◇フレッシュボイス過去ログ #6490の修正
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歯痛で集中力が途切れる……ので、本の感想を棚卸し。 ・『福家警部補の再訪』(大倉崇裕 東京創元社クライムクラブ) 12/3441 周遊中の客船内で、殺人事件が発生。たまたまその船に紛れ込んでしまった 福栄警部補は、鑑識による手掛かりがないまま、解決に奔走する(「マックス 号事件」)。著名脚本家が、邪魔な人物を二人まとめて始末するために計画し たのは、狂言誘拐。完璧と思われた犯罪だが。些細な点を気にした福家警部補 が食らいつく(「失われた灯」)。山手のぼり・くだりはかつて大人気を誇っ た漫才コンビだが、今や解散の危機を迎えていた。独り立ちを目指すのぼりは、 コンビに拘るくだりを、とある習癖を利して事故死に見せ掛けて殺すが、予想 外のほつれを見せる(「相棒」)。他一編。 とても刑事に見えない福家警部補が再登場する、倒叙ミステリ短編集。 同じ出版社から出た『福家警部補の挨拶』に続く、シリーズ第二弾というこ とで、前作がよかった分、大いに期待しました。 読んでみて第一印象は、前回よりは多少落ちるかなと。それでも面白いんで すが、所々、詰めが甘いような。たとえば……どの作品かは特定しませんが、 マニキュアが付いたのは両手かもしれないし、片手だけかもしれない。そこの ところの詰め方が、ちょっと不満。 各編に一つずつ(?)、刑事コロンボを明白に意識した書き込みが用意され ているような気がする。この遊びは面白い。 登場人物の紹介は、前作に比べるとスムーズになっていたと感じた。やはり 同じシリーズ物の短編集なら、これくらい簡潔に済ませるのがいい。反面、福 家警部補が刑事だと思われなくて一悶着起きるシーンは、ユーモラスではある ものの、些か長く、尺稼ぎに見えてしまう。 あとは、前著に比べたら若干、感動系に軸を移したように思う。悪くない。 ただ、これを続けようとすると、福家をあまりに多趣味にしてしまいそう。 個人的に実感した評価は、点数ほど低くはありません。読んで損はない一冊 でしょう。 ではでは。
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