◇フレッシュボイス過去ログ #2409の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
省略し過ぎてますね。申し訳ない>永山さん 永山さんの一連の作品の感想です。 以下の作品のネタバレ箇所があるかと思われますので、まだお読みでない方は ご注意ください。 ・覆水盆に帰らず ※041022訂正しました。タイトルを間違えたことを深く お詫びいたします。 ・地震過剰 ・天衣無法 ・木で首をくくる ・業火絢爛 ・金差の勝利 ・十三海断 ※読んだ順です **ネタバレ注意** ☆覆水盆に帰らず ※041022訂正しました。申し訳ありません。 読み始めての印象として雑多な感じですか、登場人物多すぎてそれを把握で きず、それでもどんどんと話は流れていってしまう、そんな気がしました。テ ンポがいいに越したことはないので、それが欠点というわけではありません。 ※登場人物の多さ苗字の多様さは、佐藤さんの感想(#1851)へのレス(#1852) 読んで納得しました。お題作品であるので、それは明確な理由ではありますね。 まさか「福水さんが盆には帰らない」という意味の駄洒落だけではないだろう と思っていましたので。 ところで、この作品には一ノ瀬という主役級の人物が登場していましたね。 あまり記憶力のない私としてはどこかで見たはずだと、なんとかそれを思い出 して「失楽浄土」を読み返してみたわけですが、あちらは「皐」でこちらは 「和葉」でした。そういえば、性格も微妙に違っていましたね。年齢もたぶん 違うのでしょう。 だとしたら、なぜ「一ノ瀬」が二人も登場するのだと考えて、失楽浄土を読 み進めて行くと「六本木」という女の子が登場しているのに気付きました。ほ とんど話に絡んで来ないので、すっかり失念しておりましたわ。 それはともかく、この二人の関係が気になります。もしかしたら次の作品以 降で語られるのかな? ☆地震過剰 まずは質問です。 @引用開始@ 「たとえば問題を右から左向きにしたり、視界が左右逆転する眼鏡を掛けたり、 聞き手でない手で記述させたりね」 @引用終了@ ここって「聞き手」じゃなくて「利き手」じゃないですか? 初め、永山さんの事だからこんな凡ミスはするはずがないと思い、何度も読 み返しながら「聞き手でない人が記述するのか?」と「実験」という言葉に囚 われて無駄に足踏みしてしまいました。 短編でいてそれなりに登場人物が多いにも関わらず主役級の三鷹珠恵の存在 感が浮き出ていたせいか、すっきりとしたまとまりを感じました。それほど混 乱することもなく読めたと思います。 トリックに関しては……うーん、永山さんの方が先に書いてらしたんですね。 自分もそれを利用した覚えがあるので、すぐにピンときました。**に対する 思いこみのトリックってのは結構一般的なんですかね。 ☆天衣無法 一連の作品の中では一番好感の持てる主人公ですね。成長するという人物設 定は個人的にも好みです。それもあってか、台詞の一つ一つが生きている感じ がします。前半のマジックの種明かしも単なる知識のひけらかしではなく、弥 生の性格設定から反映されているものですし、後半の成長を遂げた後の彼女の 行動にも深い意味を持たせていますね。 この作品にはマジックだけではなく、推理小説も含めたトリックというもの に対する深い愛情を感じます。テーマは違いますが、名古山珠代名義のF&M シリーズを彷彿させますね。 倍以上の長さにして、弥生の成長過程をじっくり読むことができたら、さら に良かったのではないかと思いました。 ☆木で首をくくる 登場人物の数としてはバランスがいいですね。ただ、犯人の動機など発想と しては面白いのだろうけど、全体的にどうもしっくりしないですね。個人的に ですが。 それは多分、この物語だけでは主役級の五代春季の魅力があまり伝わってこ ないからなのかもしれません。もちろん、性格的な部分での真面目な気質等は 伝わってきておりました。ただ、一歩間違えば出木杉くん的な、脇役としては 存在感はあるが主役としては感情移入しづらいという部分も見受けられたとこ ろが個人的にしっくりとこなかった理由でしょうか。 あとは準主役である名倉くんの扱いですね。彼の言葉や行動の端端に見える 信用のおけない片鱗が、単なるフェイクの為の表面的な付け足しに見えてしま ったのには肩すかしをくらったような気もしました。意外な犯人というのが逆 に期待外れとなってしまったのでしょう。 パターンではありますが、彼が犯人であり、なおかつ、もっと黒い狂気の犯 行動機がある場合も見てみたかったですね。 ☆業火絢爛 冒頭から登場人物自体にもやがかかった感じでした。それが主人公にまであ るものだから、すっきりしない状況で読み始め、最後のファミレスのシーンで ネタがバラされてようやく気付きました。読み終わった直後に「なるほど」と。 ただ、この手の**を読み違えさせるパターンというのは何度か目にしたこと があったので、それほどの驚きは感じませんでした。 とはいえ、状況を整理するためにもう一度(上)にまで戻って、最初から読 んでしまいましたから、作者の意図するトリックにまんまと引っかかったこと になります。 ただ、これって中学生にする必要があったのかと、それだけが疑問。 ☆金差の勝利 淡々と進んでいく物語は良く言えば綺麗に流れているようで、悪く言えば退 屈でした。それも学園の雰囲気を出す上で不可欠な事だったと思われるので、 そのへんは個人的な好みでしょうか。 この手の芸術家(その卵も含む)たちの醜い争い(それに権力者が絡んでく る)というのも、パターンとしては飽きが来ていたので、それが個人的に面白 さを見いだせなかった理由かもしれません。 ただ、状況をしっかりと把握しながら、論理立てて推理をしていくというの は、さすがだなといつもながら感心してしまいます。探偵ごっこをやるわけで もなく、与えられた状況証拠の中からいかにふさわしい犯人を捜すのかが、た ぶんこの物語を含むミステリというものの醍醐味なのかなと(すみません。門 外漢なのに偉そうなことを書いて)思ってしまったり……。 最後は綺麗にまとまった感じでした。このシーンでようやく二階堂の魅力が 伝わってきましたね。 ☆十三海断 十三シリーズを読んだのは6、7年ぶりになるのかな。いや十年くらい経っ てたりして。とりあえず残虐シーンがあまり好きにはなれなくて読まなくなっ ていたのですが、今回は次作の予習の為に登場人物を把握する為にも拝読いた しました。 物語についてはけしてつまらなくはないと思います。冒頭のシーンが最後の オチに繋がるシーンは見事と言っていいでしょう。人物設定も悪くはありませ ん。やや、記号や駒と化している人物たちがおりますが、生け贄みたいなもの でしょうね。 まあ、それはともかく残虐シーンは苦手です。永山さんの文章は精密であり、 的確でもあるので、読みながら同時に痛みを思い起こしてしまうほど。怖さよ りもやっぱりそっちですよ。 いや、面白いですけど、できれば読みたくなかった。こんな感想ですみませ ん。 ☆総評 何作品かに「七日市学園に転校する」というような事が書いており、永山さ んが次の作品でどのようなものをやりたいかが、なんとなく見えてきたような 気がします。 一通り読んでみて、何人かキャラが被りそうな感じですが、作品の中で性格 (性質含む)がきっちりと見せられていない場合も多く、これからいかように もできると思います。ですから、それはこちらが心配することでもないでしょ う。 一連の作品の中で一番の好みはやはり『天衣無法』でしょうか。それとは別 に物語として続けて欲しいのは『冥々白々』の少女探偵団と『失楽浄土』の一 ノ瀬メイといったところです。 新たな関連作品は来年以降ということらしいので、気長に待ちたいと思います。
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