CFM「空中分解」 #0522の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
僕にはある種の超能力というものがある。それは、もともとあったものでなく、ある 人の影響(、いうのでしょうか?)によって移ってしまった(の、だろうねぇ・・・) のだ。その″ある人″というのが、今僕の前で本を読んでいる山上紀実さんなのだ。 紀実さんはとても本好きで、常になんかしらの本を読んでいるようである。そのため、 クラスなんかではあんまり印象は深いほうではない。よくいる、はじっこのほうで大人 しくしているタイプなのだ。(もっとも彼女がはしゃぎまわっていたら・・・ちょっと したパニックである)僕はそんな彼女に引かれたのだけれども・・・ 「ちょっと!山上さん!」僕は、本棚から″現代用語の基礎知識′87″がぶっとん でくるのを指して怒鳴ってしまった。「今、放課後で閲覧室に人がいないからいいよう なものの・・・アレつかっちゃだめしじゃないですか。」 「あ、すいません・・・でも疲れるのよね、いちいち歩くのって。」と山上さん。 「普通の人間は歩くのですから・・・僕だってちゃんと・・・」 「え!橋本君、あるっているの!浮遊する力、足りないのかしら? 」彼女は僕の手を ギュっと握った。「そういえば、足太いですものね。」 「・・・あのねぇ。」 彼女のパワーは彼女の体内のどっかしらから出ているらしく、それをほかの人に移そ うと思えばうつせるのだ。ただし、僕みたいな″従来普及型の人間″にはそういった機 能はないので、そのパワーは使っていくうちに減るし、効用力も落ちる。簡単に言えば 彼女は発電機をもったロボット、こっちは電池なのだ。 この超能力は物体を動かすといったものだけでなく、テレパシー・テレポーテーショ ンといったことも可能なのだ。彼女いわく、「魔法使いなのよ」 困ったことに、近ごろ、パワーが切れるのが段々長くなってきている。僕としては、 こういった″拡張機能″はうれしいのだけれども(はじめてのデートのとき、本屋でテ レパシーを一方的に送られてきたときには、自分が馬鹿になったのだろうとびっくりし くしたよ)、これでは気を使って生活しなければならなくなる。人々の中にはきっと、 こういうことが気にくわない人もいるだろうし・・・ ボーっと、そんなことを考えていると、まだ山上さんがかわいい顔を赤くして僕の手 からパワーを供給していた。僕はパッと手を払って多少怖い顔を作った。 「紀実さんいいですか、僕は少しでいいんです。近ごろ、どうもなかなか切れないと思 ったら・・・そんなに供給したらあなたがバテちゃいますよ。」 「バテないわよ、だって橋本君に″パワーの根源″をつくっちゃったんですもの」山上 さんはにっこりと笑って眼鏡を押さえた。「でも、今のところは本活動は出来ないから 供給しているだけなの。」 「・・・あのねぇ」 当分、小説の題材にはことかかない生活を送れそうである・・・・・・ −−− F I N −−− PS:この山上紀実さんは、蟻さんのようなプロポーションでは・・・イテェ!
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