CFM「空中分解」 #0527の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
「その腕輪の名前は“アッカース” 腕にはめることにより全く肌と同じになり、体の一部となる素材。 そして、精神力を力の源とし、使い果てることのないエネルギー 。 威力としてはそれほどでもないけど、接近戦においての有効性が高いから、今では兵士は必ず持っているわ。 あ、だめ………起きちゃ。 体が治ってから、使い方は教えるから……… うん………ゆっくり、寝てて。 そして、彼らは国会議事堂にアジトを構え、残党狩りを楽しんでいるわ。 総勢でいま93人。 その腕輪に出ているわ」 俺は、右の腕輪に何等かの表示を見つけ、それを見た。 ディスプレイらしき物に映し出された、3つの数字。 <93> <230> <0.01> 「一つは、相手の数…………もう二つは?」 「その次が、この星の人の数。そして………もう一つが………」 「もう一つが?」 きゅうに、彼女の声が詰まった。 俺は、その彼女の態度を変だと思い、彼女の方に詰め寄った。 強く、低い誇張でもう一度。 「もう一つが?」 彼女は、困ったと言う表情をしながら、重たい口を開いた。 「人の………人の生き残れる確率………」 彼女は、そうひとこと言って、黙ってしまった。 0.01%………… 殆どないと同じ勝算。 彼女はそれを俺に賭けたと言うのか……… 俺は急に体が重くなるのを感じた。 <俺は、受けるべきなのだろうか?> 受けるなら、俺は彼ら100人を相手にしなければならない。 いくら、未来の兵器が手に入ったからと言っても、一人相手にこの様だったのだ。 武器が何の役に立とうか? 生きていける保証など、殆どないに等しい。 しかし、それを知りながら、彼女はあえて俺に頼んで来た。 彼女は、俺に死ねと言っているのだろうか。 それとも、俺しか駄目なんだろうか。 俺の心で、一つの言葉が浮かぶ。 <やりたくない> しかし、そんなことを言ったところで、結局このままでは死ぬんだ。 そうだ、このままでは確率は0.01%なのだ。 賭けるしかないのか………… だけど、俺だって人間だ。 人々の犠牲に喜んでなれるほど、人間できちゃいない。 くそ! どうすりゃあいいんだ! 俺は何のために戦っているんだ? 自分が生きるためか? 仇を討つためか? どちらも、かなわぬ夢だ。 一体、なんの……… 俺は考えている途中ではっと気付き、おもむろに顔をあげた。 うつむいている彼女の顔が見える。 彼女の顔。 それは、愛美の顔であった。 死んだ愛美がそこに居てくれるような感覚。 合いたい。懐かしくてしょうがない。 何か足りなかった物が、急に解ったような気がして、体が熱くなった。 「「「「「愛美 <……そうか………そうだったな………> その時、俺は決意した。 俺は、彼女の方に体を向け、言った。 「やってやるよ。たとえ0.01%だとしてもな」 俺は、心にあった言葉をそのまま口にした。 彼女は、ゆっくり顔をあげ、驚いた表情を俺に向けた。 「どうして…………死ぬかも知れないのよ………?」 「それを知りながら、君は俺に賭けてくれた。だから……俺も答える」 俺は静かな声で、優しく彼女に言う。 しばらく、お互いに見つめ合った。 「……………ありがとう…………」 彼女は顔を伏せ、俺に寄りかかってきた。 ぎゅっと服をつかみ、顔を俺の胸に埋める。 「ありがとう…………でも、今は………休んで…………今は……」 彼女の声は微かに振るえていた。 泣いているのか? 俺を哀れんでいるのか? 俺は、彼女の髪をゆっくり撫でる。 彼女は、軽い体を俺に寄せながら、すすり泣いた。 静かに、優しく。 暖かな時。 久しぶりに安らぎを憶えながら、俺はそのまま眠りに付いた。 わずかな安息を、胸に、抱きながら。 その時、俺は気付かなかった。 俺が引き受けた時点で、数字が変わった事を。 <93> <229> そして、<3> 戦いが始まる。 <つづく> ちょっと、後書を。 実はこの章、友達に一番悪評を言われた章でして、「抽象的すぎて、よくわからん」 と言われてしまいました。 設定のほとんどが書いてある大事な章だと言うのに、解りにくいのはやばいと思っているのですが、どう直したらよいかよく解らず、困っています。 読んで、感想を書いてやろうと思った方、教えて下さいませんか? それと、これからの展開は比較的早いですから。 それでも結構、膨大な量になりそう……… さて次の章は、いつになることやら。 ■ 榊 ■
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