◇フレッシュボイス過去ログ #5216の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
推理物を書く上で生じ得る困難の一つに、トリックのネタばらしがあると言 えます。 ネタバレが歓迎されないのは、ミステリに限らず、たいていのエンターテイ ンメント物に当てはまるでしょうが、敢えてここで取り上げるのは、ネタを明 かすことで、作品の面白味をアップする効果を期待できるケースがあるためで して。 たとえば――推理物を読んでいて謎が提示されたが、どうも、既存のトリッ クAを使えば解決できそうだ。しかし、最後まで読むとトリックAでは不可能 であり、新しいトリックBが使われていたと分かった――こんな場合、読者の 受ける感銘は作者の思惑より小さくなるのではないか。トリックAではないこ とを早めに示してくれれば、もっと楽しめたのに……。また、読者は作中の探 偵役が、何故トリックAが用いられた可能性を議論しないのか、奇妙に感じる かもしれない。探偵役がミステリマニアなんていう設定ならば、尚更です。知 っていて当然の有名なトリックAについて言及しない不自然さ。 ために、作者は誘惑に駆られる。ここに描かれた謎は、既存の(他の人の作 品の)トリックAでは実行不可能であることを明示したい、と。 そうするにはどんな方法がいいのでしょうか。作品名を伏せてトリックのみ 引き合いに出すか、作品名も合わせて示すか。その前段階で、これこれの作品 のトリックについて触れていますと注意を喚起するか。どれも充分ではないと 思えます。 昔なら、ミステリ全体の作品数がまだ少なく、ミステリ読みを自負するなら 読んでおくべき作品数もたかが知れていました。言うなれば定理や公式のよう に頭に入れて、新作に臨むべし。これで済んでいました。 今では状況が変わり、読んでおくべき作品だけでも相当な数に上るはず。実 際には読んでおけなんて上から目線で言うなんて、とてもとても。 理想を述べるなら、ミステリ研究家が何名か集まって、連日刊行される新作 を次々と読破した上で、この作品は**のネタばらしをしているから読むのは **のあとにすべき、などという指針を作って公開してくれたら、それはもう ありがたいのですが。まあ、現実的でない。 となると、作者各自が、本の帯かカバー折り返しにでも「本作では**のト リックに触れています。未読の方はご注意を」云々と書くぐらいでしょうか。 これとて、問題がない訳ではないけれど、手間が一番掛からないかと。 他の方法、あるいは作中でのネタバレそのものに関して、別の考え方もある と思います。あくまで私見ということで。 ではでは。
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