CFM「空中分解」 #0081の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
装甲自転車バイカーン 第1話 「豊田の敵にバイカーン」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 一台の自転車が道を走っていた。ディスクホイールという一枚の板状のタイヤを 使っている以外は普通のスポーツ車だった。ここは東京都日野市豊田駅前道路。自 転車専用レ−ンがあることはあるが、いつも自動車の違法駐車でふさがっていた。 ディスクホイールの自転車に乗っている杉原明はいつものことではあるがうんざり しながらその自動車の列を眺めていた。 「まったく、どうにかならないもんかねぇ、この自動車。ここ駐車禁止だぜ。」彼 はそうつぶやくとその列を通り過した。自転車レーンが車で埋まっているのでしか たなく車道を走る。すると後ろからは自動車のクラクション。すこし頭にきた様子 で彼は自転車を走らせた。が所詮自転車は自転車。どうやっても40Kmぐらいの スピードでしか走れない。少し道路が広くなったところで後ろの車は彼を追い越し ていった。 「おいおい、ここは40Kmのスピード制限だぜ。」彼は又つぶやいた。 杉原明は国立の東方学園の高1である。今は通学途中である。彼は自転車を駐輪 場に置いて鍵をかけると駅に向かって走りだした。時刻は7:50、次の電車は5 3分だ。べつに走らなくても間に会うが急いでも損はないだろうという考えからの 行動だった。駅で少し待って電車に乗った。10分程して国立についた。駅からは 大学通りというまっすぐな道を歩いて15分ほどかかる。8:20ごろ彼は教室に 入った。 あっという間に午前の授業は済み、昼休みとなった。食堂へ行くと丁度ニュースを やっていた。聞くとなしに聞いていると突然、 「日野の豊田で駐車違反をした男が注意しようとした警官に怪我をおわせ逃走、警 警察は現在のところこの男の行方をおっております・・・・・・」 「な、何ぃ。豊田で警官に暴力をふるった、、、許さん、。」彼は小さくつぶやい た。 午後の授業が終り、彼は国立の駅に向かった。これといったこともなく駅に着いた。 5分程待つと豊田行きの電車が着た。それに乗ると彼は軽く目を閉じ電車に身体を 揺られていた。電車は立川、日野、をすぎ、豊田にさしかかろうとしていた。その ときどこからかラジオの音が聞こえてきた。 「・・・・警官に怪我を負せた男が豊田の駅前を占拠・・・・・・・。」 「また来たのか。よし、捕まえてやる。」 が、電車は急に止った。豊田のところで電線が切られたようなのだ。彼は非常用の ドアコックを使うとドアを開けそとに飛び出した。豊田の駅までは200mぐらい しか離れていなかった。線路の脇の道路に出ると自転車置場へ向かって走りだした。 はところどころで火災が発生してるようであった。豊田の駅へと自転車置場への分 れ道に着た。どちらも100mと離れていない。その男が動いているのも見えた。 ここで見つからなければ大丈夫だと彼は思った。静かに、自転車置場へと動いた。 どうにか気遣れずに彼の自転車まで辿りつけた。彼は自転車のメーターを見、30 っているのを見た。 「これなら大丈夫だろう。」彼はこう言うと、自転車に乗り置場から外に出た。そ して叫んだ。 「輪行!」 彼の乗っている自転車は見掛けこそ自転車だがパワードスーツなのである。彼の言 う″輪行″という言葉に反応して自転車はパワードスーツへと変形を開始する。ま ずウィリー走行になり、ハンドルが前輪に近づく。彼の手が前輪の横からでた棒を 掴む。すると前輪は真中から二つに分れる。板状の二つの前輪は左右の手をそれぞ れ包む。次に自転車の車体が二つに分れる。サドルが地面と水平になりその上の彼 の身体とともに車体の中に入って行く。ペダルとギアをつなぐクランクが伸び、足 の長さと同じになる。後輪がはずれ、前輪と同じように足を包む。車体から出た装 甲板が身体を包み、後輪を支えていた三角のパイプが横に上りチェーンが巻取られ ハンドルが顔を覆い透明なフードが出、前のギアが胸に付いて変形は終了する。こ れが僅か1秒の間に起こるのである。装甲に包まれた彼は恐るべきスピードで豊田 駅前に向かった。この装甲自転車−−バイカーン−−は中の人間の能力を数百倍に 増幅するのである。 豊田の駅前では警官隊と違反駐車男の戦いがくりひろげられていた。戦況は明らか に警官隊が不利であった。男は銃弾が当っても特に何ともないのであった。が、さ すがに拳銃の勢いを振りきって進んではこれないようで、双方の位置は変っていな かった。だが警官隊の銃弾も底をつきかけていた。このままでは全滅であった。 「隊長、もう銃の弾がありません。」 「応援隊はまだか。」 「はっ。なにしろ混乱状態で。ヘリコプターの手配が先程ついたところです。」 そのとき他の隊員がやって着た。 「隊長、あの男のデータが分りました。」と言ってから 「名前は白方鋼治、26才。血縁関係はなし。5年前から行方不明です。未確認情 報によれば、、、ホッパーの一員だそうです。いままでの戦闘結果から推測すると 少なくとも骨格強化、皮膚の装甲化をしているようです。」 「ホ、ホッパーの一員だと、、、、、」隊長はつぶやいた。 そのとき一つの声が町に響いた。 「待てぇ!」 白方が声のした方に顔を向けた。近くのビルの上から声は聞こえた。そこには太陽 に輝く一人の男がいた。 「だれだ、貴様は?」白方がパターン通りの問を発した。 「このおれを知らないとは、貴様日野市民ではないな。ではまず忠告しよう。はや くここから立ち去れ。」 「ばかな、そんなことを言われたぐらいで立ち去ると思うのか?」 「そうか、それではしょうがない。日野の秩序を乱す奴は、このバイカーンが許し はしない。貴様、バニッシュしてやる。」といい彼はビルから飛び降りた。 警官の一人が隊長に尋ねた。 「隊長、我々はどうすればいいのでしょうか。」 も敵ではないだろう。だとすれば決ってい る。援護の準備だ。」 バイカーンと白方との距離は10m程だった。豊田駅前の大通りに二人はいた。豊 田駅北口には警官隊が位置し、それと噴水を挟んで白方、そしてバイカーンという 配置になっていた。 バイカーンは腰に付いていたチェーンを掴むと白方との間を詰めチェーンを白方に 向かって横から打ちこんだ。それはよけようとして出した白方の右腕に当った。普 通の人間であれば腕が無くなるところだ。白方の右腕は少し肉がえぐり取られたぐ らいであった。バイカーンは前からの観察でこの男が強化されているということを 見抜いていたので、さほどの驚きはなかった。が白方のほうは違っていた。 「ば、馬鹿な。この装甲処理皮膚を破って肉をえぐるとは。」 「さあ、まだ立ち去らないのか?」バイカーンは言った。 「ふっ、何を言う。やっと俺にふさわしい相手が見つかったようだぜ。」 こう言うと白方は猛然とバイカーンに突進した。が、そこにはすでにバイカーンの 姿はなく、代りに後ろから声がした。 「貴様如きの反射速度ではこのバイカ−ンに触ることも出来はしない。」 もう一回、白方は突進してきた。同じようにバイカーンはかわす。しかし白方は止 まらず、警官隊のほうへ向かった。白方を止ようとする警官を全て払いのけ隊長の 後ろに回った。素早く隊長の持っていたコルト・ガバメントを抜きとるとそれを隊 長の頭に突きつけて言った。 「ふっふっふ、貴様が一歩でも動けばこの男の命はない。助けたければその装甲を 脱いでこの俺に降伏しろ。」 バイカーンは迷った。 ″動けば警官が殺される。しかし動かなければ豊田が占領されてしまう。″ それ追い打ちをかけるように男の声が響いた。 「どうした。早く装甲を脱がないか。この男を殺してもいいのか?」 そのときバイカーンのスコープにあるものが映った。打ちのめされた警官の姿であっ た。これを見たときにバイカーンの行動は決った。 ″こんなことが許されるはずはない。あの男は倒さなければならない!″ こうバイカーンは思い行動にうつった。白方を指差し言った。 「貴様の行動は許せない。貴様のような奴はこのバイカーンがヴァニッシュしてや る!」 「動いたか、それではこの男はどうなってもいいのか。」 そう言うと白方は引金に手をかけ、引いた。が、弾が当ったのはアスファルトの地 だった。引金を引くと同時に白片は背中に激しい衝撃を感じた。バイカーンが後ろ に回って白方を右のパンチでふき飛したのであった。 「ば、馬鹿な。」白方がつぶやく。 それを聞いてか聞かずかバイカーンは白方に言った。 「貴様ではこのバイカーンの反射速度に追いつけはしない。」 白方は駅前大通りを走っていってしまった。 「勝った、か、、、」バイカーンは小さく言った。 バイカーンは 大通りを一台の車が走ってくるのに気ずき、運転手が白方だと確認するとチェーン を握りその車へ突進した。白方の顔は半ばにやけていた。車との距離が30cmに なったときにバイカーンは飛び上りチェーンを下から上にすくい上げるように動か した。バイカーンが地面に降り立つと後ろには左右真っ二つに切断された白方の車 があった。白方はその片割れから出てきた。その身体の要所要所は白兵戦用の装甲 で覆われていた。 ″さらに装甲か、″バイカーンは思った。 バイカーンはチェーンを白方の左半身に放った。白方の胴の装甲がとんだ。が、白 方も拳銃のような物を出した。途端にバイカーンの動きが遅くなる。フィールドで あった。その有効範囲内に入ると大抵の物はその動きを止めてしまう。バイカーン ガンを取り出しバイカーンに向け発射した。レイガンでも長時間にわたって照射さ れればバイカーンの装甲といえども持ちはしない。装甲が破られれば生身の人間ゆ え死ぬだろう。 「もうすぐおまえの装甲を破ってやるからな。」白方は言った。 バイカーンは脇に付いていた空気入を取りそれを動かし始めた。 「気でも狂ったか?そんなものを動かして。」 がバイカーンは動かし続けた。その間にもレイガンの照射は続いていた。かなり動 かした後、電子音が空気入から洩た。それを聞くとバイカーンは白方に空気入を向 れた。 「何のつもりだそんなものを向けて。」白方はこう言ったようであった。 次の瞬間空気入から怖しく明るい光が飛び出した。この空気入はビーム・キャノン となっている。電源を入れるスペースがなかったためエネルギーは人力に頼るよう なっている。さっき空気入を動かしたのは電力の供給、電子音は供給完了の合図で ある。 白方はとっさに顔を手で覆った。がビーム・キャノンの威力は絶大で白方の身体ご とふき飛した。白方の付けていた装甲は全て消滅し皮膚は焼けただれた。白方は1 0m程離れた道路の上に放り出された。警官隊の隊長は唖然としていたが職務を思 いだしたのかバイカーンのほうへ近づいてき、バイカーンに言った。 「ご協力ありがとうございます。しかし・・・・・・・」 「あいつの事なら心配はない。奴は死んでいない。気絶しているだけだ。」 そう言って路上にいる白方を指差した。焼けた皮膚の下から金属の輝きがあった。 「奴はサイボーグだ。」 そう言ったらバイカーンは消えていた 現場検証をしている隊長のところへ部下が報告にきた。 「隊長、これが被害に関する資料の全てです。」と言って回りを見回し、 「しかし凄い破壊力ですね。」 「ああ、破壊力だけでなく何もかもな。」隊長が言った。 駅前の大通りに面したビルや建物はビーム・キャノンの威力の前に全て崩壊してし Written by 時神 蕗霧
メールアドレス
パスワード
※書き込みにはメールアドレスの登録が必要です。
まだアドレスを登録してない方はこちらへ
メールアドレス登録
アドレスとパスワードをブラウザに記憶させる
メッセージを削除する
「CFM「空中分解」」一覧
オプション検索
利用者登録
アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE