CFM「空中分解」 #1606の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
(1) 2119年。 生殖機能の異常が全人類に知れる事となった。 それは、中絶薬『カム』がもたらしたもの。 既に、人類の70%が遺伝子に異常を起こしていた。 2120年。 月が砕けた。 それは、度重なる核実験の結果。 その時、降り注いだ隕石は地上のことごとくを放射能で汚染した。 しかし。 先立つ事、60年。 2060年。 未来を予測した有識者達。 先見の明を持つ僅かな彼らの意見により発案された『アーク計画』。 人類は、そこに生き延びる術を見いだした。 当時。 建設中であった、火星軌道上の宇宙ステーション『アーク』への移民。 正常なる遺伝子を持つ者を隔離。 そして、『アーク』が完成した10年後。 2070年。 極秘に実行された計画。 わずか一億の人類が『アーク』に移民した。 幾億もの人々は何も知らずに……。 そして。 運命の時を迎える。 2120年。 『アーク』は宙暦を採用した。 宙歴0001年。 それは、新しい出発。 (2) 宙暦0098年。 深い漆黒の闇の中。 白……の間に青と緑。 青の中に浮かぶ……緑。 緑の合間に……茶色。 見上げた瞳に映るモノはいつもそのパネル。 高山 賢は仕事の手を休め、じっとそれを見つめる。 あれは、『地球』。 既に無い『緑の地球』。 暖かい大地に、多くの緑に包まれた、美しい『地球』。 カタカタカタカタ 僅かな音に我に返る。 カタカタカタカタ プリントアウトされた紙を手に取り、ゆっくりと文を追う。 幾つかのタイプミスを訂正し、再度プリンタを動かす。 「はあ……」 4日間にも及ぶレポートの作成が終わった安堵感からか、溜息が漏れる。 優に30枚は越える紙の束。 机の引き出しを開け、ペンを取り出す。 そして、表紙に書かれた文字−−−『地球緑化対策経過報告書』の下にとサインを 入れた。 「できたのか?」 突然声が降って来た。 「ああ」聞きなれた声に向けて、レポートをかざす。「やっとな」 「ちょうどいい。今日はアレ、なかなか機嫌がいいから、さっさと出して来たらど うだ?」 チーム・メイトの1人、ライニア・海原が、プロジェクト・リーダーの部屋の方 を親指で示す。 「そうなのか?」 「ああ、やたらにこにこしてて気持ち悪い……」 そう言ってライニアは肩をすくめた。 「だけど、こいつ読んだらいっぺんに機嫌悪くなること請け合いだな」 笑いながら、賢はレポートを叩く。 「鬼の居ぬ間に……とかいう手もある。3時頃からミーティングとか言ってたから、 その頃出しとけよ」 「ふん。顔を合わせなくていいってのは、幸いだな」 「だろ?」 「ん。そうするか」 賢はレポートを机の上に放ると、立ち上がった。 「休憩しよう」 「OK」 2人は揃って部屋を出る。 彼らを『緑の地球』が見送った。 その部屋には、2枚のパネルが飾られていた。 『緑の地球』のパネルに向かい合うように、もう1枚は存在する。 小さな、『緑の地球』の半分にも満たないパネル。 深い漆黒の闇の中。 灰色の厚い雲の群。 白く、灰色した氷の塊。 わずかに見えるのは、黒い土。 あれも『地球』。 冷たい大地を、死が包んでいる……『地球』。 今現在の……『地球』。 *******************************つづく****
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