◇フレッシュボイス過去ログ #3075の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
・『三百年の謎匣』(芦辺拓 早川書房)16/5452 とある老富豪が、遺言状作成を依頼した帰途、殺された。小降りの雪が止ん だ直後の現場は、一種の密室状態であり、しかも被害者自身の足跡が残ってい なかった。依頼を受けた弁護士にして探偵の森江春策の元には、その後、老富 豪から手書きの書物が届く。そこには、様々な時代の物語が、様々な言語で綴 られていた。東方の水の都、海賊、アフリカ探険、フランス革命と中国奇譚、 西部劇、飛行船ヒンデンブルク……六つの物語はいずれも謎を残したまま。ま るでこの三百年間、森江春策に解かれるのを待っていたかのように。 “本格推理と物語性の融合”を画したという、鮎川哲也賞作家の新たな試み。 それぞれの物語の書き手の個性があまり感じられないものの、内容自体はバ ラエティに富んでおり、楽しい。また、そこに仕掛けられた謎も、一般的な現 代推理小説では仕掛けづらいネタが多く、この方式を選んだ意味があると思え た。 謎そのものは、総じて見破り易かったが、目新しい謎を作り出そうという作 者の努力は、大いに買えます。手を替え品を替え、でもある種の統一性を持た せようという辺りに、苦心の跡が忍ばれる。 無論、時代を異にする数人が書き綴っていった書物という設定故、各話相互 に関連はなく、そういった面での仕掛けは端から期待してはいけない。現代の 森江春策とリンクさせる辺りも、少々こじつけっぽくなっている。現代の事件 一つにつき、過去の物語一つをヒントにして解決するという風に対応させれば、 強引な感じは薄まった気がする。が、それをやると長大になってしまうから、 今回はこの形で収めたのかな。 ではでは。
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