CFM「空中分解」 #0277の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
−−あれは現実だったのか夢だったんじゃないの。 私は今、考えても納得のいく答は見付けられない。でも私は・・・ 私は軽くため息をついた。もう学校は始まっているだろう。また、また私は学校を休 んでしまった。でもしょうがない。体がだるいし・・・、きっとみんなもわかってくれ る。あ、お母さんだ、またお説教か、何回も何回も同じことの繰り返し。ちがうよぉ私 登校拒否なんかじゃじゃないよ。うるさいなぁ、でてってよ。 ・・・階段を降りる足音がする。やっと私の時間がやってきた。 私の時間、それはわずらわしさから解放される時から始まる。何がわずらわしいのか はハッキリしない。いえ、ハッキリさせたくないのかもしれない。 ・・・そんなことどうでもいいじゃない。ここは私の時間。本棚にある本棚にある本 やレコードの家来が、私を守ってくれる。ベランダに集まる小鳥は私の大事なお客様。 貴方もここに来たらきっと気に入ったと思うわ。でもそれは、出来ないの。だって家来 達は貴方を歓迎しないと思うから。ここは私だけの時間だから。 あ、お客様がいらしたようだわ。いらっしゃい。あなたがなんていう鳥かは知らない けど、そんなのここでは関係ないからどうぞごゆっくり。 待って!、−−−あぁ、行ってしまった。鳥はいいなぁ、翼を持っていて。大空を自 由にはばたけて。私には現実という足かせが外せないのに。 食事という行事を済ませた私は、ベッドに倒れこんだ。あぁ気持ちいい。もう何もし たくない。 あっ! か、からだが、体が軽くなって。・・・浮いてる、私が浮いてる。 あ、さっき閉めたはずの窓が開いていく。 −−−空が私を呼んでいる! 宇宙が私を招いている! 私は空へでた。わけがわからないまま空へでた。私がどうやっても外せなかった足か せが外れた。そう、私は本当の自由になったんだわ。 学校へ行こう。あそこには足かせをはめられた囚人達が、自分が捕まっていることも 知らずに学んでいるのね。私をバカにした貴方に今の私が見える?見えないでしょう。 忙しい貴方達は空があることも忘れてるみたいだし。 −−−馬鹿みたい私。なんで、学校なんてきたのかしら。よし、今度は山へ行こう。山 にはあの小鳥もいるかもしれないし。 こんにちわ、山の住民達。心配しなくてもいいのよ。私は外の人とは違うの。 ・・・わかってくれたのね。うれしいわ。あ、あなたはあの時の小鳥ね。え、一緒に飛 ぶの? 私まだうまく飛べないの。−−−いいの? じゃぁ行きましょう。 空の風がこんなにも気持ちいいなんて思わなかった。あ、そんなに速く飛んだらつい ていけないよ。なに慌ててるの? あっ! タ、タカだ! タカが私の横を通りすぎて 行く。あの小鳥をねらってる! やめてっ 私は空に浮かんでいた。何も考えたくなかった。でも逃げた私を空は許してはくれな かった。雨がふり、嵐になった。私は風に流され、何かに全身をうちつけた。私は腹が たった。自分の甘さに。小鳥をうらやましがっていた私に。 小鳥だって精一杯生きて いたんだ。決して本当の自由なんかじゃなかったんだ。それなのに・・・・・ 私は気が付くとベッドの中にいた。体が痛い。 夢、だったの、あれは。 時計をみる。あ、お客様のくる時間だ。私はベッドからはねおきた。 しかし、お客様はそれから2度と姿を現わさなかった。 そして私は・・・少しずつだけど、勉強を始めました。多分そのうち学校へも行くでし ょう。そのうち、そのうちに。 でも私はこの世界に空がある事だけは忘れないでいたい。 <お・わ・り> BMD66811/COLOR
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