◇フレッシュボイス過去ログ #3062の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
・『ドクターM殺人事件』(吉村達也 実業之日本社 ジョイ・ノベルス) 11/5330 没落故に被害妄想にとりつかれた旧伯爵が、北アルプス山腹に建てた要塞め いた別荘。その名を「奇厳城」という。冬を迎えようという季節に、総理大臣 の名で出された招待状を受け取った男達五人が、そこへ集まる。彼ら全員が、 何故かMのイニシャルを持っていた。 雪に埋もれつつある館に、招待主の姿はなく、それどころか、ドクターMを 名乗る正体不明の人物のメッセージにより、殺人事件の発生が予告された。し かも、犯人は二人という宣言まで。 “嵐の山荘物は単独犯”というお約束を破った、サスペンスミステリ。 むー。推理小説じゃないですね。「こんな真相、推理できるはずがない」っ て意味で。作中でも、犯人の長々とした独白で真相が語られるのだから、推し て知るべし、というもの。 着想は面白いと思う。閉塞状況下で連続殺人が起き、犯人は複数。今までに あまりなかったこのパターンには、可能性が感じられる。それを本書は活かし 切れなかった印象が、甚だ強い。 あと、犯人の内面に立ち入った描写がそこここにあって、どうも釈然としま せん。面白く読ませるための都合のよい取捨選択は作者の武器であるけれども、 その結果、アンフェアになるのはだめだと思う。 加えて、「あれ」とか「ある男が」的な表現が多く、対象をはっきりさせな い描写が目立った。こういう手法は、極力抑えて、効果的に使わねば。 ではでは。
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