CFM「空中分解」 #0113の修正
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「なんてことをしたんだ!」 「なんてことないわよ」 「そうじゃないんだ。実は、僕も生体変換しちまったんだ。フェラスの環境に適 応するようにな」 「それじぁー、それじぁー ああー、なんてこと、私、知らなかったわ。こんな ことになるなんて」 「困ったな」 「どうしようもないわ。二度と生体変換できないのよ、私達」 「そのことじゃないんだ。むごいようだが、悲しんでいる暇なんかはない。貴女 は政府のメディコムで生体変換したんだろ」 「そうよ」 「まずいな。僕は、骨董品のメディコムを改良してなんとか生体変換したから、 足がつかないが、貴女の場合、やはり、手がまわっていると考えた方が、いいだ ろうな」 「ああー、ああ、どうしよう私」 「逃げるしかないな。きっと、徹底的に調べられているだろう。この非合法な通 話だってバレているに違いない。危険だが生体転送で逃げるしかないだろう。骨 董品のポンコツ宇宙船しかないが、逃げてみるか」 「いいわ。あなたと一緒なら何処へでも」 そうして、二人は、骨董品の宇宙船へ向って、転送を開始した。 しかし、宇宙船に着いたとしても、二人は互いに宇宙服を脱いで、抱きしめあ うことすらできないのだ。 冷たい宇宙の中で、二人は互いの体温で、互いの心を暖めあうことすらできな いのだ。 「うぅーん、ここは何処? ああー、宇宙船に着いたのね。骨董品にしては新し いわね」 「違うんだ。これは宇宙船じゃない。それにこの透明な壁は? 貴女と僕のいる 部屋を仕切っている。こっちがフェラスの大気で、そっちが地球の大気か」 「ねぇ、見て、ディスプレイパネル」 『ケイホウ コードbR746 ニヨリ ケイ ヲ シッコウスル コノ リュ ウケイカプセル ノ セイメイ イジシステム ハ チョウコガタ ゲンシロ ニ ヨリ ティリトリウム651 ノ ハンゲンキ デアル 200ネン ノ アイダ カプセルナイセイメイ ノ イジ ヲ ホショウスル タダシ コウコウコンピュータ ノ コンソール ケン ハ ハクダツシ ゼ ッタイ フウサ (プロテクトカイジョ ノ ココロミ ハ セイメイイジシス テム ノ フッキフノウ ノ テイシ ヲ イミスル) ショウガイブツ オヨビ ショウトツコース ウンドウブッタイ ノ カイヒ ハ コウコウコンピュータ ニ プログラム サレテイル タダシ ブラック ホ−ル ソウグウニ タイスルショチ ハ コウリョサレテ イナイ ダガ ブラックホール ソウグウ カクリツ 0.000009871 % ハ ムシ デキル スウジ デ アル フウンニモ コノ カクリツ ガ ムシ サレナカッタ バアイデモ ソウタ イセイリロン ニ ヨリ セイメイタイ ノ ジュミョウ ニ ヨル セイゾン カノウ ジカンナイ ニ ブラックホール ニ トウタツ シナイコト ガ シ ョウメイ サレテイル ナオ トウカプセル ノ トウタツ モクテキチ ハ ソンザイ シナイ ト サレテイル ウチュウ ノ ハテ ニ セッテイ サレテイル コノ メッセ ージ ハ ギンガレンポウ セントラルマザーコンピュータ ヨリ ダイレクトテンソウ サレテイル タイニンゲンヨウタンマツ ヲ カイザイシナイタメ ヒツヨウ サイテイゲ ン ノ ヒョウゲン ニ トドメル』 「捕まっちゃったじゃない。あんたがいけないのよ。ポンコツの骨董宇宙船なん か持ち出すからよ」 「何言ってんだ。宇宙船に着く前に捕まったんじゃないか。転送中に割り込みを かけられて。冗談じゃない、そもそも、キミがかってに電話をかけ違えて」 「何よ、一緒におもしろがってたくせに。変な骨董品を次々持ちだしてきてエス カレートしたの、あなたじゃない」 「何を。おまえだって喜んでたくせに」 「誰が、そんなカビがはえて役にもたたない骨董品なんか」 「もう頭にきた。役にたつかたたないか、やってみようじゃないか。そうだ、こ の機関銃でおまえをぶっ殺してやる」 「ふん、バッカみたい。この透明強化セラミックの壁がそんなオモチャで破れる わけないでしょ。私は着がえて寝るから、ぼーやも、いい子でねんねしなさい」 「よし、破れるかどうか」 そう言って彼は機関銃をぶっぱなした。 「あら、あら、ぼーや、オモチャでおいたしちゃだめじゃない」 びくともしない壁、だが、ミムの挑発に彼は、なおも狂ったように機関銃を撃 ちつづける。しだいに透明な壁にヒビが。 ついに弾は壁を貫通し、ミムの胸の懐中時計に命中。ミムが倒れ、なおも降り 注ぐ弾の雨。ミムのホワイトブルーのネグリジェが真赤に染まってゆく。やがて、 向こう側の窓にもヒビが・・・・・・・ 『流刑カプセル内での事故のもようを、お送りしました。これで今日のニュース を終わります。提供は銀河連邦治安局でした』 「何、これ。私が死んじゃった」 「コンピュータグラフィックスのイリュージョンさ。それにしても、よくできて るな。まったく、自分が死ぬのを見るのは、変なもん だ。これで僕らは、情報的に抹殺されたと言うわけだ」 「でも、生きてるわ」 「まあな、生きてることは生きてる。だが、それ以外は、あのニュースのとおり さ」 「いいじゃない。生きてれば」 「しかし、これは人間のやることじゃない。人間の独裁者なら殺してるはずだ。 そうだ、マザーコンピュータの仕業だ。ハハハッ、管理者のやつら、コンピュー タを使って管理してるつもりが、その規模をどんどん拡張しているうちに、とう とう自分まで管理されているのに気づかなかったんだ」 「それじゃ、もしかして、セラも生きてるかもしれないわね。レアだつて。私、 死ぬ所見てないもの」 To be continued next file
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