●連載 #0287の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
月が微笑む夜。照らされるは、漆黒の森。 森は、風で唸る。唸る森を走る、少女がいた。 黒髪の長髪。目は大きく、形のよい唇。少女は、漆黒の森に似つかわしくない、セー ラー服を着ていた。 走り続ける少女を追いかけるものは、全身を銀色の毛で覆った虎だった。 風は森を唸らせ続ける。夜は、まだ終わらない。 「誰だ?こいつ」 朝、近くの村で、誘いの森、と呼ばれる場所で、コクウは木に寝そべっている、少女を 見つけた。 「見慣れない服、着てるなー」 コクウは、少女を訝しげな目で見ていた。 当たり前だった。 コクウからすれば、こんな所で寝ているだけでも非常識なのに、さらに見慣れない衣 服。そして、森の主に見つからず生きている、と言うだけでコクウが疑いの眼差しを向 けるのは当然だった。 「変な奴だな。意外に、京の貴族だったりしてな」 コクウは、一人で冗談を言い笑う。 「とりあえず、起こさないとな。話はそれからだ」 コクウは、少女に近寄った。 こうして見ると、なかなか可愛いな、とか思いながら肩を叩いた。 少女は、すぐ目を覚ました。 寝ぼけ眼で、 「おはよう〜」 と、言いながら。 「おはよう。じゃあ、起きたばかりで悪いが、質問だ」 「ん」 「お前の、出身國は?後、名前もな」 「隊長〜、私も同じ質問をヨロシイですか〜?」 寝ぼけ眼のくせに、即行で質問をカウンターしてきたことに、驚きながらもコクウは答 え た。 「俺は、コクウ。出身國はここ、レイジェスプの極東の村、サイレロだ」 言い終わると、すかさず 「私は、祈祷絢水(きとうあやみ)。出身国は日本で北海道で生まれ、北海道育ちだよ」 と、返してきた。 「アヤミか。ニホンって、どこら辺にあるんだ?聞いたことない國だな」 コクウは、考えながら聞いた。 「ええと、日本はアジアの東にあるよ。北海道は、日本の北だね」 コクウは、さらに考える顔になった。だが、すぐに元の顔に戻り 「どこだよ、アジアって。まぁいい。この件は保留だ。まずは、俺の家に来い」 コクウがそう言うと、絢水は驚き 「連れ去られる〜。美少女拉致監禁事件だ〜」 と、笑いながら喚いた。 「お前、起きてすぐからハイテンションだな。つか自分で美少女とか言うな」 コクウは、即効でツッコミを入れる。 「分かったよ。コクウくんの家に行くよ。お腹も空いたしね」 「くんとか、付けるな背筋に悪寒が走る」 実際、コクウの腕に鳥肌が立った。 「うん、じゃあ、コクウの家に出発だー」 一人で、おー、とか言いながら、先行する絢水。 先行する絢水を、ヤレヤレと言う顔で追いかけるコクウ。 二人は、そうして出会った。 終わり。
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