◇フレッシュボイス過去ログ #6560の修正
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・『謎解きはディナーのあとで』(東川篤哉 小学館)16/5461 刑事の宝生麗子は同僚には秘密にしているが、財閥のお嬢様。警察署や現場 の近くまでは、執事兼運転手の影山に高級車で送られ、そして迎えに来させる 身分にある。 この影山も一筋縄で行かない男。お嬢様たる麗子が苦戦する殺人事件につい て、そのあらましを聞くや、おもむろに言う。たとえば――「失礼ですが、お 嬢様の目は節穴でございますか」と。その言葉の裏にある自信は確かで、見事 な推理を組み立て、真相を導き出す。 何故被害者は靴を履いたまま自室で死んでいたのか、何故犯人は死体をわざ わざ薔薇の茂みに置いたのか、何故死体は服を脱がされていたのか等々……お 嬢様と執事のコンビが、次から次に出くわす変な事件を、快刀乱麻を断つかの 如く解決していく推理短編集。 軽妙な作風ながら、本格推理のロジックが堪能できる佳作、いや傑作と呼べ る作品集。 一話完結の連載物をまとめた物なので、レギュラーキャラクターの説明がい ささかくどくなっているきらいはある(短編集にまとめる際にできれば削って 欲しかった)ものの、その造詣自体はユニーク。ホームズとワトソンのコンビ で、ワトソンがホームズをやり込めるパターンとも言えるし、ワトソンに見え た人物がホームズだったという風にも言えましょう。 ロジックについては、難易度の差こそあれ、いずれも捻りを入れており、工 夫が感じられて嬉しい。さらに、カバーイラストや文体の軽さが、カムフラー ジュの役目を果たしている、かもしれません。 蛇足ながら、某書籍販売サイトでのレビュー群のほとんどがあまりにひどい。 世の中に、ミステリにおける「本格」や「謎解き」、ついでに「トリック」ま でも誤解している人がどれほどいるかを暗に示しているかのよう。あるいは、 話題になっているからという理由で本を手に取り、本質を誤解したまま読むと、 こうなるのも仕方ないのかしらん……。 ではでは。
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