●連載 #0278の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
籠の中で竹千代は考えていた。自分が何時解放される、かと。信秀は情に厚いから、二 年ぐらいだろうと竹千代は思った。外で『じゃり、じゃり』と音がする度に籠が揺れ た。竹千代が輸送されている最中信広は、自ら馬に跨り手勢を纏めて那古屋城へ向かっ ていた。 「拙者の解放に身代わりになってくれた者の名は?」 「はっ。信長様からの伝令によりますと、竹千代という、小姓であります。」 「勇気のある者だな。よし。尾張に帰ってきたら、褒美を取らせよう。」 駿河城は横に広がっていて、高くできた尾張の那古屋城とはまったく違う物に竹千代 は見えた。これから何年ここにいることになるのか。 駿河城に着くや否や、今川義元と面会が始った。義元は、眉毛を剃り、顔を白く化粧 してお歯黒だった。正に、平安時代の貴族気取り。この男はすぐに滅ぶな。竹千代は直 感した。 「帥が、竹千代という小姓か。年はまだ幼いそうだな。織田も非常な奴等じゃ。」 ぶてぶてしい、贅肉を震わせながら喋った。 「はっ。竹千代にござります。どうぞ、好きなように使ってくださりませ。」 「ほほぉ。愛い愛い。心配することはない。この義元が可愛がってやろう。」 「はっ。忠義を貫きたく思います。」 「あっはっはははっは。」 義元の出っ張った腹が振れていた。
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