AWC ◇フレッシュボイス2



#3427/3457 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (sab     )  25/03/24  11:40  ( 10)
「BUTTER」(柚木麻子)が英国で28万部 朝霧三郎
★内容
日経電子版より
>柚木麻子さんの「BUTTER(バター)」は販売部数が日本を超える28万部に達した。
>日本勢は翻訳小説の販売上位のうち4割を占め、
>日常をモチーフにした女性作家の作品が特に好まれている。

やっぱりミステリーが売れるのか。
本格ミステリーではなく、社会派でもないのだが。

出版不況と言われながら売れている人は売れているんだなあ。
夢があっていいや。




#3428/3457 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  25/03/24  17:46  ( 24)
ある閉ざされた読者層?   永山
★内容
小説『ある閉ざされた雪の山荘で』>
※ネタバレ注意でお願いします。


 例によって、現在のところ同書が手元になく、読んだのも昔(多分、前世紀)である
ため、細かいところは覚えていませんが、真相に気付くだけの手掛かりは配されていた
ように思います。論理的に言い当てるまでは難しかった、あるいは無理だったような。
 視点についてもまあ同様で、同作小説に施された構造によって真相に論理的に辿り着
けるというような物ではなく、読者へのサプライズのために用いられていると言い切っ
ていいでしょう。ただ、東野圭吾のうまいところは、読者のための仕掛け・趣向によっ
て物語に無理が生じていないこと。ちゃんと必然性をもって構成している。

 以下、本題とはあんまり関係ない話になります。
 同作の詳しい内容を思い出そうと記憶を補うために、ネットにある感想をざっと当た
ってみました。その中にちらほらと、「ほんとにこの読者は、作者の仕掛けを分かった
上でこんな感想なのかなあ?」と心配になる文章があって、ちょっともやもや。余計な
お世話と分かっていても、この作品で試みられた趣向がどんな物なのか、説明したくな
る。
 あと、偏見というか想像の域を出ませんが、ミステリ読みの人は視点を意識している
から仕掛けの凄さに気付いているのに対し、ミステリ好きと言うほどではないが東野圭
吾ファンだから読んだという人は、いまいちぴんと来ないまま「ああそうですか」的に
受け止めてるんじゃないかと思えてしまう。(^^;

 ではでは。




#3429/3457 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (sab     )  25/03/25  14:36  ( 25)
生成AI95%の小説    朝霧三郎
★内容
九段理江が生成AI作95%の小説を発表した。
これが与える影響は結構大きいのではないか、と思いますね。

芥川賞受賞の時にも、受賞作は生成AIが5%書いたとかで、
その時には批判的に騒いだ人に、
肯定的な人は、
「ただ単に、作中にAIが出てきて、AIとの対話の箇所だけに
生成AIの文書を使っているだけで、
読んでいない人が批判するケースが多い」
とかなんとか言っていたが。
BBCなどは、日本の権威ある文学賞が生成AIの使用を認めた
などと報じていたが。
しかし、今回の95%生成AI文書というのは結構確信犯的で
(嫌な女だとは思っていたんだよな。
「おんな酒場放浪記」に寺澤ひろみ、
というハモニカ奏者が出てくるのだが、
おめーが食っているところなんて見たくねーよ、
という感じで。その寺澤ひとみに似ている)
どうせ誰かがやるんだから先にやってやれ、という感じか。
これは、私小説以外、大きな範囲に、影響を与えると思う。
純文学は勿論、エンタメの多くに。
読者は、今後、
「どうせ生成AIで書いたんだろう」とまず思うだろうし。
そう思うと白ける場合も多いのではないか。
とりあえず純文学の終わりの一要因になるのではないかと思いますね。




#3430/3457 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  25/03/25  19:29  ( 26)
割とゆるふわなシリアルキラー   永山
★内容
 フジテレビ系で放送のドラマ「問題物件」第十回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 先週から続いての前後編エピソード後編。前回の感想で本格味のある展開に期待する
旨を記しましたが、一応、その通りになりました。ただ、密室での拳銃による不可解な
死という道具立てからイメージするのとはちょっとずれて、そこそこロジカルな犯人当
てが繰り広げられたのは少し意外でした。ただ、そのロジックの中で、被害者が犯人を
室内に招き入れる過程がちょっといただけなかった気がする。外から鍵を掛けられ、実
質的に閉じ込められた状態だった被害者が、自らに恨みを抱いていると分かっている相
手を、あの状況で中に入れるのかどうか疑問を感じる。外から鍵を開けてもらう機会を
待望しているとは言え、そして相手が車椅子の女性とは言え、ドラマで描かれたように
すんなりと中へ通すものだろうか。扉が開いたらこれ幸いと、外に出るんじゃないか
と。
 不思議なのは、犯人の方も特に作戦なしに、鍵を開けて中に入ろうとしたらしい点。
夜中の二時過ぎだからターゲットは寝入っているに違いない、と決め付けていたのか。
一晩過ごした者が死ぬとされている部屋に籠もったんだから、眠れずにいる可能性は充
分に予想できると思うのだけど。
 もう一人の別の犯人、襟岡の用意したデスゲームの趣向もいまいちよく分からない。
犯罪をやったが法で正しく裁かれなかった者に天罰を下す名目で犯行を重ねていたのな
ら、デスゲームに犯罪とはまったく無縁ぽい若宮や、同じく罪を犯した様子のない堀を
参加させている。
 さらに言えば、以前始末した犯罪者らの件もよく分からなくなる。毎回一人しか死者
が出ていないことから、ターゲット一人を閉じ込め、ロシアンルーレットをやらせたよ
うに思われますが、その場合ターゲット側が生き残れる条件はどう設定されていたの
か。六回中三回発射されるロシアンルーレットを切り抜けられたら、ではターゲット側
が振りなのはまあしょうがないとして、約束を守る保証がないというのに。

 ではでは。




#3431/3457 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  25/03/26  13:58  ( 46)
感想?>『双影館の殺人』   永山
★内容
※以下、『十角館の殺人』(綾辻行人 講談社ノベルス他)のネタばらしがあります。
ご注意ください。


・粗筋とは言え、ざっくりとしすぎているため、何とも評価しにくい。追加や手直しす
べき細部が多いなあという印象。動機にさえ言及がないし。

・それぞれ被害者が手にしていた物についての説明がない。読者を唸らせるような、ミ
ステリらしい意味づけや必然性などが求められるかと。

・最重要部は、ジェイクとクリスの一人二役トリックをどう実現し、描写するかでしょ
う。粗筋の中だけでも、ジェイクとクリスが同席していると読める場面がありますが、
いかなる方法で可能にするのか。
 たとえば、ジェイク(クリス)以外のメンバーは実はみんな全盲であり、その事実は
終盤まで伏せられているとか……。これなら声色を使い分けることで、一人二役が成立
するかもしれない。そうするにしたって、叙述のテクニックを駆使してなお難しいもの
があるかと思います。

・地下で見付かる“ジェイクの死体”って実際は誰なんだろ?

・“ジェイク:無口で存在感が薄い青年。彼だけが初対面のメンバーだった。”とあり
ますが、大学のサークルでこんなことってなさそう。ありそうだなと思わせる設定が必
要不可欠。

・この「意外な犯人」の設定について、推理作家Kの近作にやや似たものがある

・この粗筋を素にしたミステリを読んだ読者の大部分は当然、『十角館の殺人』を連想
するはず。「ここが本家と違う」と打ち出せる特長がほしい。あるいは、『十角館の殺
人』の読者であるが故にかえって騙されやすくなるような工夫を施す。島と島以外を別
個に描いて、いかにも島外の者が犯人であるかのような描写を入れるとか。

・硝子瓶やその中に入っているメッセージが、さほど効果的に使われているとは感じら
れず。むしろ意味がないような……。これなら省いた方がよさそう。

・「J・K」がクリスのイニシャルってことは、クリスは栗栖?

・双影館の構造について、左右対称だとわざわざ意味ありげに説明しているのに、作品
に寄与していないような。
 地下室の存在に気付くヒントとして活用できないか。対称なのは左右のみならず上下
もだった、みたいな。


 今のところはこんな具合です。
 上のような指摘を読み込ませて、話を改善させてみたらどうなるのかしらん。(^^;

 ではでは。




#3432/3457 ◇フレッシュボイス2    *** コメント #3431 ***
★タイトル (sab     )  25/03/26  18:05  (152)
感想ありがとうございます。    朝霧三郎
★内容
ジェイクとクリスが同席しているのに他のメンバーが気が付かないのは何故、
というのは、当たり前の疑問ですが。
chatGTPに聞いてもズバッとした回答は出てきませんでした。
みんなが盲人だったから、みたいな。

しかし、chatGTPと対話しながら書けば、面白くて筆が進むかも
とも思いました。
(とも思いましたが、
かつて、コミpo!でなら描ける、と、かなりの時間を損した記憶があるので、
chatGTPを使えば…、なんていうのも、時間のムダかもしれません。)

ーーーーー何故ジェイクとクリスが同席していても気が付かれなかったのか。
chatGTPの答え。

ジェイクとクリスが同席している場面で、他のメンバーが
「二人が同一人物であることに気付かない理由」は以下の要素によって巧妙に
隠蔽されています。

1. 二人が同席している「ように見える」だけで、実際にはすれ違い
**クリスは巧妙にタイミングをずらして登場・退場することで
「二人が同席しているように見せかけている」**だけで、
実際には一度も同時に目撃されていません。

具体的なトリック例:

クリスが談話室を出た直後に「ジェイク」が現れる。
→ 他のメンバーは二人が同席していたと錯覚する。

談笑中に「ジェイク」が席を立った直後に「クリス」が戻ってくる。
→ 見た者は「二人ともいた」と思い込む。

トリックのポイント:

扉や壁を挟んで入れ替わることで、他のメンバーは同時に視認する機会がない。

「クリスがトイレに行く」と言って退席し、その間に「ジェイク」として
登場するようなタイムラグを利用する。

2. 館の「双影構造」による錯覚
「双影館」は鏡のように左右対称の構造であり、視覚トリックを助長しています。

廊下や扉が対になっているため、鏡や反射によって二人が同時にいるように
見える場面がある。

例:

廊下の曲がり角で「ジェイクとすれ違った」と思ったが、実際にはクリスが
鏡に映った姿を目撃していた。

廊下の突き当たりに「ジェイクがいる」と思ったが、それは反射したクリスだった。

この構造によって、他の登場人物は実際には一人しか見ていないのに「二人を見た」と
錯覚してしまう。

3. 薄暗い照明と視認性の低さ
双影館は廃墟であり、照明が不十分なため、視認性が悪い状況です。

薄暗い灯りの中で遠目に人物を見た場合、顔や服装の細部は判別しづらい。

特に夜のシーンでは、影や逆光で特徴がぼやけて見えやすい。

例:

他のメンバーは「クリスとジェイクが並んでいる」と思っても、
実際には同じ人物が二度登場しているだけ。

照明の影で顔が見えにくいため、別人だと錯覚する。

4. クリスがジェイクに変装する際の巧妙な演出
クリスはジェイクを演じる際に特徴を変えることで、同一人物であることを
隠しています。

服装の変化:

ジェイクはフードや帽子を深く被る、サングラスを着用するなどして顔を隠す。

一方、クリスは顔を出しているため、二人が同時にいたかのように錯覚させる。

声や態度の演技:

ジェイクは無口でぼそぼそ話すキャラクターに設定。

声を低く抑えることで、クリスと異なる声質を装う。

姿勢や歩き方を変える:

ジェイクは猫背で歩き、視線を伏せるなど特徴的な仕草を演じる。

これにより、他のメンバーは「別人」と信じ込んでしまう。

5. 他のメンバーが極限状態で冷静さを失っている
次々と仲間が殺されていく状況下で、他のメンバーは極度の恐怖と
疑心暗鬼に陥っています。

恐怖により認識力が鈍り、人物識別が曖昧になる。

「確かに二人がいた」と思い込んでも、実は記憶が曖昧になっている。

極限状況では人間の記憶は錯綜しやすいため、クリスとジェイクが同席していたと
「勘違い」することが自然に起こります。

6. 証言の曖昧さによる錯誤
登場人物たちは「ジェイクとクリスが同席していた」と思い込んでいるものの、
実際には誰も正確に二人を同時に見ていません。

例えば、「さっきまでジェイクと話していた」と言った者は、
実はクリスと話していた。

「ジェイクがいたはずだ」と思っても、それはすれ違いのタイミングで見た
クリスだった。

証言が曖昧なまま、「二人が同席していたはずだ」という思い込みが広がるのです。

7. 二重の記録工作
クリスは館内の日記やメモにジェイクの存在を記録することで、ジェイクが
実在するように演出しています。

例:

「ジェイクと風呂場で話した」と日記に記録することで、
ジェイクが実在していたかのように錯覚させる。

他のメンバーが「ジェイクもいたよな」と思い込むように誘導する。

この記録によって、ジェイクの存在が補強され、二人が同席していたと
信じ込まれてしまう。

まとめ
ジェイクとクリスが同席しているように見える理由は、以下のトリック
によって成立しています:

タイミング操作 → 入れ替わりを繰り返すことで「同席したように見せかける」。

双影館の構造 → 鏡と対称設計により視覚錯覚を利用。

暗闇による視認性の低さ → 見間違いを誘発。

変装とキャラ作り → 服装、声、仕草を変えて別人に見せかける。

極限状態による錯乱 → 恐怖による記憶の錯誤が発生。

証言の曖昧さ → 「二人がいた」と思い込ませる証言操作。

記録の工作 → 偽の記録でジェイクの存在を補強。

これらの要素が複合的に作用したことで、他のメンバーはクリスとジェイクが
同席していたと錯覚したまま、真相に気付かなかったのです。

以上。
数秒でこれぐらい書いてくるので、
量産型の作家は使いたくなるでしょうねえ。





#3433/3457 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  25/03/27  17:25  ( 27)
ChatGPTによる小説創作>   永山
★内容
 レスをありがとうございます、朝霧さん。

 うーむ。確かに分量は稼げそうですが……トリックの説明がこれでは、少なくともミ
ステリは書ける気がしないなぁ。(^^;
 仮にChatGPTがアウトプットした通りにストーリーやトリックを構築できたと
しても、読者からすれば怪しさ満点、ジェイクとクリスを最有力容疑者だと見なしそう
で、それだとミステリとしてだめな訳で。
 そもそも、根本的な問題として、一人生き残ったクリスの証言を、警察が鵜呑みにす
るとは考えられない。クリスがすべきは、殺しのターゲットである五人をかく乱するこ
とや“読者”を想定して驚かせることではなく、犯行後にやってくる警察の捜査をどう
かいくぐるか、なのは断るまでもありません。あの粗筋では、何のためのトリックなの
か意味がないんじゃないかと、改めて読み直して思いました。どれだけ手を尽くしてク
リスとジェイクが別人であるかのように振る舞ってみせようが、それを目の当たりにし
た面々はみんな殺してしまうのだから、誰も警察に証言してくれない。(^^;

 ChatGPTを使いこなすには、質問の仕方や順番が重要だという話を耳にします
ので、その辺りのやり方を工夫すれば、ミステリも書けるのかな。
 いきなりすべてを作らせるのではなく、まず大まかなストーリーを作らせて、次にキ
ャラクターを作らせ、さらにトリックを考えさせてという風に、作業を分割して聞いて
みるとか?

 まあ、でも私は今のところ、ミステリのトリックをこしらえるのは生成AIにはまだ
難しい、無理なんじゃないかと思っています。トリック作りに特化して集中的に読み込
ませ、学習させればその内成果が出るのかしらん? ああ、トリックのジャンルそのも
のも絞り込んだ方がいいんでしょうか。アリバイトリックのみとか。

 ではでは。




#3434/3457 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  25/03/28  03:03  ( 33)
要項は最新かつ公式なものを   永山
★内容                                         25/03/28 03:04 修正 第2版
 出そう出そうと思ってなかなか出せないでいる「カッパ・ツー」。今回も出せなかっ
た……。(--;
 第四期の締め切りに伴い応募作品名が発表されて、全部で九作品。上限二十に達した
ことってあるのかな? 単純な計算で言えば、受賞確率高そうなんだけど、実際は選考
委員二人の眼鏡にかなわなければ受賞なしもあるはずだし、これまでの受賞作がそうそ
うたる顔ぶれなので(個人的に読んでないのもありますが、評判を見る限り)、比較さ
れることを思うと微妙な作品で応募するのは恐らく恥を掻く。
 で、応募作品名をざっと検索してみたら、他の賞で予選通過暦のある作品が一点含ま
れていた。カッパ・ツーは未発表の本格ミステリ、つまりは完全新作のみを対象として
いるので、同じ内容の発表済みor応募歴有り作品であれば失格になるはず。あるいは
そもそも受け付けてもらえないか。
 でも発表の文章に、「募集要項の条件を満たした応募作品は、このページの九作品」
とあるから、ちゃんと調べてタイトル(及び作者名)が同じだが中身が違う別物と判断
したのかしらん?


 かくいう自分、募集要項を破ってしまったことがありまして。それも最近。
 横溝正史ミステリ&ホラー大賞の要項が変わったのを知らなかったんだよ~。
 言い訳がてら、事情を記しておきますと、公募ガイドに載っていた同賞の要項を読ん
で「発表済み&応募歴ありの作品を禁じていないな」と確認できたので、過去作を送信
したのですが……あとになってその年から応募歴のある作品は改稿していてもNGとな
っていたのを知り、愕然。恥ずかしい。やはり、その賞の公式サイトにある正確かつ最
新の募集要項を読み込まないといけませんね。

 あと、何度か書き込みのネタにした話ですが、遙か昔、プリントアウトして郵送応募
していた時代に、締め切り間際でプリントアウトしようとしたら、手元に白の用紙がな
い。薄いクリーム色のがあったのでこれでいいやとプリントアウトして送ったら、いつ
もなら「受付ました」葉書が送られてくるのに、そのときは送られてこなかった。要項
に紙の色の指定はないんだけど、応募作品のコピーを取って下読みの人に渡すことを思
えば、色つきの紙ではアウトだったんだろうなあ。

 ではでは。





#3435/3457 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  25/03/29  10:25  ( 16)
前言撤回になるかも   永山
★内容
 先日ニュースサイトにて、画像生成AIで作られたジブリ風の絵が今後著作権問題に
つながっていくんじゃないか云々という記事が出ているのを読みました。
 で、思ったのが、「なるほど、**風と指定するやり方があるのか」と今さらながら
知る。
 早速、EDGEのCOPILOTに、「綾辻行人風のプロット」「折原一風の叙述ト
リック」「ディクスン・カーに匹敵するような密室トリック」をそれぞれ作れる?って
聞いてみたら、それなりにまともな解答が返ってきた。正直、まだまだだとは思いま
す。プロットは凡庸ですし、トリックにはとんちんかんなところが見られ、追加で出し
た“雪の足跡の密室”という指示を理解できていない(密室の中に雪の足跡がある、と
解釈された)、という有様ですから。
 ただ、以前(漠然と「トリックを作って」と指示していた)に比べれば、格段にまし
なレベルになっている。
 生成AIにはまだミステリのトリックを作り出せないんじゃないかと思っていました
が、着実に進歩しているらしいと実感。

 ではでは。




#3436/3457 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (lig     )  25/03/30  00:36  ( 71)
AI執筆  らいと・ひる
★内容

 お久しぶりです。

 朝霧三郎さんと永山さんが生成AIのお話をされていたので、私もそれに少し混ざりた
いと思い、近況の報告も兼ねて書き込みたいと思います。

 現在、私はChatGPTの有料プラン(月額20ドル)を利用しています。おかげで、AIとの
長文のやりとりが可能になり、非常に楽しんでいます。

 物書きの端くれとして、生成AIを使った小説執筆にもチャレンジしてみました。

 以前のChatGPT(バージョン3.5まで)は、長文が書けず、内容にも矛盾が多くて実用
にはほど遠いものでした。しかし、最新のGPT-4.0oを使い、『GPTs』というプロジェク
ト機能を活用して試行錯誤した結果、10万文字以上の小説を書くことができました。
※試験運用でGPT4.5も使えますが、長文は無理です。

 一度に出力可能な文字数は3000~4000字程度ですが、細かな指示(プロンプト)を数
百回繰り返して書かせました。

 ジャンルはSFファンタジーで、とあるゲームを題材にした異星でのサバイバル物語で
す。

 作業手順は以下の通りです。

1. GPTsでプロジェクトを作り、世界設定(約3000字以内)をAIに読み込ませる。
2. 登場人物や特殊用語を順にAIに学習させる。
3. AIに大まかな話の案を出させ、気に入ったものをプロット化。
4. プロットから各話の詳細プロットを作成させる。
5. 詳細プロットを元に執筆させるが、AIは話を盛ったり矛盾したり設定から逸脱しがち
なので、何度も修正を加えて学習させる。
6. 10話ごとにあらすじと重要事項をAIに抽出させ、それを新しいプロジェクトに引き継
いで続きを作成。(トークンの節約)

 面倒に感じるかもしれませんが、AIの癖を掴むと非常に効率よく作業が進みます。実
際、3000字ほどの出力がサーバー状況にもよりますが、約1分で完成することもありま
す。

 試験的に、小説投稿サイト「ハーメルン」で公開した結果、以下のような反響をいた
だきました。

- ユニークアクセス(UA):11,796
- お気に入り登録数:175件

 タイトルやあらすじの工夫もありましたが、生成AIによる小説がそれなりに受け入れ
られたことは間違いないと思います。

 ハーメルンでは普段は使用しない別名を使って投稿しました。なので、私の名前を検
索しても出てこないと思います。

 生成AIを目の敵にする勢力が存在しますので、あまり表だってやるのはリスクが大き
いかなと。


 ちなみに、上記の作品を18禁化してノクターンノベルズ(小説家になろうの姉妹サイ
ト※18禁特化)へ投稿する計画を始めています。

 まともに指示すると18禁作品などは書いてくれません。せいぜい、ソフトなキス止ま
り。

 そこで18禁表現をするように学習というか設定というか、説得作業をすると、あら不
思議、官能小説ばりの表現をしてくれる。

 設定の違いによっては同じGPTsなのに頑なに18禁表現を拒むものもあれば、私が小説
作成用に設定したGPTsでは、今ではいとも簡単に書いてくれるのです。


 生成AIについて語ろうと思ったけど、近況が長すぎたので今回はこれまで。


 ではでは。





#3437/3457 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  25/03/30  09:23  ( 47)
AIとの付き合い方を模索する   永山
★内容
 らいと・ひるさん、お久しぶりです。
 有料版と無償版とでそのような差があるのですねー。実際に使用している、しかも小
説執筆という作業に特化した体験談は非常にありがたいです。
 参考にしたく伺いますが、御作の投稿サイトでの公開に際して、「本作品の執筆には
一部、生成AIの支援を導入しています」的な文言を、読者に向けて提示したかどう
か、差し支え(特定につながる等)がなければ教えてくださいませ。

 ミステリのトリックが案出できるかどうかについては、もしかしたら有料版だとすで
にばんばん独創的で素晴らしいトリックが作られていたりして?なんて思わないでもな
いのですが、もしそうなっていたらさすがに今の世の中、必ずどこかから情報が流れて
くるものだと思うので、そうではないと信じたい。(^^;


 私自身は先にも記しましたように、今のところchatGPTにすら手を出していな
くて、EDGEに付属の(多分旧タイプ)COPILOTで、たまに試している程度で
す。お話を聞くと、一応同じ生成AIなら、学習による成長や質問の持って行き方次第
で、EDGEのCOPILOTでもそれなりに小説執筆できるようになるのかしらん?
 ^^;

 一つ心配というか気になるのが、COPILOT無料版だと入力したデータが保護さ
れないとか。
 以前見た規約に「入力したデータはみんなの物になるよ」と解釈できる文言があった
んで、オリジナルのアイディアを入れたら、学習材料として「みんなの物」になり、場
合によっては他の人への解答にそのままアイディアが出力されるケースもあるんだろう
な、少なくともそのつもりで使うべきなんだろうなと思ってます。
 なので、仮に学習させたくても、心理的ハードルがあって、おいそれとはやりにく
い。

 で、思い付きで、迂遠な方法を採ってみました――
「屋敷の一室を想定します。
 出入りできるのはドア一つだけです。
 鍵さえあればドアを施錠できます。
 鍵は複製不可能です。
 ある日、施錠されたこの部屋で人が一人、他殺体で見付かりました。室内に他に誰も
いませんでした。鍵は室内で見付かりました。
 殺人者はこの犯行をどのようにして可能にしたのか、考えてみてください。」
――こんな具合にやってみたところ、現場の状況が密室であることやこちらがそのため
のトリックを求めていることは理解してくれた。つまり、密室という言葉を使わなくて
も、そこに不可解な謎が存在することを把握できると。
 そして回答としては、遠隔操作的な自動殺人を提案してきました。それも具体的では
ない、ふわっとしたもの。
 そうじゃないんだよな~と思ったので、「絞殺だったらどうなります?」と重ねて聞
いたら、返事が途中まで出力されて読み切れない内に消え、「この質問にはお手伝いで
きないようです」と返された。現実に犯行を計画していると判断されたか。小説を書い
てるんですよーってことを、こんこんと言い聞かせる必要があるのかも。(^^;

 ではでは。




#3438/3457 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (lig     )  25/03/30  14:51  (102)
これは人工知能ではない  らいと・ひる
★内容                                         25/03/30 21:08 修正 第2版
 永山さん、反応ありがとうございます。

 ご質問の答えですが、「生成AIを使用」とはあらすじにもタグにも提示していませ
ん。理由としては「実験」ということで、フラットな状態でどこまで受け入れられるか
を知りたかったからです。
 フェアではないと思われるでしょう。しかし、ハーメルンのルールとして「AI作品の
場合は明確に表示せよ」とは記載されていません。

 そもそも商業作品として出すつもりもありません(大賞等に応募はしていない)の
で、あくまでも実験の範囲内での行為だと考えております。

 現在はノクターンノベルズ版を作成しているために、本作は非公開にしてあります。
 それと、今の所は「AIが書いたのでは?」というような反応はありません。


***


 今回は生成AIについて語りたいたいと思います。

 これは、私自身が実際に生成AIを使用した経験や、ネット上で収集した情報から導き
出した考えです。

 まず最初に言いたいのは、「生成AI」は厳密に言えば「人工知能(Artificial Intell
igence)」というより、「拡張知能(Augmented Intelligence)」と呼ぶ方が正しいの
ではないかということです。

 現在人気のあるChatGPTなどの生成AIは、入力されたデータをもとに、確率的に最も
「自然でありそうな」出力を生成する仕組みです。つまり、テキストのパターンから次
に来る可能性が最も高い単語や文章を推測しているだけなのです。

 例えば、「1+1の答えは?」という計算を尋ねる文章を生成AIに入力したとき、AIは実
際に計算を行っているわけではありません。入力された文章の後に続く、最も自然に見
える単語や数字を予測しているに過ぎないのです。

 そのため、まれに「2」以外の数字が回答として出ることもあります(単純な計算であ
れば、その確率は非常に低いですが)。特に数字を使った「なぞなぞ」を入力すると、
生成AIは高確率で間違った回答をします。

 このように、ChatGPTなどの生成AIが得意としているのは精密な計算ではなく、あくま
で文章の推論や要約だということです。


 それではここで、永山さんの書き込みにあった

「ミステリの『トリック』のアイデアを生成AIに考えてもらう」

 ということについて丁寧に考えてみましょう。



 ChatGPTの最新版(4.0o)は、2023年10月までに収集した膨大なテキストデータをもと
に学習しています。そのため「ミステリ」や「トリック」といった単語を解析し、それ
らしいアイデアを作り出せます。

 しかし、この「作り出す」というのはあくまでも「話を盛る」という意味合いが強
く、生成AIは本質的に話を大げさにする傾向があります。しかも、話を盛ったとしても
必ずしも人間が面白いと感じる内容になるわけではありません。

 新しいトリックの斬新なアイデアを生み出すのではなく、AIは既存の情報を組み合わ
せて「それらしいもの」を作るため、本当に革新的なアイデアが出る可能性は低いで
す。

 稀に偶然が重なり、奇跡的に新しい発想が生まれることもありますが、意図的にそれ
を狙うことは難しいでしょう。

 そこで、現時点で最も効率的にAIから良いアイデアを引き出す方法を考えてみまし
た。

 生成AIの特性を踏まえると、以下のような指示方法が最適です。

1. 詳しい状況設定を明確に伝える
   舞台設定、全登場人物の性格・心理状態、建物の構造、死体が発見された状況(密室
の場合、その密室がどのように閉じられているか)を具体的に伝えます。

2. 具体的な条件や制約を明示する
   凶器、犯行時間、犯人のアリバイ、動機などの情報を具体的にAIに記憶させます。

3. 「水平思考で考えてください」という指示を追加する
   ただし、前述の詳細な情報を積み上げていないと、平凡または残念なアイデアしか出
ないことが多いです。

4. 有料プランを利用して専門的なプロジェクトを設定する
   ChatGPTであれば有料プランの「GPTs」、Claudeの場合は「プロジェクト」という機
能を使い、AIに繰り返し専門的な学習と指示を与えます。
※無料プランだと保持できる記憶容量が少ないので、十分な学習ができない。

 しかし、ここまで手を尽くしても、商業的に十分通用するような革新的なアイデアを
現状の生成AIが出せるかというと難しいかもしれません。それでも、無料版のchatGPTや
Copilotと比べれば、より精度の高いアイデアを得られる可能性は高いでしょう。

 でも改良を重ねるうちに、商業でも通用するアイデアや作品が生まれるのも時間の問
題だと私は考えます。

 それが何十年後になるのか、はたまた何年後になるのか。いえ、下手をすると何ヶ月
後かにはそれが可能になる未来が待っているかもしれません。



ではでは。






#3439/3457 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (sab     )  25/03/30  16:13  ( 18)
いやがうえにも高まる期待    朝霧三郎
★内容
らいと・ひるさん、お久しぶりです。
AI執筆、の中身を読んで、
これはもう、chatGPTに全て書いてもらえばいいんだ、
もう書かなくていいんだ、
など、書く事から解放される、とさえ思ってしまいましたが、
「これは人工知能ではない」を読んで、そんなに甘くないよな、
とも思いましたが。
しかし、あらすじを与えれば、適当に書いてはくれそうで…。
有料版に20$の価値があるのかが疑問で。
うーむ。
有料版にしないと、プロジェクトも作れないんですよね。
無料版で「プロジェクトとは何か」と聞いても、そんな機能はありません、
としか答えないし。
月20$というのは、年240$で結構高い気もしますが。
どうしよう。
とりあえず無料版でやってみるか…。

ではまた。




#3440/3457 ◇フレッシュボイス2    *** コメント #3439 ***
★タイトル (lig     )  25/03/30  21:07  ( 18)
AIと遊ぼう!  らいと・ひる
★内容


 朝霧さん。反応ありがとうございます。

 そうですね。無料版を触っていろいろと試してみて、まずは掌編あたりから始めてみ
ると楽しいかもしれません。

 「プロジェクト」ですが、わかりやすく伝えたつもりが、わかる人にしかわからない
喩えになってしまって申し訳ないです。

 ChatGPTの「GPTs」は、ユーザーがカスタマイズできる専用のAIアシスタントです。

 これをカスタマイズしていくと、小説作成に適した自分専用のAIアシスタントとし
て、小説を書く手伝いをしてくれるのです。※他の使い方も可能。
 で、この「GPTs」を使用するのに有料プランに入るのが必須というわけですね。


ではでは。




#3441/3457 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  25/04/01  01:32  ( 39)
岡嶋一人二人三人   永山
★内容
 らいと・ひるさん、レスをありがとうございます。
 生成AIによるトリック“創出”の件、やはりそうなんですか。ニュースで生成AI
に関する話を見聞きした限りでは、既存のネタ(情報)の組み合わせやまとめができる
だけで、新たな物を生み出すことには大きな期待できないとの印象を受けましたので。
 その一方で、組み合わせることができるのであれば、新たなアイディアの生まれる余
地が多少なりともあるかなとも思います。
 記憶が曖昧ですが、“新商品開発に頭を悩ませていた家電メーカーの社員が、国語事
典を適当に開いたページの適当に指差したところにあった単語二つ「梅雨」と「洗濯」
を結び付けて、乾燥機能付き洗濯機を開発した”なんていう逸話を、本当かどうか知り
ませんけど聞いた憶えがあります。生成AIも似たようなことができそうな……?
 推理作家の高木彬光でしたか、「これからのミステリは既存のトリックの組み合わせ
が鍵になる」みたいな言葉を残していたように記憶していますし。※この「これから」
は昭和時代の話ですが


 あと、最近になって思うのは、生成AIを本格ミステリ執筆に使うのであれば、「不
可解な謎」の状況設定を任せるのが適しているかもしれないなと。
 本格ミステリ書きが案外苦労しているのが、「不可解な謎」だと言われることがあり
ます。毎度毎度、密室だのアリバイだのダイイングメッセージだの消失だのといった定
番化した謎を描いていると、読者のみならず作者も飽きてきて、新奇な謎を生み出した
くなるもの。でも新奇というだけあって、一朝一夕に作れるものでなく、頭を捻ること
に。このときポイントとなるのは、ほしいのはとりあえず「不可解な謎」そのものであ
り、実現方法や解決は二の次だということ。
 方法や解決が不要なら、生成AIがどんな荒唐無稽な答を寄越しても、(一応)ウェ
ルカムで受け入れられる、という算段。

 試しに、“島田荘司の本格ミステリに見られるような、推理小説における「詩的で美
しい謎」「不可能犯罪」「人間業とは思えない現象」を新しく創出して”みたいな感じ
でリクエストしてみたところ、宝石の瞬間消失と翼人を絡めたネタを返してきました。
完全オリジナルとは言えないでしょうけど、悪くありません。
 で、何故か解決についても言及しており、途端にへなちょこな内容になりました。
「おまえさんは状況を考えるだけでいいんだよ」って言おうかと思いましたけど、その
せいで万が一にも二度と解決案を出さなくなったら困るかもしれないので、やめにしま
した。(^^;

 生成AIとやり取りしながら物語を作っていくのって、一人で共作気分を味わえる気
がして、なかなかいいかもしれない。まだ弱めだけど、刺激になる。

 ではでは。




#3442/3457 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  25/04/02  12:37  ( 33)
たまりにたまって   永山
★内容
 やっとこさ、映画「ある閉ざされた雪の山荘で」を観たのですが、こりゃひどい。原
作ファンは激しく怒っていいレベル。
 原作者の感想やコメントがあれば知りたいんですが、どこかにないかな。自力で見付
けられなかったので、COPILOTに聞いたら「見付からなかった」って返された。
 いずれ詳しく感想を書きたいけれど、どこまで原作ネタバレをしていいものか迷う。


ドラマの感想>
 日本テレビ系で放送のドラマ「相続探偵」第九回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 いかにも漫画を原作としたドラマだなと言っては失礼かもしれないけれど、敵対して
いた者同士が組んで、強大な敵に立ち向かうというシチュエーションは、単純に盛り上
がるなぁ。よくあるパターンでもあるため、先行きの予想はだいたいつきますが、それ
でも面白いと思わせる。
 反面、その強大な敵である悪役が、やや嘘っぽいという弊害も出てしまったような。
本当に賢い人間で、野心を持って将来を描いているのなら、その辺の(これまた失礼)女
子大学生と関係を持って子をなすようなことはしないで、目標に向かってまっしぐらじ
ゃないといかんでしょ。女性から無理矢理関係を持たされて、子を作られた、とかじゃ
ない限り。
 そもそも、実息である灰江を何でそんな目の敵にするのかが理解しがたい。確かに、
地鶏にとって今の妻に隠し子の存在を暴露されたら、立場を悪くするでしょうけれど、
そんなに大きな影響が出るとは思えない。妻やその父親にとって、騒ぎ立てるメリット
がない。ただただ、地鶏自身の一族内での立場が弱くなるからという理由だけで、灰江
を窮地に追い込んだのはメリットが薄く、リスクが大きい悪手だと思えてならない。何
もしなければ黙っているだろうに、わざわざ挑発しているように映る。まさか、事を荒
立てたいはずないし、ほんと、動機にいささか疑問がある。
 ただ、気になるのは、地鶏が灰江に向けて放った台詞に、「(灰江の育ての父親と同
様)おまえが小さなことしか考えなくて安心した」というのがあった。育ての父親が、
地鶏に対して何かしたというのはこれまで特に言及がなかったように思う。その“小さ
なこと”が実際には地鶏にとって面倒極まりないものだったとしたら、灰江に対する嫌
がらせのような圧力にも、どうにかこうにか説明が付きそう。さてその辺りに結び付け
た解説が、最終回であるかどうか。

 ではでは。




#3443/3457 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  25/04/03  16:55  ( 26)
ドラ感相続   永山
★内容
 日本テレビ系で放送のドラマ「相続探偵」最終回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 世に蔓延る悪党がこんな簡単に心変わりしたり、公の場で挑発に乗って失言したりし
てくれたら、どんだけ楽だろうかと思う。いくら漫画原作であっても、甘っちょろいと
いうか軽いというか。
 前回の感想で疑問を呈した、地鶏の振る舞いについて、納得のできる説明は結局なさ
れず。血のつながった子供がほしくなったという思いはいいとして、あそこまで執着す
るのは常人の理解を超えている。本人曰く「フィクサー」の地位まで登り詰めたんだか
ら、いくらでも新たに子をなす手段はありそうなもんだけど、そういったことを試さず
に、ただただ学生のときに付き合った女性の子に執着するのは何で? その女性に未練
があるのなら分からんでもないが、そんな描写は一切なかったから違うんだろうし。
で、その執着のあまり、灰江の育ての父を貶め、わざわざ灰江を刺激して、国賠訴訟を
起こされて過去の失態を晒した挙げ句に大恥を掻くって、わけが分かりません。
 裁判で負けたあとの地鶏が、灰江と言葉を交わす場面でも、「私はフィクサーになっ
たんだから本気になればおまえなんていつでも潰せる」みたいな台詞を吐いていたけれ
ども、負け犬の遠吠えにしか見えない。実際には全然フィクサーではないと思える。
 敵がこの程度の“巨悪”だから、主人公サイドが勝って当たり前。ですが、そこに至
る過程で極めてラッキーなことがあったのも事実。地鶏の悪事に関して鍵を握る人物
が、玲子が「証言してくれないなら私死にます」って脅しただけで、あっさり宗旨替え
するのね。
 あと、育ての父が灰江に残した手紙(遺言)。事故死する前に書いたものであり、死
んだあと地鶏が灰江一家にどれほど酷いことをしたのかを知らない状態で、「地鶏を傷
つけたんじゃないか心配だ。七生(灰江)はいつまでも恨むな」みたいなことが書かれ
ていても、いまいち納得しづらい。
 てことで、本来の「相続」に拘ったネタの方が面白かったなあ。

 ではでは。




#3444/3457 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  25/04/04  17:20  ( 22)
二週遅れぐらいのドラ感   永山
★内容
 フジテレビ系で放送のドラマ「119エマージェンシーコール」第十回を録画視聴。
ネタバレ注意です。
 このドラマが始まって数回重ねた頃に、ふと、通報のネタが尽きないのかな、マンネ
リに陥らないのかなと不安がよぎったのですが、余計な心配だったようで。前回と前々
回とがやや似通っている雰囲気でしたが、今回また毛色を変えて来た。ここに来ての放
火事案だけでなく、そこへ塩見の存在を絡めてきたのがうまい。もしかして塩見が……
と思わせておいてからの決着がなかなか気持ちいい。
 また、本ドラマは小さな点で定番や常道を割とすかしてくるところがあって、それが
意外性につながるのか、面白い。放火犯を追い掛ける兼下ってこれ絶対刺されるフラグ
だよなと思ったらそうじゃなかったし、大病を患った堂島が案外早く復帰するし。その
意外さの転び方が、はらはらドキドキする方に転ぶんじゃなくて、安心する方に転ぶの
が持ち味と言えるかもしれない。
 今回のエピソードでは、解決されない積み残しの謎が出た。一つは放火犯の放火の直
前に掛かってきた女性による偽の通報。もう一つは、ラストシーンで堂島に対してなさ
れた復讐予告めいたメッセージ。
 前者は、放火犯の知り合いの女性が、放火犯の行動を知って、犯行を思いとどまらせ
る目的で、放火場所のすぐ近くの地点で放火があったと虚偽通報したのかなと。消防の
サイレンが近付いてきたら、さすがに放火犯も犯行を中止するはず……って想像してい
たのですが、ラストシーンのおかげで分からなくなってきた。同一人物ってことはない
と思うんだけど、どちらも最終回にまわすからには関係があるんだろうか。

 ではでは。




#3445/3457 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  25/04/05  17:34  ( 25)
アニメ化は実写化のあとで   永山
★内容
 かつて実写ドラマ版を観て、「絶対にアニメ化した方がよかったろうに……」と感じ
た『謎解きはディナーのあとで』がこの度アニメ化されたので観てみたら、実写の方が
いいと思ってしまった。あのノリ・テンションをアニメで観ていて気恥ずかしくなると
は、歳を取った気がする。


 フジテレビ系で放送のドラマ「問題物件」最終回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 最終回とあって、雅弘と叔父との間にある確執に一応のけりを付けつつ、今回用意さ
れた案件も解決しなければいけない。てことで、ちょっと駆け足だったかな。特に案件
――殺人事件の方は、そこまで決定的な証拠が出た訳ではないのに、犯人が自白しちゃ
ったのでやや物足りなさが。また、天女の呪いと思わせるためにした偽装工作なんて、
どれほど効果があるのやら。この偽装のおかげで、容疑者は施設に自由に出入りできる
人物に絞られるというデメリットの方が遙かに大きい気がする。立場的には、病死や老
衰死に見せ掛ける方が、よほどばれにくい。でもまあ、本格ミステリ好きがそれを言っ
ちゃあおしまいよってことで、これ以上は突っ込みますまい。
 では縦軸である雅弘と社長である叔父との確執は、満足の行く描き方だったかという
と、素直にうなずけない。犬頭が社長に新たに約束させるために突き付けた、社長にと
っての不都合な事実。これ自体は痛快な成り行きでしたけれども、何だか出来過ぎとい
う気もする。犬頭に交渉の“武器”を持たせるために、取って付けた小エピソードって
感じ。仮に、社長が何ら悪事に関与しておらず、会社の業績を実力のみでV字回復させ
たのだとしたら、文句の付けようがない訳で、弱点を用意しなければならないのは分か
ります。ならばせめて、最終回でいきなり出すのではなく、ここに至るまでの間に、ち
ょっとずつ見せるのが筋ってものではないかと。

 ではでは。




#3446/3457 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  25/04/06  17:09  ( 27)
亀の歩みとカメオ   永山
★内容
 フジテレビ系で放送のドラマ「アイシー」最終回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 通して観てきて、面白くなりそうなときもあったけれども、結局花咲かずに終わった
印象でした。
 まずは、テンポがとにかく悪い。捜査態勢はめちゃめちゃ(そういうのを描くために
作っているからしょうがないんですけど)だわ、瞬間記憶という特殊な能力を扱ってい
るわで、捜査物としてはイレギュラーなタイプに分類されるだろうに、容疑者逮捕まで
の過程だけはやけに厳密に、少しずつ積み上げていくところを見せようとしている感じ
があった。メタ視点で、視聴者からしてみればとっくに分かり切ったことであっても、
作中の捜査員達は最初は疑いもせずにいて、何かのきっかけでふと可能性を考えるよう
になり、真っ当な事情聴取・尋問を重ねてようやく逮捕――この流れをきっちり描こう
としているっぽい。そのせいで全体の流れが停滞し、非常にスローテンポになる。観て
いる側は貧乏揺すりでもしたくなる、多分。(^^;
 加えて今回、主要登場人物数名が心情を吐露する場面がやたらと多く、そこでも時間
を取ったため、全体に酷く弛緩していたように思えた。この分なら、前回と今回とで一
話に収まったはず。
 真犯人逮捕につながった、返り血の件。わざわざ主人公が特殊能力で見出さなくて
も、その前段階で捜査員なり鑑識員なりが気付いてしかるべき証拠なんじゃないのかな
あ。もしくは、返り血の意味合いを見逃したとしても、発射残渣を調べれば、夏見がど
のような位置にいたかぐらい簡単に判明するはず。
 最後の方で、柊班が新規捜査員を入れて再結成される様が描かれ、いかにも“続編作
りたい”アピールのように感じられました。個人的にはもういいです。作られても多分
観ない。瞬間記憶の能力を逆手に取る犯罪者とかが現れたら、気になるかもしれません
が。
 あともう一つ、同じ枠で次に始まるドラマの主人公を、ワンシーンだけカメオするの
って意味ないような。

 ではでは。




#3447/3457 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  25/04/07  17:23  ( 39)
クジャクのダンス、何で見た?   永山
★内容
 TBS系で放送のドラマ「クジャクのダンス、誰が見た?」最終回を録画視聴。ネタ
バレ注意です。
 うーん……本作のファン、原作を含めて本作を好きな人には申し訳ないけど、個人的
には凡作どころか駄作認定していいぐらいにだめでした。
 前回の感想で挙げた疑問点が、まさか一つも解消されないとは思わなかった。触れら
れることすらなく終わるとは。
 そこへ重ねて、今回明らかにされた事件の全容が、とてもじゃないが納得できるもの
ではなく。東賀山事件が語られた通りだったのなら、吊された遺体の状態が安成と他の
面々とで差があったはず。すなわち、安成のみ自ら首を吊った痕跡が顕著で、他は絞め
殺されたあと吊された。いくら安成が後ろ手に縛られていようとも、索痕の差違を警察
が認識できない訳がなく、また認識したらとりあえず「安成が全員を殺害したあと、後
ろ手に縛られた格好をしてから自殺した。もしくは安成には自殺幇助した共犯者がいて
現場から逃げた」という見立てをするのではないか。警察が力郎を誤って犯人と決め付
けるまでには少し日数があったようだから、その間に安成犯人説を唱える場面がないと
おかしいし、安成犯人説にその後も一切触れずに本ドラマが進行したのには疑問があ
る。
 もう一点、警察の捜査でおかしいのが、ウッドリバー社と林川安成のつながりを掴め
ていなかったらしい点。一家皆殺しの凄惨な事件で、その家の主の仕事関係を調べない
はずがなく、当然、ウッドリバー社に出資していたことを容易に掴んだに違いない。そ
してその会社には赤沢刑事の妻・京子が名を連ねていることも分かる。でも、実際にそ
のようなことは描かれず、赤沢も妻の仕事をまったく知らなかった。普通ならあり得な
い、おかしな展開をしているのだから、そこには納得できる理由付けが必要。
 安成や京子の動機もだいぶおかしい。林川家の名誉を守るために自殺を選ぶ安成は、
まあ気が動転するあまりだったとしても、頼まれるがまま自殺幇助した京子がよく分か
らない。子供を置き去りにしたのは連れ去りたくても写真でばれる&頼れるのは別居中
の夫で刑事の赤沢だけという状況では、連れ帰れなかったのか。それにしたって、ね
え。多大な犠牲を出して己の幸福を守ってきたのに、最後に林川邸での自殺を考えると
いうのも理解しがたい(林川家の名誉を守れなくなるし)。
 あと、心麦の父・山下も、手紙を残すくらいなら、真相に迫っていた内容をつぶさに
書き記しておけばよかったものを。あんな手紙を残すぐらいだから、殺されるなんてつ
ゆとも思っていなかったってことはないはずだし。
 警察も検察も大失態を演じたけれども、能力のない人や資質が相応しくない人がまと
めて去ると思えば、まあよかったかなと。(^^;
 人物の描写も色々と掘り下げ不足が感じられ、その結果、親子愛・家族愛のドラマと
しても感動が弱く、ふわっと終わってしまったような。
 主人公の一人、松風にしても事件解決についてはさして活躍せずじまいだったから、
せめてヒロインのお兄さん的立場でもっと見せ場があってよかったろうに。

 ではでは。




#3448/3457 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  25/04/08  17:17  ( 23)
声優、セイミー   永山
★内容
 フジテレビ系で放送のドラマ「119エマージェンシーコール」最終回を録画視聴。
ネタバレ注意です。
 このまま次回また話が続きそう、という意味で最終回らしさの薄い最終回。そして最
終回らしくないところが、このドラマにとって最終回らしいとも言える。“救急救命は
日常であり、終わりがない”的な。
 もちろん、最終回らしく盛り上げるための趣向はたくさんありました。これまでのエ
ピソードに登場した、助けてもらった人が恩つなぎとばかり助ける側に回ったり、勇気
が出せなくて救助行為ができなかった人が今度こそはと踏み出したりという展開は少年
漫画ぽくって熱い。また、人命救助は一人ではできない、ということ自体は当たり前な
んですが、一人一人がつなぐ・つながることで人命救助になるという流れに持って行く
のが、納得感があってよかった。
 さらに、自己中心的な逆恨み犯罪者によるテロレベルの事案が起きたり、通報が重な
って色々と窮地に陥ったりと、盛りだくさん(?)。でも、繰り返しになりますが、こ
れが救急指令センターの日常なんだろうなと。
 あ、前回の感想で記した推測は、完全に的外れでした。(^^; まるで関係なかった。
でもまあ、間違った推理は自作で使える可能性があるのでよしとします。(^^)
 声のみ出演となる場合がほとんどの通報者役に声優を起用したことでで賛否あったよ
うですが、いかにも作り物めいている云々と言った理由でダメ出しする意見には疑問が
ある。声優でない人が演じた場合の実例がないので、何と比べてダメと言っているのや
ら。あと、その声優さんの代名詞的アニメキャラの顔が思い浮かぶからダメというの
も、難癖に近いような。

 ではでは。




#3449/3457 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  25/04/09  16:40  ( 18)
“六役を演じる役”を演じる   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「災」第一回(無料放送)を録画視聴。ネタバレ注意です。
 ほとんど事前情報を得ずに、香川照之のドラマ復帰作という点で話題というだけでと
りあえず観てみました。
 作品自体が面白いというか興味深い。ジャンルはミステリかホラーなのかと思った
ら、公式にはサイコサスペンスというラベリングでした。私感では、匂わせすぎていな
い匂わせホラーというのが近いかな。あんまりはっきり描写せずに、視聴者が想像を膨
らませて隙間を埋めていってくださいねと。
 番組説明に香川照之が一人六役を演じるとあったので、別々の役を演じるものと思っ
ていましたが、初回を観た限りだと、同じ人物だけどキャラクターが異なる(意図的に
別人を演じている)、いってみれば六面相みたいに感じましたが、どうなんだろ。まあ
そうであっても、一人六役という表現に偽りはないと思います。そのこと自体、出演者
のインタビュー記事を読むと、謎というか問い掛けになっているみたいです。
 物語のセオリーから言って普通なら死ぬのはこの人物だろと思っていたのが、ことご
とくすかされたような、ずらしがすこしずつあって、それが面白さにつながっているの
かもしれない。得体の知れない何かを見せられて、その正体を知りたいという気持ちの
表れなのかも。

 ではでは。




#3450/3457 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  25/04/11  16:44  ( 31)
巳と辰は似て非なる   永山
★内容
 朝起きて離れの小屋の扉を開け、外を見たらすぐそこに蛇がいた。例年より早い気が
する。
 まだ動きが鈍いようで頑張れば退治できたんだろうけど、こっちも寝起きで動きが鈍
かった。(^^; ゆるゆると隙間に潜り込まれてしまった。

 プロレスラーの藤波辰爾(旧・辰巳)が、主宰するドラディションの次回興行にて西
村修追悼試合を行うことを発表。
 で、記者会見の写真として、藤波がその大会のポスターを掲げている姿のがあるんで
すけど。ポスターのどこにも西村の写真がない。というか、藤波一人を大写しにしたの
みのデザインなのですが。当初の予定になかったからかもしれませんが、追悼試合がメ
インで行われる大会に、西村の写真がないのは違和感を覚えるな~。和解したと言って
も、まだわだかまりが残ってるんじゃないのと悪い方に勘繰ってしまいかねない。
 これで思い出したのが、ドラディションがまだ無我だった頃、チャボ・ゲレロの日本
引退ツアーでシリーズを開催したときのこと。同シリーズのポスターの真ん中には、藤
波がチャボにヘッドロックを掛けた大きな写真が配置されていました。チャボの顔がよ
く見えない……。引退ツアーのポスターで何で? チャボが藤波に技を掛けている写真
にしろよとまでは言わないにしても、対峙している写真とか、タッグを組んだときの写
真とか、よい構図の物が色々あったでしょうに。
 昔から好きなプロレスラーの一人ですし、今でも現役としてリングに上がり続けてい
ることはたいしたものだと思います。それでも、この辺りの感覚は解せないなあ。もし
かしたら天然でやっていそうでコワい。藤波と親しい業界関係者の人が聞いてくれない
かな。

 『十角館の殺人』実写化について、ふと思ったこと。
 TBSで少し前に放送された連続ドラマ「海に眠るダイヤモンド」最終回で、端島の
昔を収めた(という設定の)8ミリ映像だったかな、とにかく旧い映像が流れて、そこ
に主人公を演じた神木隆之介に微妙に似た人物が写っていて、実際は別の役者さんだっ
たというのがありました。
 あれの逆をドラマ「十角館の殺人」で実現せしめてほしかったな~。

 ではでは。




#3451/3457 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  25/04/12  17:23  ( 18)
ネタの出現と消失   永山
★内容
 ネットであちこち見て回っていて、ふと気付くと、広告としてマジック道具が表示さ
れる割合が増えているような。検索した憶えはないんだけど、ただ、テレビでちょうど
マジックをテーマにした番組を観た直後ではありました。テレビとネットはつないでい
ないんですけどね。(^^; どうしてこうなったんだろ? 偶然にしては出来過ぎ。

 映画「ある閉ざされた雪の山荘で」について所感を文章にして、これでいいかなとい
うところまで書いたんで、UPするつもりだったのですが……そもそも世間的な受けは
どうだったんだろうと思い、検索してみたところ、意外にも評価が分かれていると知
る。
 賛否両論が相半ばするとまでは行かなくても、いい評価を出している層の割合もそこ
そこいる。少なくとも無視していいレベルではないという感触を持ちました。
 ただ、どこを評価してそうなるのかがさっぱり分からなかった(^^;ので、あっちやこ
っちの高評価レビュー・感想を読み込んでいくことに。
 でまあ、なるほどそういう部分を高く買うのねと、一応分かったつもり。だからとい
って、自分自身のこの映画に対する評価を変えるほどのものではなかったのですが、と
りあえずしばらく寝かす必要はあるかなと。

 ではでは。




#3452/3457 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  25/04/13  19:29  ( 28)
パズルを用いた心理描写   永山
★内容
 NHKで放送のドラマ「アストリッドとラファエル5」第一話を録画視聴。ネタバレ
注意です。
 年齢のせいか、複数シーズン続くドラマが新しく始まると、前シーズンのラストって
どうだったっけ?と記憶が薄れがちなのですが、このドラマに関しては始まってしばら
く経つとだいぶ思い出せた。(^^; 一応、続きが気になる形で終わらせていたので、そ
の答の断片を見せるという形が有効に機能した感じ。
 今回、最も印象に残ったのは、アストリッドがハノイの塔を解けないでいるくだり。
ハノイの塔は古典的なパズルで、比較的簡単な部類に含まれるはず。なのに、そんなパ
ズルを、パズルが得意で趣味としているようなアストリッドが解けないなんて、どうい
うこと?と訝しく思いつつ視聴を続けていたら、終盤に入る辺りで「精神的に動揺して
いるから」ということが示される。
 んで、「ああ~、なるほど、恋人のテツオが帰国を余儀なくされるというのに、やけ
に冷静な態度を取っていると思ったけれど、あれは表面上のことで、内面ではやはり動
揺していたんだ」と納得しかけたのですが……その直後のアストリッドの台詞にびっく
り。「あなた(ラファエル)の妊娠、子供誕生が私達の関係を壊すことになるかもしれ
ず、動揺していた」と。確かに今回は冒頭からラファエルの妊娠についても描かれてい
ましたし、その点についてアストリッドが不安を表明していましたけれども、「えっ、
そっち?」と声を上げてしまいました。
 多分これはアストリッド自身、テツオの帰国についての動揺を自覚しきれていないこ
とを表しているんじゃないかと。ラファエルの件が一件落着したあとも、ハノイの塔が
解けない、何だこれはおかしい――ときて、やっとテツオの帰国の話につながるのかな
と予想しております。大方の見方もそのようで、ほっとした。(^^;
 事件の方は、前後編の前編てことで、次回を観ないと分からないのですが、引退した
殺し屋が子供をさらわれ脅されて“仕事”に復帰、というちょっと込み入った設定が面
白い。その他の点でもやけに複雑な構成を取っており、陰謀絡みっぽい印象を受けまし
た。後編ではこの混沌とした状況がいかに解きほぐされるのか。

 ではでは。




#3453/3457 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  25/04/14  09:21  ( 21)
AIすべきトリック   永山
★内容
 記事そのものは少し前みたいなんですが、昨日たまたま“生成AIで密室殺人ミステ
リの筋書きを作ってさらに動画にした”とかいう旨の記事を見掛けました。AIがトリ
ックを考えた、みたいな見出しだったので「おっ」と思ったものの、並んでいるフレー
ズが“そうはならんやろ(笑)”みたいな感じでしたから、これはきっと面白解答が得ら
れたんだろうなと理解した上で、目を通してみたです。
 で、記事及び一緒に載っていたくだんの動画の静止画像から判断するに、殺しの凶器
は口臭で、密室の鍵を施錠したのはキュウリのように思われる……。この推察で合って
いるとしたら、凶器やトリックそのものには苦笑するほかないけれども、一方で、キュ
ウリを使って鍵を掛けるという“着想”をAIが得たというのは、一応、びっくりする
出来事のような気がしないでもなし。
 古典的なトリックに、氷で鍵を複製するというのがありますが、それを元ネタに、氷
をキュウリに置き換えただけなんだとしたら、さほど脅威ではないとも思いますが。氷
とキュウリって、語呂が何となく似てるし、キュウリの水分多いし。(^^;
 その後も妙に気になったので、結局動画を見てみました。キュウリは鍵を掛けるので
はなく、開けるのに使ったのね。その後の密室脱出法が輪を掛けてハチャメチャでし
た。
 これ、COPILOTでも試したらどうなるかなと「密室殺人を作って。ただし、キ
ュウリと餃子を必ず使うこと」って思わず入力してしまった(笑)。返答を見るに付
け、どうやら生成AI界隈では、キュウリは鍵穴に詰める物みたいです。

 ではでは。




#3454/3457 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  25/04/15  16:56  ( 26)
リアルとファンタジーのごった煮   永山
★内容
 TBS系で放送のドラマ「キャスター」初回二十五分拡大を録画視聴。ネタバレ注意
です。
 細部でいくつか見られる現実味の薄さはとりあえず脇に置いて、ストーリーは王道を
行く運びで面白かった。風向きがしょっちゅう変わるというか、展開がジェットコース
ターってやつかしらん。
 話の筋を追っていると「ん? 何でそんな行動を取った?」と疑問に感じることが幾
度かありましたが、エンディングまでにはきちっと理由や根拠が示され、気持ちよく見
ることができた。もちろん大きなネタは残っていますが、これは縦糸かもしれないし、
今後ほぐされていくのでしょう。
 そんな中、どうにもおかしかったのが最終盤、進藤のポケットにレコーダーを仕込む
ことで官房長官とのやり取りを密かに録音することに成功した崎久保が、進藤が金を受
け取ったらしいことを掴んだあと、進藤に向けて放った台詞。「あなたよりもすごいス
クープを取ってみせる」みたいなことを言っていましたが、それならまず進藤が官房長
官から金を受け取り、真実をねじ曲げたであろう疑惑を追及するのが一番ではないかい
なと。宣戦布告なんかしてないで、さっさと動くべし。(^^;
 ま、実際にそんな流れになるとドラマの都合上、困るんだろうし、進藤が本当に金を
受け取ったかどうかは分からない(録音だけ、つまり言葉のやり取りだけなので)。多
分、何らかの逆転が仕込まれているんだろうなあ。
 最初に記した現実味の薄さに関しては、ネットでも色々上がっているので割愛しよう
かと。個人的には、進藤の調査能力がずば抜けていて、今後も“便利な道具”として色
んな場面で重宝されそうなのは、やや興ざめかな。
 あと、よく「キャスターにしては進藤役の阿部寛、滑舌が悪すぎる」ってな見方が書
かれているのですが、そんなに滑舌がよくないですか? この頃すっかり字幕有りで視
聴する習慣が付いたため、全然意識していなかった。

 ではでは。




#3455/3457 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  25/04/16  17:24  ( 29)
コンプレックスの差   永山
★内容
 NHKで放送のドラマ「アストリッドとラファエル5」第二話を録画視聴。ネタバレ
注意です。
 前後編の後編ということで、つまりは解決編でしたが、非常に込み入った構図の事件
でした。シーズン5を迎える人気のドラマとは言え、その初回放送で前後編に渡るエピ
ソード、しかも内容がこんなに複雑な事件を扱うなんてえらくチャレンジングだなー
と、変に感心してしまう。(^^; 同じ日に放送初回があった日本のドラマ「キャスタ
ー」も、X旧Twitter上などの反応を見ると複雑でついていくのがしんどかった
という旨のコメントがそこそこ上がっていたようですが、本作に比べれば随分平易だっ
たと思います。
 さて、ややこしい話ではありましたが、終わってみればすっきり理解できたのは言う
までもありません。ただ、アストリッドとラファエルが途中で仏米それぞれの警察秘密
組織から接触され、協力要請を受けるくだりは、何だかギャグみたいになっているのが
ちょっと違和感あったな。他の登場人物のリアクションからも、制作サイドが意識的に
笑いを取るための演出をしているのは窺えるんだけど、何でそうしたのかが分からな
い。別にシリアスで押し通してもいいだろうに。脚本書いた人が、「これってやっぱり
絵空事じみてるよなあ」って恥ずかしくなったから、笑いに変えたのかしらん?
 輪を掛けて理解しがたいのが、解決の場面で、フランスの警察秘密組織が犯人を射殺
しちゃう流れ。組織側の理屈は分からんではないけれども、かなり唐突で、少し前まで
あったあの笑える空気はどこへ行った?と思ったです。
 もう一つ、これは残念というか予想が外れたというか、アストリッドが古典的パズル
を解けなくなっていた件の扱い。私の想像では、「パズルが解けなくなったのはラファ
エルの妊娠を聞いてその先が確定しないことから来る動揺が原因だとアストリッドは思
い込んでいる」→「ラファエルの妊娠の件が決着」→「でも依然としてパスルは解けな
い。何で?」→「テツオの帰国話が原因だったと気付く」ってな流れだろうなと。実際
は、そういう演出はまったくなし。途中にパズルを解こうとしているシーンがちょっと
あっただけで、やや肩すかし。今後、想像したような場面があるのかどうか、気にしな
がら視聴を続けます。

 ではでは。




#3456/3457 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  25/04/17  19:35  ( 30)
今推理日記どこにある   永山
★内容
 いつまで経っても、“『十角館の殺人』読んでいる途中で犯人分かったつぶやき人”
をちらほら見掛ける。
 無論、メタ的に考えれば多分こうだろうと想像し当たっていることも、現代本格ミス
テリに慣れた人ならあり得るでしょう。それは認める。
 その上で、「あの**描写を読んだあとも、どうしてのんきにこいつが犯人だと思い
続けられるのか?」と問い詰めたい。小説の読み方もしくはミステリの読み方を知らな
い人が増えてるんじゃないかと、本気で心配になる今日この頃。(^^;

 ミステリの読み方を知らない人の割合がほんとに増えているとしたら、書き手の方も
困る訳で。読者を欺くために工夫を重ね、フェアであるよう苦心して仕掛けた罠が、何
の意味も持たなくなる恐れがあることになるから。
 私自身は、佐野洋『推理日記』シリーズ(講談社)で、ミステリの読み方を把握した
口ですが、現代では手軽には読めなくなっているみたい。また、『推理日記』に相当す
る推理関連のエッセイが何かないかと考えても、ちょっと浮かばないな~。

 少し前に、乾くるみの『塔の断章』(講談社ノベルス・同文庫)の巻末にある作者自身
による解説がすごいってな話を聞き及んだ(実際には記事を読んだ)ので、中古サイトで
探して、購入したのだけれど、新装版には自作解説どころか解説すら付いてなかった。
旧い方の文庫版にしか載っていないらしい。何のための新装版なの?と疑問に感じつつ
も、なおさら読みたくなったので、元の価格よりも高いけれども旧文庫版を見付けて、
改めて購入。
 同作に作者が仕込んだ手掛かりの数々を、そのほとんどが誰にも(一般読者は疎か、
同業者にも)気付かれなかったため、さらにそういう細かな点に気付いて言いない読者
から批判的感想をもらったので、作者自ら解説することにした模様。そりゃあ、言いた
くなるわ。(^^)
 そうして解説文を読んでみて、ミステリ作家ってここまで考え抜いて書いているん
だ、と分かるようになっています。一つの個作品について語ったものだから、普遍性は
乏しいかもしれませんが、それでも読む価値ありだと感じた次第。

 ではでは。




#3457/3457 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  25/04/18  19:50  ( 74)
AIの出て来る物語をAIなしに考える   永山
★内容
 カクヨムで催されている公式自主企画に「人工知能×青春小説」というのがあって、
分量は二万字から六万字だったかな。で、書いてみようかと思って捻り出した素案が、
次のような感じのやつ。長いです。

・冒頭、若い男女二人がネットを通じて、相談しながらミステリを創作していく様を描
いたシーン。
・主人公は男Aと女Bで、出会いは小学校時代に遡る。図書の授業でともにミステリ好
きだと知り、お喋りするようになる。
・ほどなくして、Bはミステリを書く方もやっていると分かる。Aもつられるようにし
て書こうとするが、すぐに挫折。Bにその話をすると、「じゃあ一緒に書かない?」と
誘われた。少し迷ったが、周りのみんなには内緒で共作をスタート。
・最初はうまく行かなかったけれども、Aがトリックなどを考え、二人でブラッシュア
ップし、最終的にBが文章にするのがベストだと認識してからは徐々に成長。中学に入
って以降も続けた結果、短編を書き上げ、中学生向けのコンテストで佳作入選したり、
公募でもちらほら一次通過するようになったりと成果を上げる。
・高校は一緒になれそうにないこともあり、中学卒業までに長編を書き上げ、どこか賞
に投稿するのを目標に掲げる。長編向けのプロット作りにAは苦心。どうにかできあが
った作品は賞規定の下限にわずかに届かない。無理矢理水増しして下限に届かせて応募
するか否かで二人は話し合い、惜しい気持ちはあったものの断念する。
・受験シーズンに突入し、しばらく創作から離れていたAとBだったが、先にBが女子
校への推薦入試に合格する。Aは勉強の合間の骨休めとお祝いを兼ねて、Bを家に訪ね
る。そこでBが見せてきたのは、下限に届くように書き足された作品だった。無理矢理
水増ししたのではなく、Aのアイディアを生成AIに読み込ませて、膨らませたものを
出力させ、それを元に書いたという。もちろんBは賞に出したがっている。
・膨らませた箇所に目を通したAは、出来映えを内心認めつつも、面白くない。「一旦
出さないと決めたんだし、生成AIを使っていいかどうか分からないし」と何だかんだ
理屈をこねて、応募に反対した。
・対するBはAの意向に強くは反対しないものの、未練がある様子。それを感じ取った
Aは「だったら一からAIと作ればいいだろ!」と口走ってしまう。そのままB宅を出
たAはあとになって、「生成AIがアイディアを出すようになったら自分は必要なくな
る。それを認めたくなくてあんな言葉を吐いてしまった」「Bが先に進学を決めて、自
分はまだという状況が心に余裕をなくさせた」「そして何よりも、初めての長編は自分
とBの二人だけの力で作り上げたかったんだ」と遅まきながら自覚。後悔するも謝るタ
イミングが掴めず、そのまま受験モードにならざるを得なくなる。
・仲直りできないまま中学卒業。疎遠になり、高校ではAは一人で書き始める。当初は
硬い作文だったのが、一年掛けて慣れてきて小説らしくなった。そんな二年生の九月、
思いも寄らない話を耳にする。外国のホームステイのメンバーに選ばれたBは滞在先で
事故に巻き込まれ、行方不明になっているという。B宅に駆け付けると、家族はすでに
半分あきらめている様子。何とも言えぬ雰囲気の中、Aが共作パートナーだったと知っ
ているBの母親から、創作関連のメモなどを見せられる。それはテキストデータにとど
まらず、執筆に使っていたパソコンも含まれていた。AはBが生成AIにAの名を付け
て“育て”、共作のパートナーにしていたのだ。
・Bの安否が不明のまま、月日は過ぎる。その間、Aは創作の助けに生成AIを使い出
した。Bのニックネームを付け、二人で議論してブラッシュアップしていく過程を思い
起こしながら、彼なりに“育てた”。甲斐あって、Aは大学一年時にミステリの新人賞
を獲得、ちょっとした話題になる。
※ここら辺りで、読者には、「冒頭シーンの二人はAとBだと思っていたけれど、Aと
生成AIのやり取りだったんだな」と解釈してほしい。(^^)
・受賞作が出版され、Aにも直接感想が届く。その中の一つに、気になる文面のものが
あった。Aの他にはBしか知らない内容が記されていたのだ。
・しばらくしてBの生存が知らされる。Bは高二の夏、外国滞在中にとある犯罪組織絡
みの殺人を目撃し、命を脅かされる立場になってしまった。いわゆる証人保護プログラ
ムにより、別人として暮らすことを選ばざるを得なかった。それから五年が経過し、組
織の完全壊滅が確認できたのを機に、プログラムが解除された。
・Bとの再会を果たしたAは、かつてのように共作しようと持ち掛ける。返事はもちろ
んイエス。
※そして冒頭のシーンに戻る。Aと生成AIのやり取りではなく、正真正銘、AとBの
会話だったと分かる。


 この梗概で書き出そうと踏み切れないでいます。いくつか理由があって。
1.「人工知能×青春小説」というテーマにしては、AIが出て来るのが遅くないか。
2.小説創作に生成AIを用いることについて積極的な主人公達(特にB)を、肯定的
に受け入れる読者の割合はどれくらいいるか読めない。
3.終盤の証人保護プログラムのくだりが絵空事感満載、かつ、今や割と陳腐。
4.届いた感想でAが気付くというのもいまいち芸がない。だいたいBは何で直にAに
知らせないのだと思わないでもなし。できることなら、「Aが生成AIを使っている
と、ある出力内容がBの個人情報もしくはAとBしか知らない事柄だった、もしかして
Bはどこかで生きていて、記憶喪失になりながらも断片的に覚えている事共をネット上
に公開してきた。その内容を、生成AIが学習の過程で拾ってきて、出力したのではな
いか」てな風な流れに持って行きたいのですが……これは現実味があるのかしらん? ^
^;

 ではでは。




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