◇フレッシュボイス過去ログ #6111の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
・『グッドホープ邸の殺人』(ブルース=アレグザンダー 著/近藤麻里子 訳 ハヤカワポケットミステリ)11/1451 十八世紀後半。印刷工の父を不当な刑罰により亡くしたジェレミー少年は、 生まれ育った土地から逃げ出し、流れ流れてロンドンに行き着く。初めて見る 大都市、右も左も分からぬジェレミーは、親切ごかしに近付いてきた小悪党に 手もなく陥れられ、盗人の罪を着せられる。法廷に引き出された彼を裁く治安 判事は、盲目のジョン・フィールディング。サー・ジョンと称される敏腕判事 は、先入観にとらわれることなく、明敏な推理と公平な判断で、ジェレミーを 窮地から救う。 その後、職を見付けるまでの間、サー・ジョンの庇護下に入ったジェレミー は、折しも発生したグッドホープ邸での殺人事件について、治安判事の目とな り手足となって、仕事を手伝うことになる。 実在したジョン・フィールディング治安判事の活躍を描く時代ミステリ。 えー、上記の紹介では省きましたが、本には密室殺人であることがうたわれ ています。でも、こんなトリックで密室殺人を売りにしてはいけない。はっき り言えば付け足しで、あってもなくても関係ない。密室に期待して読まないよ うにご注意をば。 それ以外のミステリ部分も、あんまり大したことありません。この当時なら ではの欺瞞が用いられているものの、ある意味、素直すぎて意外感があるかも。 手掛かりの提示も、読者の知り得ない点がいくつかあったし。 反面、十八世紀後半の英国の雰囲気を味わうには、なかなかいいんじゃない でしょうか。私は詳しくないのでどのぐらい忠実に描写されているかは分かり ませんが、当時のロンドンはえらく物騒だったんだなと感じます。 また、ジェレミー少年の成長物語としても読めましょう。本書は大人になっ たジェレミーが、少年時代に関わった事件をメモを見ながら文章にしていく体 裁を取っており、特に社会・風俗について、小さな子供の頃には分からなかっ たことが、今なら分かるという形で記されています。 そんな訳で、ミステリとして読むと期待外れですが、英国時代小説としてな ら楽しめるかと。 ではでは。
メールアドレス
パスワード
※ゲスト書き込みはアドレスGUEST,パスワードなしです。
※まだアドレスを登録してない方はこちらへ
メールアドレス登録
アドレスとパスワードをブラウザに記憶させる
メッセージを削除する
「◇フレッシュボイス過去ログ」一覧
オプション検索
利用者登録
アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE