CFM「空中分解」 #0619の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
(私がはじめの方がよいだろう) 青柳町三番通りを歩いていくと右手に「渇天唐」という赤い看板が黒く汚れたモルタル 造りのアパ−トの二階の窓の下にかかっている。 その看板を目安に三本目の電信柱の横の路地を入っていくと、昔そこに井戸でもあった のか、苔むした石づくりの土台があって、やけに湿っぽい空気がすぐ横の竹藪から地面 を這って湧いてくる。夜ともなると歩く度に地面の枯れ笹が乾いた音をたてる、かきむ しるような声にも聞こえてくる。 道は気づかぬうちに登り坂になる。足が重くなるのはそのせいだ。道幅も、脇の灌木の 茂みが膨らんできているために次第に狭くなってくる。 明かりといえば先の曲がり角のところに黒柿の木があって、その一番下の枝のつけ根の あたりに蛍光灯が板に取りつけてある。かなりの日数放りっばなしになっているためだ ろう。いつもジ−ジ−と鳴っている。ここの他にはそういったものはない。通りからそ う離れてはいない筈なのにこの辺りまで来ると、まるで山奥に迷い込んだような気にも なってくる。 やがて、気が滅入ってくる。引き返すのもはばかられるし、ままよと歩を進めていく うち、やっと目的の場処に辿り着く。 家がある。瓦屋根のどうみても普通の民家としか思えないその家が実は年に一度だけ開 店するくらぶ「サンタのお家」だ。 今宵、十二月二十四日の夜八時から十二時までの四時間だけのくらぶ。 あれからちょうど一年。。 わたしはまた此処にやって来た。 (こんなところか) *************************************** (わ−い。ぼくの番だ) ドアをあけるとネオンがきらきらしていて、とってもきれいでした ぼくは「また今年もきましたよろしくね」と言いました。 すると、一番てまえのおねえさんが「メリ−クリスマス」と言いました。 お星さまのたくさんついた赤い三角の帽子をもらってぼくは席につきました。 すると、奥のほうのもう一人のおねえさんが、「メリ−クリスマス」と言いました。 ぼくもだから「メリ−クリスマスです」とこたえました。 するとママが「です」はよけいですって言いました。 プレゼントをたくさんもらいました。 (おわり) *************************************** (お、おわってたまるか) しかし、俺はカウンタ−の横の暗闇の中に潜む邪悪の意識の放射を見逃さなかった。 何かがいる。俺のとぎ澄まされた鋭敏な闘争本能がそいつの存在を確認した。 綺麗に着飾った女達の影から紅い粘液のしたたる舌先をチロチロと覗かせているそいつ の正体。妄魔だ。こんなところにも一匹いやがった。背広に隠されて見えはしないが 俺の鍛えあげた筋肉は一瞬の緊張でもって全身の血流を三倍にし、たちまちにして戦闘 体制に入ることができる。点心派自念法双叭術のひとつ凰乎の法。 だが、そいつはこの俺の変態に気づきやがった。かすかな物音さえ立てず消え失せてし まった。こいつはかなり手古摺りそうだ。一瞬の油断が死に繋がってくる。 俺がふっと気を流したその時だった。女から貰った包みのひとつが突然爆発した。 (うそだろ。なんでこんな短いんだよ〕 *************************************** (ほっほっほ) びっくりしちゃった。まあ、これ誰れよ。エリカちゃんね。悪い子。 スキャンティがテ−ブル一杯に散らばっちゃったじゃないの。 「おもしろかったでしょ」 ほんと悪い子。でもありがとう。わたし女だから、こんな贈り物が一番なの。 「お店のみんなからよ」 まあ、ママもなの。 「あなたをびっくりさせよおって」 ほほほ。さっそく着けてみようかしら。 (ち、ちょっとお。なによお) *************************************** (オカマに話をとられてはならん) エリカがわたしの隣に座り、腕をからませてきた。 「少し太ったんじゃないのか」 わたしが冗談を言うとエリカは艷然と微笑んだ。 「今日はクリスマスだ・か・ら。プレゼントあ・げ・る・・・わね」 エリカはそう言うとわたしの太モモのあたりに手をそえてきた。 「なにかな。エリカちゃんがくれるというのは」 わたしはわざと気のなさそうな返事をした。 するとそんなわたしの態度を憎らしいと感じたのか、エリカはさらに身をすりよせて わたしの耳たぶに唇を押しつけるようにして囁いた。 「わあたあしい」 わたしは聞こえないふりをした。 「か・ら・だ・・もうっ」 イタイ、イタイ。そんなにつねるものではない。 (なんですと。それはひどい。ここでやめるわけには) *************************************** (これでは話が通じてないのではないでしょうか) 私がエリカさんと話をしていると、さっきカウンタアの隣にいた小動物が奥の方から出 てきました。それはトナカイの子供でした。 ここでは普段はトナカイの飼育をしているのです。ですから奥まった場処にあるのです 女の人達はいつもはそれらの世話をしています。トナカイは寒冷高地でしか育たないと いう定説をバイオのテクノロジ−で克服したのです。近代設備はその飼育も女性の手で もできるように簡便化しました。ほとんどの作業はコンピュ−タ−がやってくれます。 この日はここで育ったトナカイたちを市場につれていって一年の締めくくりとしての 祝いの日でもあるのです。トナカイたちは全国各地で商店街のクリスマスキャンペ−ン のために使われるのです。 (!つぎはあなたですかあ。せっかく話に脈絡をつけようとしてたのに) *************************************** (これだから真面目な人は困るんです) 「パアッといきましょ」 ママさんの威勢のいい音頭でもって、店内のクリスマス・ソングは一段とボリュ−ムを アップさせたのだった。さあ、今からが本番だ。座が活気を帯びてくる。 女の子達の中にはもう脱ぎ出す者も出る始末。 白いお尻がぷりんぷりんとゆれだした。オナラもひとつ景気づけ。 ぷっぷっぷぷっぷっ−ぷっぷう 赤鼻のトナカイのメロディを奏でるのはエリカちゃんだあ。お見事! お客のひとりも飛び出して (まだ途中です!途中) *************************************** 妄魔だ。これは妄魔が造りだした、おぞましい幻想の世界に違いなかった。 俺は奴の術中に嵌まって幻視幻聴の渦中に誘い出されてしまったことを知った。 「くそっ何処にいる。出てこい!」 ******** ハア−イ。どう、わたしキレイでしょ 「まあ、お似合いよ。とっても」 でも、ちょっとこれ小さすぎないかしら。ここのところすこしきゅうくつなのね。 ******** わ−い。ぼくの番だあ。 ******** エリカの白い肌はこのところ益々熟れてきているようで、首のあたりから芳醇な香りさ え漂わせているような、そんな ******** トイレに入った貴婦人の知られざる形態模写というのまで出てきたあ。 こりやあ、傑作だあ。歯歯歯!歯歯歯! ******** 収拾がつきません。これじゃあ。これじゃあ ******** わ−い。またまたボクの番だあ! (あんたはダメっ) (ひっこめオカマ) (わたしにつぎを) (こらあ、俺をだれだと思ってるんだあ) (あんたがそのモウマでしょ) わ−いボクの番だあ! (静かにい!) (クリスマスですよ今日は) (イブだよ。イブ) 今何時だ。 11時7分前。 −では、皆さんお静かに。パ−ティをはじめます− 「メリ−クリスマス」「めり−くりすます」 (これを書くために会社のパ−ティを棒に振ってしまった。ま、いいか) 秋本でした。
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