◇フレッシュボイス過去ログ #5195の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
殺人事件を起こすつもりで書いていた作品で、登場人物を思い掛けず上手く 造形できると、事件を起こすのがもったいなく思える今日この頃。 本の感想>『双月城の惨劇』(加賀美雅之 光文社カッパノベルス) 12/4341 ライン川沿いに建つ双月城。双子の姉妹カレンとマリアが城主を務めるこの 古城を、ハリウッドの映画関係者がロケの交渉がてらに訪れたとき、惨劇の歯 車が回り始めた。 ワインによる毒殺未遂を皮切りに、城内の満月の部屋にて、頭部と両手首を 切断された女性の遺体が見付かる。双月城の怪談めいた伝説になぞらえたかの ように、現場は密室であった。 謎を解くべく、二人の名探偵が乗り込んでくる。パリ警察の予審判事、シャ ルル・ベルトランと、彼のライバルにしてベルリン警察の主任警部、フォン・ ストロハイム。だが、彼らの登場を嘲笑うかの如く、殺人は続いた。またしも 密室という状況下で。 二階堂黎人が絶賛する、KAPPA−ONE登竜門第一回受賞作品。 謎が定型的すぎるかなあ。もっと魅力的かつ目新しい謎を提出してほしかっ た。それと、“これ”が真相なら、犯人はこんなやり方をしなくても、同じよ うな謎をずっと楽に演出できた気がする。 ストーリーにも、大きな不満が。名探偵を二人登場させておきながら、推理 合戦に当たる場面がないのだ。このせいで、羊頭狗肉の感が滲み出てしまった。 また、謎解きの場面で、探偵が延々と喋り、告発されている容疑者(犯人) がまったく喋らず、微動だにしないというのは、いささか盛り上がりに欠ける きらいがあるような。 文章面も、長編デビュー作とあってか、基本的な誤字の多発や、短い間隔で の同じ表現の繰り返しが見られた(人名表記にもおかしな点があるらしいけど、 詳しくないのでパス)。これらの点に関しては、作者の責任もあるが、編集部 がちゃんとフォローしてやれないものなのかと。 とまあ、不満はあれこれあっても、オーソドックスな館ミステリは堪能でき る。トリックも全部ではないが一応、独創的だと思う。 ではでは。
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