CFM「空中分解」 #0535の修正
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冬という季節を向かえた東京はめっきりと寒くなってきている。 きよみは登る太陽を見ながら歩いていた。さすがに6時をまわると人の数が増えてきて いる。そして東京という駅に飲まれていく。人々の歩く姿はなんとも寂しく物悲しく感 じる。そう感じるのは辺りを意識出来るようになったからなのかもしれない。 今までとは少々違った感覚にきよみは少々驚いていた。 別に今日は予定もないし・・・ 久しぶりに一人で街をブラブラするつもりであった。おせっかいな友人が「なぐさめか い」を開いてあげると言ったがきよみは断わっていた。気持ちの上では割り切ったつも りでもお酒が入ると感情がこぼれてしまいそうな・・・そんな気がしたから。 ゆっくりと散歩しているきよみの目に喫茶店『未来樹』の看板がとまった。 「・・・あ、」 いつの間にこんなに歩いたのだろう。この『未来樹』できよみは初めて真次と出会った のだ。よっぽど疲れていた同士の雰囲気があったのか二人はすぐに息投合した。 それ以来待ち合わせに使っている思い出の店だ。 「ガラン、がらん」 扉を開けると相変わらずの木で出来た鈴が向かえてくれる。お世辞にもいい音色とはい えないがなんとなく人間味を感じさせる音が二人は好きであった。 「この『未来樹』は全ての食器が木で出来ているんだ。好き嫌いもあるけど・・・俺は なんとなくこの温かい感触が好きなんだ。」 真次はそう言っていたっけ・・・ きよみはいつもの窓際の席に座り肘をついて外の景色をぼんやりと見ていた。
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