◇フレッシュボイス2 #2244の修正
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WOWOWで放送の松本清張映画「影の車」(一九七〇年 日本)を録画視聴。ネタ バレ注意です。 原作は松本清張の同名短編小説集『影の車』に所収の「潜在光景」。未読ですが、テ レビドラマ化が三度なされており、その内の2パターンを見た覚えがあります。特に風 間杜夫主演のバージョンは再放送を含めて複数回見たせいか、印象が強く、この映画を 観始めてじきに、あああれかと思い出せたほど。 映画の主演は加藤剛で私の世代でも充分馴染みのある俳優さんですが、すぐには分か らなかった。それだけ昔の作品であり、若いってことなんでしょう。後年の善人役ばか り観てきた気がするので、本作での主役は新鮮に映ったです。 公開年前後の時代背景に合わせて変更され、高度経済成長社会であることを節々に感 じさせる描写や台詞が目立つ。特に台詞は膨大で、盛り込みすぎと思えたほど。そんな 台詞の多さに加え、テンポや場面転換が早く、映画館で見た人は落ち着いて筋を追えた のかしらと心配になる。 気になったのは、清張作品にしてはやたらと濡れ場がある。数えていた訳ではないけ れども、六回ぐらいあったんじゃないかしら。もちろんきっちり映すのではなく、かと いって仄めかす程度でもなく、何となく半端なシーンが何度も出て来て閉口した。幼い 子供がその場面を目撃することが重要なポイントになるのだから、二回かせんぜい三回 でいいんじゃないのと思ったです(最初のときと、子供が目撃するときと、主人公が目 撃されたことに気付くとき)。 心理の描写という観点で言えば、最終盤で女性が見せた葛藤をもっと掘り下げてもよ かったかも。己の子供の殺意も、不倫相手の男の殺人未遂もどちらとも否定したい女性 の葛藤がよく出ていました。時間が短かったのがもったいない。 さて、前回の映画「顔」では感情移入できなかった旨を感想に書きましたが、本作で はどうだったか? ――「顔」よりはましですが、やっぱり感情移入しづらいといった ところでしょうか。この作品では観る側が感情移入するとしたら、まあ浮気する男しか ないと思うのですが、男が相手女性の小さな子を徐々に恐れ、不気味に感じるようにな って行く心理の動きは伝わってくるものの、やはり最終的には悪人の振る舞いをする・ してしまうのが難。どちらかと言えばサスペンス物ではなく、現代ホラーやスリラーの 要素をを多々有する物語だった気がします。そう捉えて視聴すれば、主人公の立場にな って一緒に恐がれたかもしれない。 ただまあ、スリラーだとしても、前回の「顔」でやたらと用いられていたおどろおど ろしげなBGMは似合わないだろうなあ。音楽については記憶にほとんど残っていない ので、邪舞ならない曲だったのか、それとも音楽の使用自体が少なかったのか。 ではでは。
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