 咲いていました。かなり大きい木なので、枝の先についている花たちの赤い色 も、そんなには目立たないようです。 雨の日や まだきにくれて ねむの花 蕪 村 セ この日、家に帰って全く偶然に、この句を見つけました。朝と日暮れのちが いはありますが、かの俳人の心が伝わったような気がしました。 (H.1.7.3) .
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