◇フレッシュボイス過去ログ #5162の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
・『鼓笛隊の襲来』(三崎亜記 光文社)13/4441 赤道上に、戦後最大規模の鼓笛隊が発生! 予想進路上にある家々では、対 策に大わらわ。防音スタジオのない園子の一家は、果たして無事に切り抜けら れるのか? 表題作他、独特の日常的な非日常世界を描いた短編集。 ミステリではありませんが、一部で評判の高い作者なので、一つ選んで読ん でみました。 うーむ。この手の小説を読むには、私の読み方は現実主義的に過ぎるのでし ょうか。 あり得ない状況をぽんと出して、そこから話を進める――というのが作者得 意の手法らしい。示される非日常はユニークで、繰り広げられる物語も悪くは ない。 ただ、現実主義的読み方をする人間は、立ち止まってしまう。 たとえば、「遠距離・恋愛」。特区として空に浮かぶことにした街、という 物が示されるのだが、何のために空に浮かぶのかというメリットが、高原野菜 を作りやすいことしか触れられていない。対するデメリットを考えると、不釣 り合いで空に浮かぶ意味が見出せないのだ。 あるいは、「同じ夜空を見上げて」。ある列車が走行中、乗員乗客とも何の 前触れもなく消えて五年が経過した。鉄道会社に明確な責任がないため、裁判 は難航しているらしいのだが、そんなことはあり得ないだろう。しかも原因不 明なのに、鉄道はずっと営業を続けているという。これもなさそうだが、原因 がどうしても分からなければ、そのまま営業再開するかもしれない。しかし、 消えた列車の便は運行されなくなった、というのは何でだ? 必要のない場合でも非日常な出来事を入れるがために、瑕疵ができているよ うに感じる。先述の「同じ夜空を見上げて」、何も列車を消さなくても、ロケ ットで旅立って行方不明になった、で充分じゃないかな。 きれいに映像化して、テンポよく見せられたら、もっといい作品だなと感じ るかもしれない。 ではでは。
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