CFM「空中分解」 #0211の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
「お早よー」 午前8時5分、今日も君は僕の家へ訪れる。 「早くしないと遅れちゃうよ!」 「分ったよ、直ぐに行くよ。」 僕は君に急されて食べかけのパンを口に放り込み、リボンシトロンで一気に流し込む。 「お待たせ。」 「いっつも遅いんだからー。また今日も遅刻のパターンよ!」 君は少しムッとしながら僕の前を走って行く。君と知り合って3年間、僕はずっと君の 後を追っていた。でも明日からは違う。君が僕の後に付いて来る様になるんだよ。 明日は高校3年間の終止符を打つ卒業式。僕は明日を待っている。月並みだけど、卒業 式の時に告白するなんて格好いいんじゃないか? 僕はそんな事を考えながらニヤケて 君の後を追って行った。 「ほら早く早く! ニヤケながら走ってないで!」 「分ってる分ってる! 此でも全力だしてんだぜ!」 僕は君と違って走るのは苦手なんだよ! 3年間毎朝一緒に走ってりゃ判るだろう? よーしたまには君を追い抜いてみるか。僕は少しスピードをあげる。 君は僕を見て楽しそうに笑い、滑る様に走るスピードをあげた。 が、次の瞬間君の脚は地面についていなかった。 「え?」 僕は君の横の方を見た。君を飛ばした赤い車が急ブレーキをかけていた。 僕は君を待っていた。今日は君に告白する日。今日くらいは君に怒られない様に 直ぐに走れる体勢が整っている。僕は君を待っていた。 午前8時5分、今日は君は僕の家を訪れなかった。
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