◇フレッシュボイス過去ログ #3043の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
・『ボーン・コレクター』(ジェフリー・ディーヴァー 著 / 池田真紀子 訳 文芸春秋)18/6552 ニューヨーク市警の科学捜査本部長リンカーン=ライムは、捜査中の事故に より、四肢麻痺に陥る。首より下で動かせるのは左手薬指のみ。職を離れ、自 宅で寝たきりの生活を送る彼は、自殺をするために手伝ってくれる医者を見つ け出していた。 そんなとき、かつての同僚から、ある殺人事件に関するアドバイスを求めら れる。骨に異常な執着を示す犯人――ボーン・コレクター――は鑑識の知識に 通じ、犯行現場に次の犯行に関するヒントを巧妙に織り込んでいく。ライムは、 同僚らが初手から罠にはまっていることに気付き、半ばやむを得ず、協力する。 そして、第一殺人現場の初動捜査に当たった女性巡査アメリア=サックスを手 足のように使って証拠を集め、ボーン・コレクターと対峙することになる。 恋愛小説版『羊たちの沈黙』とも称された、犯罪ミステリの傑作。 探偵役のライムが、最先端科学捜査と豊富な知識を活用し、犯人の残す手が かりを読み解いていくのだけれど。この本が出た当時なら、圧倒的専門性や、 手足となって動くサックスに遺体の手を切断しろとか、匂いをかげと命じるく だり等に驚嘆させられたに違いない。しかし、今やドラマ「CSI」などで科 学捜査の最先端に触れてきた我々読者には、インパクトがいまいち薄い。ライ ムの折角の分析・推理も、専門用語の羅列で、ともすれば流れ作業めいて映る。 その意味ではもったいない。もっと早く読むべきでした。 理解しがたい箇所もある。たとえば、カップルが行方不明となり、その片割 れが遺体で見つかったと聞いたライムが、女性の方は?と尋ね返す場面。何故、 遺体で見つかったのが男性と分かるのか。このシリーズを読むのは初めてなん で、ライムが犯行に関与しているのかと思ってしまった。これは、原文では遺 体で見つかったのは男性と分かる記述だったが、訳すと曖昧な日本語になって しまったという可能性なきにしもあらず、ですが。 とまあ、不満な点を挙げてきましたが、本書を傑作と呼ぶのに何のためらい もありません。それはこの物語が、最新・専門のネタに頼っただけの情報小説 ではなく、堂々としたミステリに仕上がっているから。さらに言えば、過剰な ところはあったかもしれないが、決して無駄はない。計算の行き届いた作品。 その面白さを語ろうとして、ポイントに少しでも触れると、ネタバレにつな がってしまいそうなんで……“四の五の言いませんから、読んでください”本 ということにしておきます。 ではでは。
メールアドレス
パスワード
※ゲスト書き込みはアドレスGUEST,パスワードなしです。
※まだアドレスを登録してない方はこちらへ
メールアドレス登録
アドレスとパスワードをブラウザに記憶させる
メッセージを削除する
「◇フレッシュボイス過去ログ」一覧
オプション検索
利用者登録
アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE