CFM「空中分解」 #1607の修正
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(3) 最も火星に近い……。 植物が生い茂る、自然保護区となる筈だった……。 今は唯、渇いた大地のみ……。 それは。 『アーク』No.99ステーションの『ゲー』。 地平線がせり上がっていた。 荒野の中に、一本のハイウェイ。 透明カプセルに包まれたそれに、一台の車が走る。 ハイウェイ・コントロールに制御を任せ、笹井真理亜は窓の外を見つめていた。 広がる茶色の大地。 どんなに目を凝らしても、生命の一点すら見付ける事はできない。 「……」 そっと目を伏せる。 −−−渇ききった大地。 こんな色の大地って、火星と似てる、ね。 冷たいよ、この土地は……。 真理亜は目を開け、大地を睨む。 言葉が漏れた。 「死んでる、この土は……」 ハイウェイの終点に小さな都市があった。 公的機関の建物で構成された、『ゲー』唯一の都市『ホーライ』。 僅かに真理亜の口許が綻んだ時、運転席のパネルのランプが点滅し、ブザーが鳴っ た。 インプットしていた目的地が近付いたせい。 すぐに、そこが視界に入った。 『環境管理局』という名の、れんがを模した壁を持つ、8階建てのビル。 南側は透明プラスチックの窓の群。 そして、真理亜を引き付けて止まない物が、東西の壁に存在する。 車が地下に吸い込まれる寸前。 それは、その姿を表わした。 巨大な。樹木のモザイク画。 赤茶色の大地に、焦げ茶の幹。 そして。 何よりも願って止まない。 −−−あれは、希望……。 人々の願いを込めて、そこに広がるのは。 緑……。 (4) 環境管理局、3階。 『ゲー緑化対策プロジェクト』のプレート。 真理亜は、そのドアを開けた。 中にいるのは、唯独りの女性。 真理亜は懐かしいその後ろ姿に、声をかけた。 「リーン」 声をかけられた女性は大きく体を震わした。 反動によるキーの誤操作で、警告音が部屋に響く。 女性は振り返り、そして。 「真理亜!」 真理亜の親友−−−リーン・海原は立ち上がり、真理亜に笑いかけた。 「おかえりなさい!」 にっこりと微笑む真理亜。 「またチーム・メイトね」 「ええ、一緒にがんばろーね」 リーンは大きく諾く。 1年ぶりの再会。 「ちょうどいいわ。ね、休憩行かない?」 「うん」 リーンは真理亜の腕を取り、食堂へと連れて行った。 食堂は8階にあった。 3時には少し早いせいか、人が少ない。 2人は、コーヒーを取り、席についた。 「D地区の様子、どうだったの」 D地区は、『ゲー』最北端に位置する。 真理亜は、3日前までそこの出張所勤務だった。 「なんとか、サボテンの類が生えて来たってとこね」 「少しはなんとかなりそうな感じ?」 「ええ、D地区はなんとか雨を呼ぶ事が出来るから……」 「雨……か。雨さえ降れば、『ゲー』の緑化も早いのに……」 リーンは溜息をついた。 −−−『ゲー』が荒野と科した原因の一つの、気象コントローラーの異常。 僅か、3日間の異常によって『ゲー』の自然は、完膚なきまでに痛め付けられ、 その結果が、完全なる荒野。 それ以来。 雨雲は、『ゲー』全土に広がる前に消える。 瞬く間に……。 それは。 今だ、何人も説明できない現象。 −−−だけど……。 「雨、だけの問題じゃないと思うの」 真理亜が言った。 「雨だけの問題だったら、雨の恵みを受けれる筈のD地区が緑にならない訳ないもの」 「それは……そうね……」 リーンも諾き、そして、つぶやいた。 「雨……よりもここの大地そのものに問題があるんじゃないかしら、って最近、私も 思ってるの」 「私もよ。なんとなく、だけど……」 真理亜も諾いた。 *******************************つづく****
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