CFM「空中分解」 #1600の修正
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反省会が終わって教生担当の先生が去ってから、あたしは高田正治に話し掛けた。 「今日、いきなり観にくるんだもの。びっくりしたわよ。」 高田は、少し意地悪な笑みを浮かべた。 「びっくりしてたの、よく判った。」 「うそ。何でわざわざあたしの授業なんか観に来たのよ。」 照れを隠そうとつい険のある言い方になってしまう。 「参考の為に。今西さん、昔から頭よかったから。」 うっ。それはあんたに認めてもらいたくて勉強してただなんて口が裂けても言えな い。「そんなことないよぉ。高田くんこそ声大きくて羨ましい。」 「え、なんで。」 「だってやっぱり得じゃない、声大きいと。皆聞いてくれるし。」 「そうかなぁ。でもそれだけじゃ。やっぱり今西さんみたいに頭良い人に教わった方 がいいんじゃないか。」 「え、あたし頭良くなんかないって。運だけで生きて来てる人だもん。」 これはまるっきり本当のことだ。自分でそう思う。 ははははは。無意味な笑い。でも、心なしか引きつっているような気がする…。 「久しぶりだし色々話したいなあ。」 あたしは別に話すことなんかないぞ。 逃げ腰になってるのが自分でも判る。あんまり昔の話は思い出したくない。 「中学の時の子って連絡つきにくいもんね。」 「まあね。」 てんてんてん。あああ、なに、この沈黙は。 何か悪いこと言ったかな。 ちょっとぉ、何か言いなさいよお。 「今西さんてさぁ、妙に俺のこと避けてない?」 おおっと。いきなりマジな顔。 「そ、そんなことないって。」 まいった。そんな露骨に避けてるかなぁ。まずいな。 「ほんと、全然そんなことないって。」 言いながら動悸が早まるのを感じてしまう。ちくしょう、やっぱりいい男なんだも ん。この切れ長の目が。俯き加減の顔の角度が。動作の一つ一つが。 やっぱり好みなんだよーっっ! でもでも、すっごい気恥ずかしいんだもん。逃げだしたい位に。 いまさら中坊の恋の告白なんかやらかせっこないんだもん。 そっとしといてくれよー。 「…そっかなぁ。そろそろ帰る?」 「そだね。」 …って、その場は何が「そっかなぁ」なのかも深く考えずにあたしは帰ってしまっ た。
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