◇フレッシュボイス過去ログ #6582の修正
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★内容(1行全角40字未満、500行まで)
・『消えた奇術師』(鮎川哲也 光文社文庫)17/5552 マジックの最中、演者の一人が死亡する。トランクから脱出するはずが、中 で殺されていたのだ。解決の糸口が見出せないまま、第二の犯行が。同じマジ ック団の一員が、拳銃で撃たれて死ぬ。犯人は明らかに思えたが、容疑者の姿 は密閉空間から煙の如く消えた。犯人は本物の魔術使いなのか?(表題作)。 密室三部作――大学の医学部解剖室でばらばら死体が見付かる「赤い密室」、 雪上の足跡の謎を扱った「白い密室」、劇団員専用アパートで起きる「青い密 室」――を含む、星影龍三シリーズ六編からなる短編集。 書かれた時代は昔なのに、古さをさほど感じない。これは実は凄いことじゃ ないかと。唯一、古さを感じさせる単語が頻繁に登場する「妖塔記」にしても、 昔語りの形式を取っているため、古さが薄まっている。 収録された六編の内、半数を既読でしたが、再読を含めて面白く読めた。現 実的な探偵の推理物を基本とした作者だけれど、超人派の探偵を主役とした作 品でも、これだけの作品を書けるというのは、ジャンルへの造詣や理解、愛情 それぞれの深さが表れている。密室三部作が頭一つか二つ分抜けていて、表題 作が一番平凡に映るのはご愛敬。 作者は「黒い密室」なるタイトルで密室物を書くつもりだったのが、「鮎川 は密室物が不得手だ」との評価を気にして、やめてしまったというエピソード が解説に書かれている。非常にもったいないし、評者はミステリファンに対し て罪作りなことをしたものです。 ではでは。
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