◇フレッシュボイス過去ログ #2993の修正
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・『そして死の鐘が鳴る』(キャサリン・エアード 作/高橋豊 訳 ハヤカワ ミステリ文庫)16/6451 その事件は、ロンドン郊外の町には似合わない、不可思議な状況を呈してい た。教会の鐘の塔で、男の遺体が発見される。男の上には、工事のために移さ れていた巨大な石像が倒れ、砕け散っていた。その破片のおかげで、内開きの 扉は開閉がままならず、現場には誰も入ることもできなければ、出ることもか なわない事態になっていたのだ。 その後の調べで、石像は故意に倒された疑いが強まる。つまりこれは不幸な 事故ではなく、悪意ある殺人、しかも密室殺人なのだ。スローン警部が勇躍、 捜査に乗り出すが、状況を確定するにはなかなか到らない。 有栖川有栖『密室大図鑑』において、「なるほど、すごいトリックだ」と評 された、豪快な荒技を用いた快作。 最初の内は面白く読んでいましたが、段々、単調に感じてきました。抑揚に 欠けるというか、報告書を読んでいる気分になってくる。物語の展開そのもの は、起伏に乏しいというほどでもなく、それなりに変化を付けていますが、各 シーンの描き方が互いに似通っているせいか、どうにも淡々とした印象が拭え ません。表現に洒落たところがあって、決して読みにくくはないのですが。こ のミステリの見せどころはトリックにあり、ということなのかもしれません。 さて、そのトリック。 上にも書きましたように、『密室大図鑑』(新潮文庫)で取り上げられてい たのを目にし、興味を持った作品。有栖川有栖は同書であることを記述してい るのですが、そこから、こうではないか?と一つの推測を立てました。むしろ、 その推測が当たっているかどうかを確かめる意味で、本書を読み始めたという 感じです。 そしてめでたく、推測が外れたので、大変よかった(笑)。確かに凄い。よ くもまあ、こんなこと考え付くもんです。ネタバレを恐れずに言い表すなら、 “地球が殺した”となりましょう。 ではでは。
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