CFM「空中分解」 #1671の修正
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「変な夢を見ちまったよ。どんな夢かって?聞いてくれるのなら、話そうか ・・・。」 ある朝、目を覚ましたんだ。そしたら、いきなり、檻の中。俺の他にも人は いるんだが、誰も、檻の中にいることを不思議には思っていないようだ。何か ひそひそ話をしているんで、聞いてみたら、「次は誰が召されるのだろう。」 だってさ。何のことやらと思っていたら、檻の前に誰かが来た。そいつが人間 じゃあないんだよな。偉そうな牛と、好色そうな豚と、神経質そうな鶏だ。奴 ら言葉をしゃべりやがるんだぜ。俺達の中から、誰か一人を選ぼうとしている みたいだ。やがて、一人、若い娘が選ばれ、「身を清めておくように。他の家 畜は、これを食え。」と言って、俺達の前に粉っぽい物を置いた。鳥の餌みた いだった。何やら分からんが、さっきの娘を除いて、みんな、がつがつ食い出 したから、俺も食った。まずかった。食いながら、娘に聞いた。どうしてあん たは、食わないのか。私は、選ばれたから。選ばれたってどういう事だい。私、 お牛様に食べてもらえるのよ(にっこり)。た、食べてもらえる?何を驚いて いるの、名誉な事よ。君は恐くないのか?ちっとも、それより、がんばって、 きれいにしなくちゃいけないの、身体を。・・・。あっけに取られてしまった。 何と言うことだ。ここは、牛が支配している?一日、娘は何も食べずに、「き れい」にしていた。翌朝、娘は連れ出された。俺は、隙を見て脱出を狙ってい たのだが、その必要はなかった。俺達も、外に出されたのだ。何故か?何やら、 大通りみたいな所に、列ばせられた。俺達だけじゃなく、他の檻にいたと思わ れる人もだ。やがて、パレードみたいなのが始まった。先の娘が、裸で大きな 山車のてっぺんに座って、周りの人に笑みを振りまいている。大歓声だ。俺は、 たまらなくなって、娘を助けようと飛び出した。誰も止めようとはしない。牛 達もだ。もう、お祭り気分に酔っているのか。神殿らしき所に、その山車は入 って行った。大きな皿に娘が載せられ、その皿は、牛の王様みたいな奴の前に 置かれた。牛がナイフとフォークを持った。娘は笑っている。フォークで押さ ヲ、ナイフで・・・。 「これだけさ。ここで目が覚めた。変な夢だろ。ところで、今朝の朝食が残 っちまったんだが、始末してくれないか。ハムエッグとローストビーフさ。う まかったけど、途中で、身体の節々が痛くなってね・・・」 −終−
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