CFM「空中分解」 #0249の修正
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一瞬のことだった。 自転車と人が一つとなる不思議なフェノメン。 一瞬のことだった。 ″輪行″この言葉にどんなマジックが仕組まれたものか。 銀色の閃光の後、自動車の側を人が走っていた。銀色の人だ。 銀色の光りを身に纏った人が、健達の乗った自動車と併走してい る。 堤が、舌打ちをした。メ−タ−は80キロ、90キロ100キ ロを越えて、今120キロに達しようとしていた。 人間のついてこれる筈のない速度である。 健は眼をつむっていた。額を、しとどに汗が濡らしている。早 くしなければ・・・・汗は、堤の額にもあった。何者かは判らぬ が、邪魔される訳にはいかない。 アクセルを踏み込む。またすこし、スピ−ドが上がった。 それでもついてくる。どうしても引き離せない。 何者だ−−−−堤は眉を寄せた。 彼−−−杉原明ことバイカ−ンは微かに疑問を感じていた。 彼の敵であるホッパ−の末端組織が破壊活動を行なうとの情 報を聞き付けて情報屋のよこした地図の場所へ向かう途中、自 動車にひきかけられた。見てみれば、ホッパ−の乗用車型装甲 車両だ。追い掛けた。しかし、どこかおかしな感じがする。 考えずとも、すぐ解った。 乗員だ。ホッパ−の戦闘員は、原則として、火器管制用コネ クタ−の埋め込みが成されている。 コネクタ−を埋め込まれた生体は、独特の臭気を発するよう になる。 バイカ−ンがホッパ−と一般人を見分ける際には、それを拠 り所とするわけだが、今、装甲車に乗っている3人からは、少 しも感じられない。 男が2人と女が1人。 男の1人は、怪我をしていた。 奪ったのか−−−−それなら納得もつく。 しかし何のために−−−− その時だった。 教えてあげるよ−−−−− 若い、女の声が、バイカ−ンの中に響いた。 −−−つづく−−−
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