CFM「空中分解」 #0033の修正
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一雄の腕にぶらさがった泉は、ベテラン刑事も舌を巻く名探偵から19才の娘の顔に 戻っている。 国際ホテルのディナーはこの上なくおいしかった、上物のワインにいい気分でタクシー を拾い、一雄の部屋に戻ってくる事になった。 コーヒーを飲んで帰るかと思えば、さらに一雄のウイスキーでオンザロックなどの グラスを重ねて...ついに... 「とても帰れないわ、お部屋がグルグル回ってる...」 「タクシーで送ってやるから家に帰れよ、あーあ未成年がそんなに飲んじまって。」 貰い物のオールドパーがほとんど空になっている。 「帰れないって言ってるでしょ!いいわ、刑事のくせに未成年にお酒を飲ませて いやらしい事をしようとしたって訴えてやるから!」 「まさか名探偵がこんなに酒癖が悪いなんて思いもよらなかった...」 どうもそのまま終わりそうもない予感があったが、結局そのとうりになり、その晩は 泉を部屋に泊めることになってしまった。 ベッドを使わせて、自分は床に毛布でごろ寝するつもりだったが一雄も酔っていたし、 積極的に挑発する泉についその気になってしまい、気が付いたら二人とも裸でベッドに 寝ていた。 「しまった!」 朝になってキッチンで簡単な朝食を作っている泉の後ろ姿をみて、着替えをする一雄の 心は重く沈んだ。 初めてではなかったようだが、いくらんでる女子大生といったって現職刑事が 飲酒の末、未成年の女学生と一夜をともにするなど、訴えられたら懲戒免職ものである ... 向こうも退学ものではあろうが。 「あ、昨日は悪かったなぁ...」 それだけ言うのが精いっぱいである。 まさか金を出すわけにもいかないし.... 「いいわ、責任は取ってくれるんでしょ?」 テーブルにトーストとハムエッグを並べながらあっさりと言う。 一雄の顔がひきつって、背中に冷たい汗が流れた。 「責任って...あの...結婚ってこと?」 「いやねぇ、私はまだ学生でハイティーンよ!そんな事じゃないわ」 「じゃあ..お金?」 「本当に怒るわよっ!!」 これはやっぱりマズイようだ... 次の泉の言葉を聞いてやっと安心してトーストが喉をとおった。 「そう言って貴方に貸しをつくっておきたいだけだから、気にしなくてもいいわ!」 安心したせいか、やけに美味しい朝食であった...しかし見るからに若々しい魅力に 溢れるこの娘が、なんで自分みたいのとこんな事になったのか今でも信じられない? なんならこの娘が卒業してから結婚を考えてもいいな... 気まぐれなこの娘が、うんと言うかどうか分からないが。 幸せな気分でコーヒーを飲んだ瞬間、泉が思いだしたように言った。 「もし子供ができたら責任とってね!」 一雄はコーヒーを鼻から噴き出した.... −−−< 完 >−−−
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